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ウクライナ雑報(核・NATO)

2015-01-06 22:14:32 | 欧州情勢複雑怪奇

あれだけ騒いだわりにはその後の経過報道が少ないウクライナ情勢ですが、とりあえず今日あたりは静かに停戦している模様。全体的には静まってるけど散発的に東南部で小さな衝突が起きることがある、みたいな感じらしくみえる。でも、それが本当の衝突なのかそれとも何かの交渉のための衝突なのかは不明。

で、今後の成り行きとして、1月9日にウクライナ、ロシア、ドイツ、フランスの外相がベルリンで会う予定になっていて、その後は15日に同じ4か国の首脳がカザフスタンでが集まることになっておりこれが結構大きな結果をもたらす可能性があるようなないような・・・。この4か国で話し合うのを誰が呼び出したのか「ノルマンディー・フォーマット」と呼んでるらしい。

ただ、ウクライナ危機の解決って何?と考えると、少なくとも、EUもアメリカもターゲットはロシアであってウクライナじゃない。ウクライナ国民の状況なんてのにはなんの意味もなく興味もない。経済制裁を解除すべきだと英仏の要人は語るものの、どうなったらウクライナの状況が好転したとみるのかも不明。

そして、ロシア攻撃は経済を通して続行中。この状況で開かれるウクライナ対策の会議は何を話し合うんでしょうかね。わかりません。わかるのは、ウクライナがデフォルト寸前のままだということぐらい。

ウクライナに関してロシア側の話は3月から一貫していて、クリミアはロシアに戻りました、以上、で、ウクライナは最低でも東西を連邦型にするしか国家の一体性を保てないから東部とキエフはお話しろ、ロシアは当事者じゃない、ってなところ。それに対して、EU/USAがウクライナに関して何をしたいのかは思えば不明だ。3月から意味不明に東部住民をテロリストにして砲撃してみたり、インフラ壊して、産業壊して、東部住民の年金カットしてみたり、なんだりかんだりやっているものの、最終的にどうなったらいいのか誰も示したことはない。EUに入れました、万歳、もそれっきり。

これは何をしているのかといえば、ロシアウォッチャーの間では、要するに、英米さんチームのやり方は、敵を叩けないなら敵の敵を作れ、ってことで、ロシアの体制変更に失敗(プーチンを2011年から2012年に失脚させたかったが失敗したし、今回もなんでもかんでもプーチンのせいにしたけど効果がなかった)した以上、ウクライナをガチガチに反ロシアにすることが次の目標だ、と。

望ましいのはウクライナとロシアを戦わせて殺し合わせること。そうすれば次の何十年か和解不能になる。春先からの路線もこの目標でやってきたがロシアが乗ってこないし、ドンバスのノボロジアはなかなか上手い戦い方をするしであんまり成功していない。しかしこの路線に変更はないだろう。だから、ウクライナの一般人が苦しんで、その苦しみはロシアのせいだと言えるなら、どんどん苦境にも陥れるだろう、って感じ。私もこの見解に賛成。とにかく、一にヘイト、二にヘイト、忘れてるなら呼び覚ませ、ないなら作れ、ヘイトだホイ的に、まぁあれもこれもロシアのせいと余念がない。

これに対してロシアは、東部への物資支援はもう10回以上あの例のトラック列で行われているし、石炭と電力を前払いなしで送ることにしたよ、などと、あくまでウクライナ一般住民とは敵対しないという態度を取ってる模様。

ロシア クリスマスに向けてドンバスへ人道支援
http://japanese.ruvr.ru/news/2015_01_06/281907350/

ロシア、ウクライナに石炭と電力を供給へ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0K60LQ20141228

相手が悪意で押してる以上、できる限り妥当、穏当、一般人のためを思って処遇するよう努めることが作戦になるという、これってロシアにとって良い展開ではないのか?と私は思ってる。オバマ、あんた何してますか?って感じ。


国内の右派セクターの処遇も難しそうだけど、ネオナチといい暴漢みたいなあんちゃん、ねーちゃんたちといい、西側世界はこういう人たちを喜んで支援したし、今もしているも同然なわけで、この不道徳さも凄いものだと改めて思う。

右派セクター、ウクライナ国防省への帰順を拒否
http://japanese.ruvr.ru/news/2015_01_06/281919705/

■ よくわからないけど禍々しい気がする核の話

一方、年末にはこんな話が出て来た。

ウクライナ核燃料 米の供給増にロシア反発
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141231/k10014374691000.html

このため、ロシア外務省は30日、コメントを発表し、アメリカ企業の核燃料はソビエトで開発された原子炉には適合しないと主張したうえで、「ウクライナとヨーロッパの人々の安全と健康を脅威にさらす」として強く反発しています。

