DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

PACE:ロシア復帰案議決の内訳 & 震えるメルケル

2019-06-27 23:49:37 | 欧州情勢複雑怪奇

昨日書いた、PACEへのロシア復帰問題の投票行動の内訳が出てきた。

欧州評議会議員会議ロシアの議決権回復&カスペルスキー

 

評決は、190代表中62人が反対、10人が棄権、残り118人はロシア復帰に賛成ということなので、まぁギリギリじゃなくて、2/3に迫る勢いですね。

自由欧州放送の記事でも、ウクライナの代表団が腹を立てて外に飛び出した話がつづられている。フランスとドイツの議員がウクライナ支援に回ってくれなかったことを悔しがってる。

Radio Free Europeはアメリカ出資の欧州向けの工作放送の老舗ですから、そうでないようには書けないよね、やっぱり。

Ukrainian Delegation Bolts, Zelenskiy 'Disappointed' In Russia's Reinstatement To PACE

https://www.rferl.org/a/pace-oks-russias-return/30018448.html

 

でも、内容的には具体的な話がたくさんあって読みやすい。

で、内訳を公式の議会のサイトで見てみる。

http://assembly.coe.int/nw/xml/Votes/DB-VotesResults-EN.asp?VoteID=37964&DocID=18997&MemberID=&Sort=2

 

各国の議員の動向はこんな感じ。賛成というのは、この議会の性質から考えて、欧州の統治機構の中でロシアに発言の機会を認めるべきだ、といってるような感じ。

そして、言外に示唆されているのは、2014年のウクライナ危機の時、ロシアの言い分を調査せず、ロシアを悪者として放逐してそのままであるところから5年経ってロシアの議決権が回復するということは、問題が開けられる可能性があるということ。

 

フランス 全員賛成

スペイン 全員賛成

トルコ 全員賛成

イタリア 1人棄権 残り全員賛成

ドイツ 13人中2人否決 残り全員賛成

 

このへんの人数の多い国が票を揃えてきている感じですね。

ウクライナの民間機がらみで注目のオランダは、7人中5人賛成

これは結構意味深ですね。

 

全員に近い大半以上がロシア復帰を否定した国は、

ポーランド、エストニア、リトアニア、スェーデン、ウクライナ、グルジア、そしてドイツに続く大人数のイギリス

 

いやぁわかりやすい。

結局、ウクライナ問題とは、イギリスとアメリカが主導した工作でしたと言ったようなもの。

ドイツは、政府にはこの問題についてものすごく重大な責任があるが、議会人レベルでは異なった考えが示されたといえますね。というより、見てて思うのは、ドイツの一般人レベルは政府と最初から異なっているといった方がいい感じ。

そもそも2014年2月のドイツ政府の動きは大方のドイツ人にとってもびっくりだったと言っていい。また、クリミアがロシアに復帰した時のドイツからの最初の方の報道は、ああそうなんだ、といった感じで全然否定的ではなかった。控えめに言っても。少なくともそういう報道もあった。そこからむしろ、ぐちゃぐちゃになっていった。

こうやって考えると、だから、ウクライナで民間機を撃墜したことは、何がなんでもロシアを悪者にするために必要なものだったって話でしょうね。ここから制裁合戦になっていって、オリンピックだのドーピングだのを巡ってロシア、ロシア、ロシア、ロシアが悪い~とヒステリーのような報道、言論が広がった。

よく考えてみれば、アメリカのロシアゲートはこの流れの最後尾に過ぎない。

 

いずれにしても、これらロシア悪者化を試みる人たちは、自分たちが2014年2月にキエフでクーデターを仕掛けて、ウクライナの大半を奪取することに成功はしたものの、クリミアを取れず、東部の軍の装備など技術的に高度な産業のある東側(ドンバス)に離反されたことを逆恨みしている人々。

そして、残されたものは、自分たちが使った寡頭支配のオリガルヒ集団と、ヒトラー万歳のお馬鹿な、ある意味レトロなギャング集団。また、正教会から離すためにカトリックが関与したと思われる節は多々あるので、こういう信仰集団によるもつれた集団もいる。

EUはこの集団の面倒をみないとならない。大変ですね。

 

■ 震えるメルケル

で、この話と直接に関係があるとは言えないのだが、今週に入ってメルケル首相が時ならぬ「ふるえ」に悩まされるシーンが2度ほど目撃され、その動画も出回っている。いやなんか、すごいんですわ。

病気なんだろうか? 

メルケル首相、全身に震え 独政局の不安要因に

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46675020X20C19A6EAF000/

 

そりゃやっぱり、ドイツを当分挽回不可能な不名誉な国にした張本人ですから、自分が止めたらどうなるんだろうとの心配がストレスにならないわけはない。震えとどう関係があるのかは、一応おくとしても。

しかし、それでも、ここで、もう一度オデッサの話を書いておこう。

■ オデッサ虐殺事件をメルケルの目の前で語ったプーチン

で、プーチンは、この間ドイツのメルケル首相がソチに来た時の会見の後の記者会見で、2014年5月にウクライナ南部のオデッサで起きた事件について、世界にはこれを忘れる権利はない、という言い方でこの事件を次のように語った。

あなたは覚えていらっしゃるかもしれませんが、3年前、オデッサでとてつもない悲劇が起こりました。ウクライナの過激なナショナリストたちが無防備な人々をオデッサのトレードユニオンビルに追いやり、そこで生きたまま焼きました。未だに誰に責任があるのか判明していません。グローバルコミュニティには、これを忘れる権利はありません。同じようなことが将来二度と起こらないようにするためです。

"As you may remember, three years ago, a terrible tragedy happened in Odessa, when Ukrainian radical nationalists herded defenseless people into the Trade Unions Building and then burned them alive. Those responsible have not been established yet. The global community has no right to forget this so that such events do not happen again in the future,"

http://tass.com/world/944194

 

■ 参考記事

「UKRAINE ON FIRE」with オリバー・ストーン

2014年にマイダンで狙撃したスナイパーたちの証言

 


 

 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« イランは一人ではないからね ... | トップ | 無責任である自由を行使しすぎた »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ロッキード事件の証人喚問 (宗純)
2019-06-28 14:12:51
日経新聞は、
ドイツのメルケル首相が27日、全身が小刻みに震える発作に見舞われた。・・・約2分間続いた発作
18日にもベルリン市内でのウクライナ大統領の歓迎式典で同じような発作・・・

と書いているが、
BBCのビデオで見ると、小刻みに震えるどころの話ではない。ガクガクと体全体が大揺れである。

ロッキード事件の国会証人喚問でのテレビ中継では、精神的重圧で
署名が出来ないほど手が震えていたことを思い出すが、メルケルが薬物中毒や重病の可能性もあるが、やはりウクライナのクーデター関連。
特に時期的に見ると、マレーシア機の撃墜の真相究明と関係していると思います。

しかし一連のロシア叩きですが、ソ連時代なら『共産党がー』とかの口実が成り立つが、今のプーチンもロシアも共産主義とは無関係。何とも不思議なのです。

政治経済で見れば、執拗に続くロシア叩きには合理的な辻褄が合わないのですが、
宗教で見ると黒船来航と同じ時に起きたクリミヤ戦争が166年後の今も続いているらしいのですよ。ローマ帝国の分裂による東西キリスト教の正統性の争いですね。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事