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宴の始末 (2)

2016-04-13 20:16:08 | 欧州情勢複雑怪奇

ロシアのラブロフ外相の発言を巡ってまたなんか日本の報道がへんなのでそれを書こうと思っているけど、それはもうちょっと考えてからにする。

 

昨日、現状は宴の始末問題なんだなと書いたけど、宴の始末問題は現在国連を舞台にしているっぽい。

UNESCOが、「パルミラ及びシリアの文化的遺産の保存と修復に関するUNESCOの役割について」という決議案を全会一致で採択し、パルミラ遺跡を元の状態に戻すためにユネスコが取る手順を表明したそうだ。


UNESCO unanimously approves Russian resolution on Palmyra restoration
https://www.rt.com/news/339398-palmyra-resolution-unesco-russia/


大変結構な話だと思いますね。

さらに、これにかかる資金はトルコ、サウジアラビア、カタール等ISおよびその他テロリストグループに武器、資金等彼らの破壊活動に寄与することとなったすべてのリソースを提供した各国が負担すべきである、とかしてくれたらさらに言うことはない。

つまり、これによって、トルコまたはトルコを通したCIAだかMI6だかロスチャイルドだか知らないけど陰から手を回してバカな奴らに武器弾薬および資金を提供している人々を国連が制している、という恰好になる。

ユネスコの決議なんてさ~とか思う人もいるだろうけど、でも、文化遺産に手をかけるな野蛮人め、というのはユニバーサルに受け入れられるので実はこれは強いと思うな。

 

さらに、ロシアのチャルキン(チャーキン)国連大使が、米国はトルコからシリアへのテロリストの流れをなんとしても止める必要がある、と言っている模様。

お前しか止められないだろう、これ、と宴の始末の責任者を指定しているようなもの。

US must do all it can to stop terrorist flow from Turkey to Syria - Russia's UN envoy
https://www.rt.com/news/339426-un-aleppo-ceasefire-terrorism/

The US should do everything it can to stop the terrorist flow from Turkey to Syria, Russia’s envoy to the UN told the Security Council. Vitaly Churkin also voiced concern over the jihadist buildup around Aleppo, as it threatens the nationwide ceasefire.

 

どうしてこんな強い調子なのかというと、前に書いた通り、アレッポ周辺にまたぞろ過激派ってかなんてかのグループが終結しつつあるから。

宴の始末

トルコ、いい加減にしろ、なわけですが聞くもんじゃない。

この近しい同盟国(ワシントンとアンカラ)は、トルコ領が戦闘員の通過に使われないよう保証すべき。トルコから数千人の戦闘員がシリアに入っていったのが目撃されたのはほんの数日前です。その多くはアレッポ地区に入っていったんですよ。

"These 'close allies' [Washington and Ankara] must ensure that Turkey's territory is not used to funnel fighters. Only in the last few days it was observed that a few thousand fighters from Turkey crossed into Syria, many of them into the Aleppo district," Churkin said.

チャルキン大使はかなり忌憚のない発言をすることによって、ぐじゅぐじゅにしてもう一回やり直しだ~とか思ってる勢力を止めようとしているわけですね。

どうもCIAの方のアメリカ(なんせ内戦状態ですから)では、敵対的な状態を解除しようという現在アメリカとロシアが一応合意して均衡しているこの状態が崩れたら、アサド打倒の再開、戦闘だ~とかいう「プランB」を用意しているらしいとの報道がある。イメージとしてはアフガニスタンでソ連を相手にしたような、蘇れムジャヒディーン! らしい。

この報道はウォールストリート・ジャーナルに出ていたのが最初だと思う。私が思うに、このへんの報道媒体ももう、実は、必ずしもアサド打倒一直線ではないんじゃないかと思う。だって、もう見っともないんだもの。でも景気よく書かないとならない何かがあるから書いてる、みたいな。

で、だから、問題は、どうやってアメリカが面子を失わない形で宴の始末をするか、なんでしょう。しかし、概ねペンタゴン系統とCIA系統に割れてしまったこれらのわけのわからないテロリスト支援をアメリカ国内で誰が捌いているのか、誰もよくわからない。

そしてオバマは、かなり平気で武器弾薬補給にOKする。(アメリカ国民は既にこの動向に対して軽蔑的)

昨日も書いたように、ロシアに殺させろ、なんだろうなというのが私の推測で、これを読んでるからこそロシアは外交的に処理しようとする。

 

■ その頃トルコでは

アルカイダ系の奴らをシリアに入れるな騒がれているトルコは、議会の議員で「テロリスト」の疑いのある者を支援した議員から不逮捕特権をはく奪するという法案を政府が出してきた。

Turkey introduces draft law to strip ‘terrorist’ lawmakers of immunity
https://www.rt.com/news/339397-turkey-terrorist-lawmakers-immunity/

トルコの国内事情では、「テロリスト」とは専らクルド人のことを指すので、クルド支援の議員たちを逮捕する気だと言っているも同然。クルド支持の議員はだいたい1割強しかいないので簡単といえば簡単。

さはさりながら、もしこの姿勢を強めれば見えてくるのは、

(1) ペンタゴンの不興(クルド人と協力してるから)

(2)  クルド独立傾向への再度再再度の傾斜

しかない。トルコはどこに向かうのだろう。

なんとなく、順調にウクライナ化しているともいえる。

 


 

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1 コメント

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『復員されないテロリスト達』 (ローレライ)
2016-04-14 06:36:17
西側は『復員されないテロリスト達』をロシアに始末させたがっているし、トルコは『クルド人絶滅』させたいので『民族浄化戦争』を続ける口実が欲しい。
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