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ベネズエラ:カリブ海と英領と大金持ち集団の逆襲

2019-02-11 19:12:11 | アジア情勢複雑怪奇

櫻井ジャーナルさんが気になるニュースを記録されていた。

米支配層が政権転覆を目指すベネズエラ、その近くで英軍が軍事演習

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201902100000/

イギリス海兵隊の部隊が中米ベリーズにあるイギリス軍の施設へ入り、ジャングルで軍事演習を実施しているようだ。言うまでもなく、その近くにはアメリカが政権転覆を仕掛けているベネズエラがある。

 ドナルド・トランプ政権はベネズエラでのクーデターを指揮させるためにネオコンのエリオット・エイブラムズを特使に任命したが、この人物は2002年にジョージ・W・ブッシュ政権がウゴ・チャベス転覆を倒すために試みたクーデターにも参加していた。

 

UKの政策が過激に過剰に異常だというのは非常に懸念されるところ。反ロシアで針が降り切れちゃって戻れない。ロシアと戦争すると言い出す防衛大臣がそのまま叫び続けている状況。

 

カリブ海というとアメリカの裏庭といった言い方をされ、それは実際そうなんだけど、そもそもはヨーロッパ勢力の植民地ですからね。アメリカもそうですが。

カリブ海周辺域は、アメリカの保護領だけでなく、イギリスの海外領土、フランスの海外領土などが今もたくさん残る地域。

イギリスの海外領土という項目がwikiにあった。いやほんと、たくさんあるんですよ。

で、こうやって見れば、カリブ海の中で比較的大きい、すなわち人数のいるキューバ、ニカラグア、ベネズエラが過去60年ぐらいいわゆる親ソ派から親ロシア、中国という勢力となっているというのは、これらの欧州植民地主義こそ正義みたいな人たちからすると頭痛の種だわなぁって感じ。

この地図の右側の方に、バージン諸島とあり、キューバのすぐ下にはケイマン諸島がある。これらは有名な租税回避地。

どちらもイギリスの海外領土です。ですので、これらの島が独立的に振る舞ってるなどと考えるのは全くの誤り。

 

■ コロニー vs 俺らの民主主義

で、手っ取り早くいえば、欧州のコロニーだったところから、欧州出身者も含めた現地人たちが独立運動をしているというのが過去200年ぐらいの中南米。そこで、大きな転回点になったはいうまでもなくキューバ革命なんでしょう。これはほんと、欧州系のニュー貴族みたいな金持ち層としたらトンデモナイ話だったんでしょう。

キューバよりよりコロニー的な仕切りが長かったのはニカラグアではなかろうかと思うわけだが、ニカラグアの革命がある前の体制では、ソモサ一族が国土の4割だかを所有し国民総生産の半分ぐらいが一族支配とかいう体制。そこからサンディニスタ革命が起こって一族はアメリカに逃げる。キューバもバティスタ組はアメリカに逃げる。みんな革命でやられるとアメリカに逃げる。そしてアメリカには捲土重来を誓った金持ち集団による一種のコミュニティーができるという仕立て。

サンディニスタ革命は左派の革命だ、左派は悪い、とか言っててはまったく見えないものがある。というか、日本ではそんなことを言うけど、アメリカでさえバティスタだのソモサだのを支持してる人って限定的だと思う。恥ずかしくて言えないって感じがするほど惨いんだもの。

結果的に支持層は見ただけで違う。こっちが反マドゥロで、クーデターあんちゃんのグアイド支持派。

グアイドは見た目は白人っぽくないが、だからこそ選ばれたのだろうと言われている。オバマと同じ。

 

こっちはチャベス→マドゥロ支持の国会議員。

 Racism And The Fight Over Venezuela

 

■ 大金持ち集団の逆襲

思えば、ロシア革命の時の旧貴族や支配層に近かった人たちを欧米に匿って、いわゆる白ロシアとして捲土重来を誓わせていたことと似てる。

そういえば、カナダの自由党(リベラル)が労働者が支持できるものではなくなっていった成り行きの一つの転回点は、マイケル・イグナティエフが党首になった時からではなかろうか、という気もするのだが、これもその一例かもしれない。

