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シリアにそろそろS-300を配備しよう

2018-04-16 14:24:10 | アジア情勢複雑怪奇

イランのローハニ大統領は今回のシリア空爆について、

シリアの空爆は、米国とテロリストとの絆を証明したものだ

Syria strikes prove direct US-terrorists ties: Iran president

http://www.presstv.com/Detail/2018/04/15/558613/Rouhani-Putin-Syria-US-attack

と語っている。このラインは、ロシア外務省もプーチン大統領ももはや確定のラインとして何度もいっている。

実際、アルカイダだのISだのと名前を付けてそいつらに一般人、つまり「しろーとさん」を襲わせて、恐怖のどん底に叩き込んで、そこからその地を占領して傀儡を付けるというのが西側のプロット。シリア軍はそこを解放していったからこそ、人々がシリア国軍を歓迎している。

こういうのを戦争と呼ぶことすら間違ってると思う。結果は、いつもいつも、一般人を殺害し、一般人の人生を台無しにする。これこそ西側なんだから。ある意味感心しますけどね、この一貫性(笑)。普通の人はここまで惨いことをやり続けられない。

今回も昨日あたり早速出てましたが、シリアで空爆した、化学兵器の製造拠点なるものはシリアの科学研究施設で、そこは主にガン治療薬を開発していた。

この様子は、イラクを追い詰めて行ったときとまったく同じ。なんだかんだと難癖をつけて制裁したためイラクでは医薬品不足で子どもが50万人は死んだ。どう思うのかと尋ねられたオルブライト国務長官は、やる価値があったと言った。

こういう景色が、西側の理想なんでしょうね。人が苦しむ、人が死ぬ、人がカタワになる、孤児になる、故地を失う、そういう情景がうれしうてうれしくて仕方がない。そして、それができることを「強さ」だと思ってる。はっきりいえば狂人集団。

https://sputniknews.com/middleeast/201804151063587614-syria-missile-strike-medical-lab-destruction/

 

さてそんな中、この空爆を原因として出て来たのは、シリアの防空体制の強化という話。空爆直後からロシア軍参謀本部の人(Chief of the Main Operational Directorate of the Russian General Staff Col. Gen. Sergey Rudskoy)が、

ミサイル防衛システムだけでなくそれを動かす人をトレーニングする人も含めて検討すべき時だろう、と語っていた。

Lawmaker: Russia Should Sell S-300 Air Defense Systems to Iran, N. Korea, Syria

https://sputniknews.com/military/201804151063573750-russia-s300-korea-syria-iran/

"It is necessary to consider not only deliveries of missile defense systems, but also deliveries accompanied by those people who can train the personnel of these countries, so that Syria, Iran and North Korea could deploy these systems, if they wanted," Sherin said.

 

シリアが今回古い防衛システムで、米英仏のミサイル攻撃を迎撃したことは広く出回っていたが、ではなぜそんなソ連時代の、本国ロシアじゃもう使ってないようなものしかないのか。

それは、近隣のある国が嫌がっていたから。まぁイスラエルなんですが。これはイランにS-300を売るなという騒ぎがつい最近まであったのと同じ。イランでは、ロシアは一度は売却の約束をしていたのに西側との関係を重視して供給しなかった。これはロシアの裏切りだとロシア草の根は怒っていたものだった。が、2014年のいわゆるイラン・ディールをきっかけに、正式にイランはS-300をロシアから受け取ったと発表、現在は稼働していると考えられている。

これと同じようなことがシリアにも起こるだろうという話。北朝鮮にも売ったらどうだろうと言っているようだ。

シリアの場合はS-300(長距離)だけでなくパーンツィリ(短い方)も増やして、シリア南部をガチガチにすべきでしょう。

で、この副次効果として、シリア全土がそうなれば、北側のトルコの行動を抑止することもできる。

 

一方、イランがロシアの航空機の自国領内の配備を許可した模様。通るのはもうすっかりカスピ海→イラン→イラン→シリアがおなじみになったけど、配備させるのはイラン国軍がイヤがっていたのだが、もはや現状はそれどころではないと決心したということなんでしょう。

Iran said to allow Russia to deploy ‘strategic aircraft’ in its territory

https://www.timesofisrael.com/iran-said-to-allow-russia-to-deploy-strategic-aircraft-in-its-territory/

 

もういっちょ。クリミア半島とロシア本土の間のケルチ海峡にかけている橋はそろそろ完成する。もちろん第一にはクリミア半島の孤立を解消すること。

それは、ロシア本土からクリミアの先っちょのロシア軍の名高い基地セバストポリへの陸続きの輸送が可能になるということでもある。

で、そこから、セバストポリとシリアにあるロシア軍のあんまり大きくはない軍港タルトゥースを航路化して、シリアに物資を運べるようにする模様。

Kerch Strait bridge to help arrange transit of goods between Russia, Syria
Russian Politics & Diplomacy
April 16, 6:59 UTC+3

http://tass.com/politics/999962

 

ということで、まぁなんてか、アメリカがシリアを撤退するかもよ、などというトランプの言は国内向けの消費にすぎないとロシアもシリアもイランも考えていると思う。

 

■ オマケ

Lavrov on S-300 Supply: After West's Attack, We Mull All Options to Defend Syria

https://sputniknews.com/middleeast/201804171063634749-lavrov-s300-missile-attack-syria/


 

 


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2 コメント

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くさい (私は黙らない)
2018-04-17 03:48:46
ロシア人傭兵が多数死亡したという事件を追っていたロシア人記者の転落死が臭い。何を隠蔽したかった?誰がやった?傭兵の実態が知りたい。
米英仏によるミサイル攻撃に対する世論の反応は、一言でいってしらけていると思う。だって、いまさらシリアが化学兵器を使うメリット、全くないじゃないですか。こんな子供でも抱く疑問に、誰も正直に答えていない。
このミサイル攻撃、不可思議だと思う。トランプの過激なツイッターの割に、対ロシアに対する配慮が色濃くにじんでいるように思う。(事前通告もしていましたよね。シリアも、ミサイル攻撃の対象がどこかも正確に把握していましたよね。)穿った見方をすれば、もしかしてこれは米ロの出来レースというか、ショーみたいなものではなかったかと。

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ペンタゴンのプロパガンダ (ブログ主)
2018-04-17 17:03:32
私は黙らないさん

そのように、これは何か理由があるのよ、ロシアも共犯なんだわ、と思ってほしいからこそペンタゴンが必死こいてネトウヨみたいなのを動員しているというのが現状だろうと私はみてます。

なぜか。
(1) 本当はもっと大きな破壊的な攻撃をしたかった
  (ロシアの報復する宣言で中規模になった)
(2) それでも結構な数の民間施設をターゲットにした
  (シリア軍の防空設備の奮闘で迎撃された)

つまり、彼らは失敗した。だから、これは大したことがない、訳ありのものなんだ、プーチンだって知ってる、とか言ってるという話。

ちなみに、プーチン(ロシア)はシリアを捨てる、というのはイスラエルが長年仕込んでいるプロパガンダ路線です。そうして欲しいから(笑)。
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