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現地人とスポンサーと「部屋の中の象」

2019-04-19 21:47:21 | アジア情勢複雑怪奇

北朝鮮の金さんがロシアのプーチンさんに会うことが決まったその近隣の日程には北京の「一帯一路」フォーラムがあると昨日書いたけど、

北朝鮮もフォーラムに招待されているというところまでは本当のようだ。

China invites North Korea to Belt and Road summit

https://www.france24.com/en/20190419-china-invites-north-korea-belt-road-summit

 

で、中国は、金正恩のロシア訪問は非常に重要な出来事だと、中国の外務副大臣がある種のお墨付きみたいなことを言っている。

China believes Kim Jong-un’s upcoming visit to Russia is very important event

http://tass.com/world/1054484

その上で、

「ロシアは朝鮮半島状況にポジティブな影響力を持っています。平和と安定を維持し朝鮮半島の核問題を解決するにあたって大きな貢献をしました。」

"The North Korean leader’s upcoming visit to Russia is a very important event," he said. "Russia has a positive impact on the situation on the Korean Peninsula. It made a substantial contribution to maintaining peace and stability and resolving the Korean nuclear issue."

 

何かある種の結論みたいなことを言っている。一応気に留めておこう。

また、プーチンと習が会うことで、中露間でまた何か一歩前進みたいなことが期待されているようなところもある。

China waiting for beginning of talks on Eurasian economic partnership deal with Russia

http://tass.com/economy/1054519

 

■ 正恩をたててはみたものの

これまでの流れについては、今日櫻井ジャーナルさんが書かれていたものに私も大筋で賛成。

東アジア情勢で主導権を握っているロシア大統領が朝鮮労働党委員長と会談へ 

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201904190000/

 

ここの問題でジョーカー持ってたのはロシアで、アメリカは正恩をたてて巻き返しをはかったといったところでしょう。

しかし、地政学的要件や歴史的的要件、そして国民感情を考えると北朝鮮の支配層がいくらthe West化しようが、できるところとできないところがある。

いずれにしても人は食っていかないとならないし、暖まりたい。ホントのことも知りたい。

このへんは去年書いた通りであってんじゃないかなと思ってる。

このあたりをよく見ていたのがウィリアム・イングダール。金正恩はCIAのツールだという結論に達していた。

スイスと北朝鮮と極東ハンドラー上級者

しかし、CIAも万能ではないって感じなんじゃなかろうか。というよりCIAが取り付けられるのは、指導者層の一部を寝返らせるとか、こっち向かせるとか、中央銀行作らせるとか(笑)、そういうところであって、一般国民の意思までコントロールできるかというとそこまでの力はないでしょう。

ユーラシア vs 西側:仲間を固めてる米

 

そして、そこに至るまでに重要な「荒事」があったんであろうと思われる。櫻井ジャーナルさんの記事によればこんな感じ。

 しかし、朝鮮半島を含む東アジア情勢で最も重要な動きはロシアのプロジェクト。アメリカをはじめとする国々がリビアやシリアへジハード傭兵を送り込んで侵略戦争を始めた2011年、ロシアのドミトリ・メドベージェフ首相はシベリアで朝鮮の最高指導者だった金正日と会い、110億ドル近くあったソ連時代の負債の90%を棒引きにし、鉱物資源の開発などに10億ドルを投資すると提案している。

 この提案を金正日は受け入れるが、その年の12月に急死してしまう。12月17日に列車で移動中に車内で急性心筋梗塞を起こして死亡したと朝鮮の国営メディアは19日に伝えているが、韓国の情報機関であるNIS(国家情報院)の元世勲院長(2009年~13年)は暗殺説を唱えていた。元院長によると、金正日が乗った列車はそのとき、平壌の竜城駅に停車中だった。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201904190000/

 

金正日は、創業者金日成の息子だからヤワではなかったんでしょう。

米の傀儡エリティンが終わってプーチンが出て来た時、金正日は、やっと話せる相手が出て来たと言ったというのをどこかで読んだことがある。

そう考えると、今日のこの記事も意味深。

詳細未公表は「安全上の理由」=北朝鮮との首脳会談-ロシア

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019041901025&g=int

【モスクワ時事】ロシアのペスコフ大統領報道官は19日、今月末までに行われるプーチン大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の初の首脳会談に関し、詳しい日時と場所を明らかにしていないのは「安全上の理由」と説明し、適切な時期に詳細を発表すると語った。タス通信が報じた。 

 

そして、過去30年間ぐらいの事情にとって重要なところはこれもありますね。

ゴルバチョフに見捨てられる前から朝鮮はイスラエルと武器取引で接触があったと見られているが、1990年代に入り、CIAとの関係が強い統一教会との関係を強めた。

トランプが金正恩と仲がいいと言うのは本当なんじゃないですかね。だって両方ともクリスチャン・シオニストと近いわけだから。

 