しかし、これって去年4月頃にも出ていたような気がするので、ウェスティンハウス・東芝はなぜ半年契約が遅れたのだろう、みたいな気がしたりもする。これこれ。

チェルノブイリの事故から28年、原発依存を強めるウクライナ
The Huffington Post
投稿日: 2014年04月27日 09時27分 JST
http://www.huffingtonpost.jp/2014/04/26/chernobyl-ukraine-nuclear-power_n_5219665.html

ウクライナは天然ガスをロシアに依存していて嫌なので、せめて原発燃料は西側にする気なんですよ、って話で、それに対して、ロシアのロゴジンが、それは危険だから止めろと言っていた。こんな事情も実際あったらしい。

かつて、チェコのテメリン原発でWestinghouse社の燃料を使ったために気密化が失われる事故がおきている。その事態のあと、チェコはこの燃料の供給をやめている。原発の修理および新たな燃料の購買に何百万ドルもの出費がかかった。

そういうわけで、事情としては資源をロシアから買わないんだ、どうだエライだろう、って話に見えるけど、でも天然ガスと核は違うわけで、テクニカルに大丈夫な話なのだろうかという疑念は一応持つ。

なんか、日本とアメリカが組んでるこの原子力屋さんが、やたらにロシア世界に入ろうと無理強いしているみたいで、ものすごく禍々しいものを感じる今日この頃だったりもする。ウェスティンハウス・東芝組はカザフスタンでも原発を建てようとしていると読んだ。

おそらく・・・チェルノブイリの石棺を日本等のお金で新しくして、新規原発を西側に建てさせて、その際に、この事故はソ連=ロシアのせいだ、というストーリーを仕立てて折からのウクライナの反ロシア化運動に使うんだろうな、とか想像する。ウクライナ人だって当時はソ連人なわけで、当時の人々は命を落とした兵士はロシア人でもありウクライナ人でもあり、その他様々な民族を超えた同朋であったと理解していただろうに、若い人は騙されるから今後は話を切り替えちゃおう、ってことでしょう。人の心を踏みにじることにかけて西側文明ほど偉大なものはかつてなかったと言われる日が来ることを望む(つまり、この嘘とごまかしに呑まれない人が生き延びることを望むということ)。

ということは、ウェスティンハウスがウクライナに供給する燃料代は外(当然日本を含む)からの資金も入ってます、だったりするのかなと勘ぐってみる。その算段に半年かかった、とか? いずれにせよ、デフォルト寸前の国をどうしようというんでしょうね、みなさん。

■ NATOがらみ

12月下旬に、

「中立放棄」NATO加盟方針明記の改正法が成立 露反発「対立深めるだけ」
http://www.sankei.com/world/news/141223/wor1412230086-n1.html

という話があった。すっかり今更・・・になっちゃったけど、これについてどう思いますかというメールをいただいていた。いつものことですが、すみません今更拝読させていただきました。

2010年にヤヌコビッチ政権下で、いかなる軍事同盟にも参加しないという立場を法制化したものをひっくり返したといって騒ぎになったわけですが、私としては、もうこれぐらいしかカードがないのか、ウクライナ、みたいに思いました。

この動きは要するにアメリカの議会でウクライナへの支援を決めたりした流れに対応するものなんだと思われます。ある種の決起集会的趣き。

しかしながら、NATOの加盟はウクライナが望めばできるってな話じゃないので、こんなところで一人で決起集会してもどうもならんだろう、と思うわけです。

東部に紛争を抱える状況でNATOへの早期加盟は困難。法改正を主導した親欧米派のポロシェンコ大統領は、最低でも6年間の準備期間をとり、その上でNATO加盟の是非を国民投票で問う方針を示している。

と、ウクライナ側でも今すぐ何かできるわけではないことは分かってやってると思われます。

ふと思うに、今回のウクライナ騒動が起っていなかったらこういう動きにも何ほどか実効性があったかも、と思ってみたりもします。

つまり、イギリス、フランス、ベルギー、オランダ等々各国の圧倒的多数の人々はウクライナがどうなってるのかよくわかってなかったでしょう。ところが、今回リアルなウクライナというものが見えた。2008年のグルジアでも、欧州各国民に、冗談じゃない、ってな意見が強かったけどウクライナなんか抱えたら防衛負担が大きすぎてどうもならなん、というのが丸わかりになった。

ここでNATO加盟各国がウクライナを迎えよう!となるとは到底思えません。で、だからこそ、アメリカの議員の中には、ウクライナとアメリカが同盟すればいいんじゃね?みたいなことを言いだす人がいるんだと思います。

 


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