DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

ブレント原油価格1日で9%安、OPEC+交渉決裂

2020-03-08 15:06:25 | アジア情勢複雑怪奇

昨日原油価格が大幅に下がった。

日本は原油の輸入国であって、輸出国ではないわけだから、これは一般に良いニュース。

 

ブレント原油価格、1日で9%安 OPEC加盟国・非加盟国の協議決裂を受けて

https://jp.sputniknews.com/business/202003077251659/

3月6日取引のブレント原油価格は9%超安で1バレル=45.34ドルまで値を下げた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国で構成する「OPECプラス」の減産協議が決裂したことを背景に起こった。

 

下がった原因は、サウジ率いるOPECが減産して、価格を維持しようと主張するのに対して、非OPEC加盟国だがここ3年ばかりOPECと協調体制にあったロシアとカザフスタンが、減産に反対したこと。

OPEC+ talks are tough, Russia and Kazakhstan against cuts — source 

https://tass.com/economy/1127519

 

つまり、協調して減産することで価格を吊り上げましょうというカルテル機構が破れました、というお話。

であれば、原油輸入国のスタンスとしては、まずは「よかった」でしょう。

まして、新型コロナウィルスで世界経済が低調である中、原油が高いことは一般に殆どの人にとって良くない。

であるなら、ロシアさん、カザフさん、がんがん供給してくれてありがとう、ではなかろうか?

 

にもかかわらず、減産拡大で決裂、協調関係崩壊に興味が行っちゃう日本の新聞って、いったい何なのって感じ。この人たちはもう自分が何を書いてるのかわかってないか、目的があられもない方向に設定されてるでしょう。

 

産油国 減産拡大で決裂 3年超の協調関係崩壊も OPECプラス

https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202003/CK2020030702000258.html

 

時事なんか、カルテルの減産による価格つり上げ交渉が失敗したことに腹を立てるサウジアラビアの側に立ってる始末。

 大幅減産で原油価格をてこ入れしたい加盟国と、原油収入の減少を懸念する非加盟国。OPECの盟主サウジアラビアと非加盟のロシアの2大産油国による協議は約7時間に及んだが、最後までかみ合わなかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)によると、サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は会合で「きょうのことを後悔するだろう」と非加盟国の閣僚たちに不満をぶつけたという。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020030601323&g=spo

 

ついでにいえば、これは予測できた人いたと思うな。だって数日前プーチンが、ロシアの経済はゆっくりと原油依存から離れてきているが、まだまだダメだ、頑張らないとだぞ皆の衆、といった趣のことを言っていた。ということは、現状は厳しい → 原油上昇で利益ゲインはしない、ってことでしょ。

ロシア的には、我々は苦境にある、と認識させる時は兵隊を構えさせる時のサインなんだよ、きっと。1941年のスターリンの演説を思い出すわけだが。

 

だがしかし、そんなロシアさんは、財政黒字、輸出黒字、経常黒字で、50兆円+ぐらいの貯金がキャッシュポジションであって、その他にゴールドなどを貯めこんでいるので、基本的にとっても安定財政。

予算を組む時の原油価格を低く見積もってきてることが奏功してる(つまり収入を低く見積もって予算組みしてる)。

下の図は、フィンランドの銀行が出した予測(ロシア中銀のではない)。ピンクが原油価格と予算が赤字化しない均衡点であろうという線で、黒の棒が現実の原油価格。

 

でも、原油価格20ドルぐらいだとどうなるのか、みたいな話をロシア中銀がしていてことがあるので、そこまで行くことを一応想定に入れてると思うな。

で、今日

原油価格が下落→ ロシアルーブル売られる→ 穀物、鉄鋼、機械類の輸出にメリット

というサイクルが容易に予測できるので、原油分のマイナスを見て、ロシアざまーみろー、みたいなことをいうのは馬鹿げてる。

 

ではなんでこうしたのか。

世界経済にとってよくないってのもマジであることはあると思う。減速の底が見えないわけだし。

米zerohedgeは、シェールオイルを崩しに来てるだろう、と書いてた。

Putin Launches "War On US Shale" After Dumping MbS & Breaking Up OPEC+

https://www.zerohedge.com/energy/putin-dumps-mbs-breaks-opec-oil-alliance-initiates-war-us-shale

 

まぁなくはないだろうけど、でもやっぱりここはサウジに対する脅しなんじゃなかろうか、などと考えてみたい。

サウジやら湾岸諸国の資金こそ西側主導のテロリストブームを支えてきたが、サウジはプーチンロシアに脅かされて一応そこから足を洗うようなことにはなっているものの、この資金循環からすれば、お前もっとやれることあるだろう、なのかな、と思ってみたりもする。

そこで、サウジはまたまたお家騒動、ってのはこの話関連なのではなかろうか。

例の皇太子が王族の何人かを拘束したらしい。

Saudi Arabia detains three senior members of royal family

https://www.bbc.com/news/world-middle-east-51778781

 

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロシアの(多分100年越しの)... | トップ | マーケット大荒れ&ロシアの... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ローレライ)
2020-03-08 15:34:31
安い石油では採算が取れない、サウジとアメリカが悲鳴と言うこと。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事