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キューバ国家元首、モスクワ訪問

2018-11-03 15:54:20 | アジア情勢複雑怪奇

どうということでもないんだが、しかし貼っておきたい。

だってカッコいいんだもの(笑)。

 

キューバの国家元首ミゲル・ディアスカネル国家評議会議長が現在モスクワを訪問していて、昨日はプーチンと会談していた。公式訪問なので後ろのロシアの名高い儀仗兵が登場している場面があったということなのでしょう。

日本語の記事を見たら朝日がミゲル・ディアスカネル国家評議会議長と書いていたのでそのまま書くけど、英語圏じゃPresidentというプレーンな語を使っている。要するに一番上の人という意味。それをどうして「大統領」と訳してはいけないのか・・・。わからないが、日本語圏においては大統領とはこれこれしかじかの体制における頂上を意味し、キューバは該当しないためとかいう理由なんでしょうかね。習近平さんも欧州語圏では President だが日本では国家主席ですので、これと同じ規則なんでしょう。

そんなことはどうでもいい。

なんせ、このディアスカネルさんは、宮殿のお部屋に迎えられ、戦略的パートナーシップを基にした関係を協議。

 

で、この大事なお話を朝日はこんなバカな見出しで伝えているけど、肝はINF条約問題だろうというのは誰でもわかる話。いわゆるキューバ危機と同じになってますよという恰好。

キューバ議長、プーチン大統領と会談 武器購入で合意

https://www.asahi.com/articles/ASLC27HY5LC2UHBI03T.html

 

というわけで、朝日の記事も実は中身はそこから。

 今年4月に就任したキューバの国家元首、ミゲル・ディアスカネル国家評議会議長が2日、モスクワを訪れ、プーチン大統領と会談した。両首脳は共同声明で米国に対し中距離核戦力(INF)全廃条約からの離脱を思いとどまるよう訴え、米国の両国に対する経済制裁を強く非難した。

 

察するに、そこにハイライトを置いてはならないというなんらかのご注進とか忖度があって意味不明な見出しになるんでしょうね。まぁこの人たちジャーナリストじゃなくて、ただのステルス帝国の治安機関の広報部みたいなものでしょう。

 

で、武器の話は、ロシアがお金貸して武器を売るという恰好になる模様。

Russia May Lend $43Mln to Cuba Under Defense Cooperation Program

https://sputniknews.com/military/201811021069466230-russia-cuba-defense-cooperation/

 

とはいえ実質的にはどんな武器を持たせるかという話よりも、ロシアが寄港するポイントになることがアメにとってはイヤな話という枠組みですよね、この場所は。

もうこうなったら、ここにS-400を置いたらどうだろう? だって、ポーランドだのバルト三国を基地化してロシア国境付近を脅かすなら、対応が必要でしょ? 

あと、日本をミサイル基地化しているということは、ウラジオと原潜基地のあるオホーツク海に向けてレーダー網を作るという話なので、こっちもロシアの極めて近隣の場で脅かしているという話。

であればキューバにレーダー基地を置こうが、それはロシアとキューバの勝手でしょ、という話ですね。

さらにいえば、これはリベラル派がこねくりまわした理屈そのもの。

リベラル介入主義者たちは、東欧諸国はNATOに加盟したいと言ったのだ、だから入れてやっているのだ、という理屈を使いまくってNATOを東方拡大したわけ。

極東も、安倍晋三が、自分たちが好んでイージス配備しているのだ、とか言ってますが、これもこの馬鹿な男の頭から出て来たものではないですね。同じように手配された文言でしょう。

ということですので、キューバが好んでやっているのだとしたら、アメリカのリベラル介入主義者たちは言い訳はできない。

 

で、これに対してミアシャイマー教授などのアメリカのリアリスト系統で反ネオコンの人たちは、軍事同盟はショッピングセンターの会員権じゃないんだから、入りたいといったら入れてやるべき、などという議論をするべきではないとNATO東方拡大を批判していたし、今も精力的に批判している。

お前ら、カナダかメキシコが上海協力機構に入りたいと言い出したら、アメリカは黙っていると思っているのか? という文言であちこちで話して回ってる。

リアリスト系統は当然、そんなわけないとわかってる。そして、リアリストでなくても軍に興味のある人たちは、もうずーーーっと前から、バルト三国を入れてロシアと軍事的に正面対決することのどこが「安全保障」なんだ!!!! と怒ってる。

 

■ 残ってるのはリベラル介入主義者グループ

ということで、現在起こってるINFなどの冷戦期の中距離核戦略ものの話の、本当の「困ったちゃん」というのは、実は軍プロパーというより、ソ連解体以降に跋扈した、クリントン夫妻&ブッシュ親子=リベラル介入主義者&ネオコンが残した「ツケ」の整理をしているということではないかと考えてみてもいいんだろうと思う。まぁディープテートの意思といってもいいが。

