トランプ騒動は一層パニックって感じになっている中、ドイツの選挙はメルケルのCDUが折からの移民問題で支持を落とした。
ドイツ州議会選挙 難民排斥を訴える政党が躍進
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160314/k10010442311000.html
とはいえ、結果的にいえば、キリスト教民主同盟(CDU)、SPD(社会民主党)という歴史ある巨大な党の優位が難しいというほどではない。
単純にまんべんなくCDUが支持を減らしたところでSPDがくっついている限り、最終的にはこの大連立状態は変わらないでしょう。
ある意味、SPDが公明党みたいな感じ。
日本と同じで、事実上野党が存在しない。
野党っぽいところに、ぴーぴー言わせるだけ言わせればいい、というのが「中央」のスタンス。
で、こういうのを民主主義的じゃないというのは簡単だけど、もしこれでこの大連立が広範なドイツ人に全体的に支持されている、というのであればこれも仕方がないと言えるんでしょう。ロシアが常にそんな感じといえるかもしれない。
しかし、問題は広範に疑義が広がっている場合どうするか、でしょうね。現在の大連立は、国民的にメルケル政権の運営に疑義を呈しても、そんなものは一過性に過ぎないという態度で突っ走ってるし、どうも今後もそのようだ。
日本とドイツは似てるなぁというのじゃなくて、同じプロットで操作されたからこうなったじゃないのかという気もする。同じ「中央」仮説とでもいおうか。
実際、事実上の野党が存在しない状態はおかしいという議論が英米グループという民主主義にはうるさいところから全然あがってこないのが思えば凄いよね、これ。
■ 不安定だからこそやり易い?
どうなったのかといえば、こんな感じ。スプートニクのドイツ版に出てた。ここ。
黒がメルケルのCDU、赤がSPD、水色が今回話題になったAdD.
見ればわかる通り、確かに2大政党がダントツという状態でないが、一番下のバーデン・ヴュルテンベルク州は緑の党が伸びて2大政党を脅かしているが、一番上のザクセン・アンハルト州は、AfDの伸びが驚異的ではあるが、ここは左から3番目(海老茶色)のディーリンケとかいう左翼党が手堅い。AfDの前にはこの党がドイツ政界の「際物」扱いだったのだが最近は無視している感じ。
そうわけで、政権与党以外がまとまれる道筋はほぼ皆無といってもいいように思う。まぁ今回のは州の選挙だから連邦のいわゆる総選挙じゃないですけど様子はほぼ一緒だと思う。
■ 気付いたこと
この選挙の様子を見ていて気が付いたのは、イギリスの新聞各紙がとてもにぎわっていること。でもってイギリスの庶民的には、あれだけバカなことをしたメルケルにお仕置きするだろうと思ってる感じだった。ノーを突き付けろ、って感じ。
イギリスというか英グループの総選挙なら、名高いカナダの選挙がそうであるように、ランドスライドで与党が負けるというのがかなり本当にあり得たかも。
しかしそうはならないドイツを見て、イギリス文化圏ともいうべきグループの人たちは何か失望しているような気がする。こんだけ欧州中を騒がせて、ドイツをぶち壊しにかかってるのにまだこんな温さなのか、奴らは、みたいな感じ。
いつものようにDaily Mailが過激。といいたいけどDaily Mailは主要グループの中の過激であって、もろもろのジャンクタブロイドの過激さインチキさは殆どの場合もっと凄いのを忘れちゃいけない。
German voters' crushing verdict on open-door migration: Angela Merkel is punished in crucial state elections as far-Right party wins big vote with call to stop flow of refugees
http://www.dailymail.co.uk/news/article-3489936/Angela-Merkel-set-punished-voters-open-door-refugee-policy-Germany-s-Super-Sunday-state-elections.html#ixzz42ra8oZ5h
で、いろんな媒体をざっと見たけど、なんとなく、イギリス人(政権とかシティーとかじゃなくて)のドイツ不信が芽生えつつあるようにさえ思ったりもする。でもって、ここでまたイギリスはEUを出るべきという論調が強まるのだろうか。
いや、ずっと不信だったんだけど、最近何十年かでドイツは仲間だという感じで変わったともいえるのかも。2000年をいくらも過ぎてない頃に、たしかテレグラフだと思うんだけど、イギリス人はドイツ人に不信感を持っている人が多いし、あまりドイツに遊びに行こうともしない、でもね、行ってみれば私たちがどんなに近い存在かわかるのよ、みたいな記事があって、何かとっても印象に残った。そこまで心が離れてるとは思ってなかったから。
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