その前の自由党は、貧乏なところから上がって来た人もいれば、結構お金持ちだが労働者との間に距離のない人たちが結構いた党ではあった。イギリスの植民地時代からの党だから自由貿易主義のタカ派の党が本筋ではあるんだが戦後は違ってたと思う。

ところが、2003年のイラク戦争で当時のクレチェン政権が、カナダはアメリカとは一緒に行かないと言って大騒ぎになって、以降党内がぐじゃぐじゃになって、イグナティエフが唐突に出てきて、そこから「お高い」感じの党になっていったように思う。

で、このイグナティエフは、ロシア帝国の大貴族だった一族の人。革命の時にイギリスに逃げてカナダに留まる。本人はもちろん革命の後の人でカナダで生まれてカナダの金持ち子弟が行く学校でカナダのエスタブリッシュメントの一員となった、という成り行き。

で、今のカナダは反ロシアの急先鋒で、バンデラ主義者の孫が外相をやってロシアを責めたて、ウクライナに入り込んでウクライナを支配しようとしている。イグナティエフ一族の故地奪還だろうか。

そういえばそういえば、アメリカを腐った国にした大きな責任を負っていると思われるブレジンスキーは、ポーランドの(あんまり大きくない?)貴族の末裔だという話。勝手にロシアを敵視して、再度再びウクライナのスラブ農民を苦しめる悪い奴と考えるととても話がわかりやすい。

 

わかりませんが、私としては、大金持ち集団の逆襲の世の中はイヤだと言いたい。だって庶民だから。

 

■ 日本も同じじゃんか?

呑気に書いてたけど、アップしてから思い出した。日本も同じじゃないか! 2015年に小林節さんはこうおっしゃっていた。

日本会議はわたくしはたくさん知り合いがいるので、わたくしが答えることになるのですが、
日本会議の人たちに共通する思いは、第二次世界大戦で負けたことを受け入れ難い、だからその前の日本に戻したい。彼らの憲法改正もそうですし-明治憲法と同じですし。

つまり、明治憲法下の世界の軍事大国、五大国、五つの大国のひとつとなってアメリカと共に世界に進軍したいという思いを共有する人々が集まっていて、かつ、
それは、自民党の中に広く根を張っていて、かつ、
よく見ると明治憲法下でエスタブリッシュメントだった人の子孫が多い、

そうすると、make senseでしょ(笑顔)

安保法制を開けたら日本会議が見えた

2015-06-15 15:19:28 | アジア情勢複雑怪奇
 
 
そうか、日本会議はバンデラ主義者とバティスタ残党の混合物だと思えばいいのよ!
 
そして、白系ロシアを終戦時まで庇い続けた関東軍の位置付けが非常に重要になる。
 

 


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3 コメント

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Unknown (ローレライ)
2019-02-12 04:31:10
追放オリガリヒのリゾートとしてのイギリス連合、という話でギャングとナチスの残党の溜まり場になってる。
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想像を絶する貧富の差 (私は黙らない)
2019-02-12 05:06:16
ブログ主さん、私は昔、日本が「一億総中流」と言われていた頃、南米に住んでいたことがあります。今、チンピラ支持者とマドゥロ支持者の写真を拝見して、そのコントラストに、子供心にも強い印象を残した彼の国の想像を絶する貧富の差を思い出しました。
今の日本、一億総中流とはかけ離れた社会になりつつありますが、それでもリオオリンピックでも話題になった巨大なファベーラをかかえる社会がどんなものであるかは実感しにくいと思います。
想像を絶する貧富の差、貧の数の多さを念頭におかなければ、南米諸国の闘いの本質はわからないと思います。
それにしても、マドゥロさん、あなた、ちょっと見ていて歯がゆい。
チャベス、死んでる場合じゃない!戻って来い!

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ありがとうございます (ブログ主)
2019-02-12 13:49:47
私は黙らないさん、

私はカリブ海にバカンスなるもので行ったことしかないのですが、それでも一端は垣間見ることができると思いました。もちろんそういうことを見ないでホテルと空港だけを見れば楽しみで終われる仕様になってますが。

あれは貧富の差などというものではなくて、これってもうclass struggleだと思いましたし、今もそう思います。でもそういう表現をさせないこともまた、コントロールされた社会なんだろうなとも思います。チャベス、死んでる場合ちゃう! ほんと、これです。
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