ここを整理できなければ、まぁ地球ごと壊れましょう、もう、って感じ。

で、アメリカの政治状況に照らしていえば、共和党は既にブッシュ一族を支持してない。トランプが蹴っ飛ばして、それをみんなが支持した。

そうなんですよ。トランプがブッシュ弟を蹴落とした時、アメリカ国民はブッシュに冷たい視線を投げて終わりにしたわけですよね。あれだけでトランプは既に一定の仕事をしている。

これに対して民主党は、リベラル介入主義者にネオコンが逃げ込んだ恰好になっているのでもわかる通り、この危険で糞な人々をまったく整理できていない。

民主党は、ヒラリー(オバマ)的なグループがサンダース的なものを求める集団を蹴落としたわけですからね。だからここが、基地外集団になってるのも無理はない。

ヒラリー(オバマ)的なグループは、リビアを破壊し、ウクライナを盗み、シリアを破壊しようとした人々なわけだから、普通に単なる戦争屋。戦争犯罪者なんですよ。オバマなんて史上最も人殺しを好んだ大統領とでもいえそうなぐらいに惨い。

しかし、世界中のメディアグループが結託して、勝手なことを書いているので、あたかも、こっちが「リベラル」で平和的であるかのような偽情報が振りまかれている。

 

■ 現在の米民主党はヘイト集団

また、ロシア嫌いのあの基地外じみた言説は、ヘイトスピーチそのものという点も見逃されてる。

アメリカのリベラルメディアと一番似ているのは、実は日本の一部政治家を含むネトウヨ集団とウクライナのバンデラ主義者でしょう。

どれも口汚く、現実に基づいておらず、根底にある強い感情は「ヘイト」。

さらに、そのヘイトに基づいて、ロシアを攻めろ~といった戦争モードを煽ることに何の疑念も抱いていないという点でも、日本の一部政治家を含むネトウヨ集団とウクライナバンデラ主義者、そして米民主党幹部はとても似てる。そのヘイトを基に、もし本当に軍が動いたらどうなるのかを一切考えたことがない。

こんなに似てるのに、なんで誰も似てるって言わないんでしょうね? 不思議だわ、ほんと。

ここにイスラエルのリクード的シオニストを入れようかと思ったけど、しかしネタニヤフ政権は反ロシアではない。それどころか、なんとしてもロシアをイランとの比較で自分の方に近寄らせようと相当苦心してる。軍の幹部を引き連れてモスクワに行ってロシア軍と掛け合うだけの根性はある。その意味で言葉だけに酔って遠くから吠えてるヘイト集団とは訳が違う。こっちはマジものの狂人だという説は可能だとしても(笑)。

 

■ 冷戦時代との違い:キューバと中国の貿易

で、キューバとロシアは冷戦時代と同様に友好関係を維持しているが、中国は冷戦時代には途中から反ソ連側にた関係から、キューバとは、同じく共産党が支配党であっても、良好な関係ではなかった。

しかし2000年代になって、関係が良好になって(というかチャイナが優勢になってというべきかもしれないが)交易関係が大きくなって、あわせてシノペックはカリブ海油田に関与していたりする。

そういうわけで、世界各国で見られる現象になってる気がするけど、貿易面で中国、軍事・外交面でロシアと相談するという恰好で西側の内外からの侵略行動に備える、みたいな感じでバランスさせていくんでしょうか。

 

■ オマケ

カストロが亡くなった時のプーチンの発言は、今現在でも示唆的だと思う。

結局、自由という語に独立の意味をもたすことを許されず、忘れさせられ、閉じ込められたのが西側諸国だったという感じですね。

キューバに対して、独立はともかく、自由という語を付すとおそらくアメリカ人の多くは怒るだろう。しかし、その他世界の、わけてもロシア世界(東欧を含む)や中国はその通りだとまず認識するだろう。

この違いは何かというと、ロシアや中国を代表例とする数多くの国や地域にとっては、主権国家として自由で独立した存在であることこそまず第一に求められる「自由で独立」であり、他方、キューバを攻め亡ぼしたかったアメリカにとってのそれは、キューバに住んでいた、または住んでいる一般住民にとっての「自由」の話、つまり、人権問題の話と読まれることを通説としているからでしょう。

しかし、アメリカとて、自らにとっての問題となれば、英国の王による差配をはねつけた以上、自由で独立とは主権者としてのそれのことだと言うだろう。

つまり、アメリカはダブルスタンダードを所与にして生きているんです。

カストロ、あるいは自由と独立

2016-11-27 21:19:42 | 太平洋情勢乱雑怪奇

 


 


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1 コメント

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ロシアの地球儀外交 (ローレライ)
2018-11-03 19:09:32
ロシアの地球儀外交と言う話ですね。友あり遠方より来たる。
アメリカが目の仇にするキューバ、ニカラグアやベネゼイラにミサイル防衛やカリブラを置いて助けるべき話ですね。
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