ということを考えると、金正恩がプーチンに会うというのは、最低でもCIA・シオニスト合同チームとの関係だけではなくなるという意味になるんでしょう。

プーチンはイスラエルを見てもわかる通りシオニストチームをむしろ利用している側面があるから流れはよく見えているのではあるまいかなど思う。

 

■ 現地の人とスポンサーの分離

で、復活ロシアが揉めてる問題に立ち会う際の方針にはどれも一貫性があると思うな。

それは、例えばシオニスト集団(様々なクリスチャンの衣装を着ている)を、シオニストであるが故に敵視するということをしないで、各々の現地の一利害関係者として扱う、ってのが方針なんじゃないか。

シリアで、テロリストと認定したグループ以外の様々な反政府グループともれなく連絡を取り合っていたのも同様。結果的に、アサドが憎い人もシリアを外国勢に潰されたいとは思わない、というある意味自然な理性、判断、常識を引き出して、対話にもっていかせる。

ベネズエラも、まだできてないけど、チャベスか金持ち白人かで別れたら国にならないんだから、対話するように、という方針で考えていると思う。

現地の人にはその土地と密接に結び付いた過去や将来があるわけで、法外にふざけた野望ばかりを語るわけにはいかなくなる。落ち着きませんか、というアプローチ。

これを別の側面から見ると、英米+いくつかの西側諸国が養ってる勢力、特にクリスチャン・シオニスト集団あたりのそれと分けてる、とも言える。

例えば、アメリカのエバンジェリストたちがイスラエルの存続、拡張こそ神の御業だの神との約束みたいなことを言って、本買って、集会に行って献金して、欧州やアメリカから入植者を送り出す「支援」をする時、この人たちには痛みはない。高揚した気分があるだけ。勝手な応援団にすぎない。しかし、現地のユダヤ人には限界がある。

 

■ アメの政治の票田

整理してみると、

(1) ソロスとかオトポール、カラー革命といった集団は確かに存在し、そこといわゆるネオコンという名のよく見ると東欧出身者ばっかりの集団が深く関与している。

(2) エバンジェリカルズ(福音派、宗教右派)集団は、イギリスを発信源として200年ぐらい一貫してイスラエルにユダヤ人を戻すことこそ正義といった(表現はもっと聖書じみているわけだが)行動に熱中している。この過程で上の一群とも関係する(イスラエルの入植者の多数は元ロシア帝国周辺の人)。

といった感じでしょうか。発生としては(2)→(1)でしょうね。

で、これをアメリカの政治は(1)を民主党、(2)を共和党が票田として使ってる。

 

■ 「部屋の中の象」

ふと思うに、近年 (1)を批判する人は劇的に増えた。しかし、エバンジェリカルズに焦点を当てる人はとても少ないのではなかろうか。少なくともネット上はそうだ。

それはつまり、このある意味半端な「暴き」を触れ回っている人たちは、(1)を餌にして民主党叩きをしている人たちだから、ではあるまいか?

よくよく考えれば、ユダヤ人のシオニストはクリスチャン・シオニストの動きの中で出て来たもので、人数的に考えればクリスチャン集団の方が大きいし、アメリカで暮らしてりゃ、彼らがものすごく活動をしているのも見える。本とかテレビ説教とか集会とか。

にもかかわらず、そこに目を向けようとしない、それは「elephant in the room」ではないか、と指摘したのは、誰あろうアングリカンチャーチ(英国国教会)の牧師Stephen Sizerさん。

elephant in the roomというのは、部屋の中の象、というわけで誰でも知ってるに決まってることなのに誰も言わない、といった時に使う言い方。タブーというよりもっとあざといケースですね。

この人は、後にanti-semitism(反ユダヤ主義)だとのレッテルを張られて、一次国教会からSNS禁止を言い渡されていたが、最近また出てきている。

私は当時あんまり気に留めていなかったんだが、最近、明白なるシオニスト大統領がアメリカに登場するに及んで思い出した。これはやっぱり、部屋の中の象だったんだろうなと。だって、こんなに明白にイスラエルを支援しているユダヤ人ではない集団がいるって、メディアでも各種の論説でも触れられていないでしょ? 前に紹介した通り、チョムスキーは言ってるけど。

Noam Chomsky - Why Does the U.S. Support Israel?

 

■ 今後の学習

ということで、私としてはStephen Sizerさんがまとめられた1800年代のイギリスの様子について学習してみたいと思う。

これはある意味で、UKの好ましからざる、表に出したくない部分を語ってしまっているわけで、そりゃまぁアングリカン集団としても受け入れたくないだろうなというのは十分にわかる。が、しかし、そここそ解明されるべきでしょうとも思う。

 


 


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