サウジ周辺の話がどう転がるのか。
米軍は湾岸周辺に増派するようだというのは2日ぐらい前から主に輸送部隊が動いていることから予想されていた。で、どうするのよ、ってのは知らないが。
ちょっと面白く思ったのは、日経のこの記事。ミサイル防衛の強化・・・
米軍、サウジに増派へ ミサイル防衛強化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50079750R20C19A9000000/
【ワシントン=中村亮】エスパー米国防長官は20日の記者会見で、サウジアラビアに米兵を増派すると発表した。ミサイル防衛システムを運用する部隊が中心で、具体的な規模は週末に詰める。14日のサウジ石油施設攻撃にイランが関与した可能性が高いことを踏まえた対抗措置だ。エスパー氏は「防御的な措置だ」と説明したが、イランが反発して中東情勢がさらに緊迫するのは確実だ。
サウジには万遍なくともあれ米軍の防衛設備は配備されてたらしいですよ。重要部分はちゃんと重なってもれなく検知できるような恰好にはなってる。理論上は。
にもかかわらず防衛できなかった、ってところが面白いわけで、だから真っ先にプーチンに、ウチの買ったらどうですかと言い出さたという一件がある。
「イランが悪い」騒動の中ロシア・トルコ・イランが会合
誰が打ち込んだものにせよ、サウジに配備されていたパトリオット・イージスの組み合わせはサウジの石油施設を守れなかったのみならず、反撃してないみたいだってのも問題でしょう。
ということは、
- 八百長
- 能力不足
のいずれか、またはその両方ということぐらいしかこの事態の説明ができない。
そこで、傷口に万遍なく塩を塗り込むかのように、ロシア軍筋からは、サウジに展開しているパトリオット&イージスは宣伝されてるような特性とあってなくて、ホントの戦闘には適してない、などという声があがっている。
Saudi air defenses like Patriot & Aegis don’t match their advertised properties, unfit for real combat – Russian Army
https://www.rt.com/news/469174-saudi-patriots-unfit-combat/
それに対しての適切な返答はペンタゴンからは出てないっしょ。
そこで増派して何をどうするつもりなのか。不明。
いずれにしても、米がレーガン以来同盟国に売り込んで来たミサイル防衛網なるものは、今や、ロシアやイランといったしっかりした軍を持ってる組織とのマッチアップ以外でも、どうも簡単に抜かれるものらしいというところがホントの問題。
これはもちろん、極東だって同じことで、中国のミサイル性能があがった時から既にもうそんなところにイージス置いたって意味ねーだろとみんな思ってるんだが、金が欲しい軍産が押し込んだ。理屈さえこねてない。ただ押し込んだ。それだけ。なんの意味もない。
■ オフェンス vs ディフェンス
やっぱ、侵略側は侵略しか考えてないから防衛になると滅法弱かったという話にもみえるなぁ。
湾岸に関していえば、今回の一撃とは別だけど、イランを主敵として設定しつつ、イランの航空戦力が弱いことをもってくみしやすしと思っていたのが米なんじゃないだろうか。
ところがイランはドローンもそうだったけど、海側にずらりと短距離、中距離ミサイルを並べてる。これがつまり制空権を取らせないための安上がりの方法だったってことでしょうね。航空機産業を立ち上げて空軍作るのはそう簡単にどこでもキャッチアップできない。
アメの方は、防衛を考えてないってか、基本的に攻めて相手の制空権奪って入り込んで爆撃、というスタイルしかやったことないから、周囲から攻められるどこかの他人を守るなんて苦手中の苦手だと思ってみたりもする。
でもだってやったことないでしょ? 基本的に自分んちは誰も攻めにこない太平洋と大西洋に囲まれた場なんだし。
米軍、B2戦略爆撃機ハワイに配備・・・を受けて考えてみる
■ まったくの妄想
上の地図を見ていて思うわけだが、サウジがイエメンに火をつけたことがバックラッシュになったりするんじゃなかろうか。
ということは紅海を守り切れないとかいう話になる。
イエメンのフーシは自分がやったといい、今日はサウジがフーシに攻撃してますので、こっちの線は結構強いのではないかと思われます。
したがって、パトリオット他のアメリカが売り込んでるミサイルシステムの性能は低いという問題が本当に正面の問題になっているものと思われます。
米中央軍は複数回ロシア軍のシリア基地を攻撃して、この際にS-300、400のロシアのシステムは有効に迎撃している。つまり、実戦で証明されている。
が、この米による戦争行為は問題化されても米が受け付けないので、外交的にどうなるかという問題が残されている。
かつ、受け付けないことによって、米のメディアはこれを無かったことにして、したがって、ロシア軍の装備は実戦ではまだ試されていないのだ、などとワシントンポスト他の米メディアが現在書いていたりします。
https://www.washingtonpost.com/world/2019/09/20/saudi-arabia-an-oil-field-attack-was-disaster-russia-its-weapons-sales-pitch/
何故か、カタールにあるアメリカ中央軍司令部基地の場所を失念しているのか誰も指摘しない。もし、米軍基地の上をイランの無人機が飛んでいたとしたら大笑いですよ。アメリカの権威が丸潰れ。
クウェートの方向からだとの報道もあるが、カタールの米軍基地からの可能性もゼロではない。
トルコのクーデターでは米軍基地が関係していたというが、
もし、無人機が米軍基地から発進していればアメリカの信用度が地に落ちます。多分、今回の無人機でカタールのアメリカ中央軍基地の話が一切出てこない不思議ですが、マスコミやら有識者やら全員が心配しているのでしょう。だから全員が沈黙している。