ノードストリーム(これからタイトル等ではNSと略す、長いから)を巡ってのナチメリカ vs 欧州+ロシアの戦況です。
と、冗談みたいだけど、いやほんとこれはもう戦争。
2020年ナチアメリカ軍が、2020年ナチ授権法国防権限法によって、俺様の言うことを聞かないとお前の財産奪ってやるといった脅しをかけていることは先ほどお伝えした通りですが、
米国防権限法によりスイス企業ノードストリーム撤退
爆撃のチリが収まった中で戦況を見るに、ドイツ軍はまだ持ちこたえていることが確認できたとロシア軍広報は伝えている、みたいな感じ。
ふにゃふにゃ日本のNHK報道を見ると、
露からのパイプライン建設が中断 米で制裁盛り込んだ法律成立
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191221/k10012223931000.html?utm_int=news_contents_news-main_002
あたかも中断に追い込まれたみたいな書き方だが、実際には、パイプライン設置を請け負っていたスイス企業が作業を停止しただけ。
ドイツ連邦政府はこれまで同様、そういう司法領域を超えた制裁には賛成しないという見解を保持している模様。政府の広報から出てるので信頼性は高い。
The federal government rejects such extraterritorial sanctions. They affect German and European companies and represent interference in our domestic affairs.
https://www.rt.com/news/476549-germany-responds-nordstream-sanctions/
NHKは、ドイツが制裁に文句を言ったとだけ書いてるけど、なんでこの重要な部分を抜くんでしょう。
extraterritorialというのが重要。これは、司法権限が及ぶ領域を超えている、いわゆる治外法権の治外のこと。アメリカが自分で国内法を制定して、その法律を域外の人間に勝手に課す正統性はない、という主張。
この主張はこれまでにもドイツのみならず、フランス企業なども何度も主張しているところ。
その意味で、実はかかっているのは国際関係の法治のスキームそれ自体みたいなところがあって、欧州域の多くがドイツ側に理解を示していることでしょう。単に政治的に、今聞かれたら適当なことを言いはするだろうけど。
アメリカは国内法を勝手に世界中に適用していると何度も非難されている。
そして、これが現在の国際環境を不安定にしている。わかりますね。対中国もそう。
お話戻ってロシアからの情報。ノルドストリームを作ってる企業(Nord Stream 2 AG)当事者からは、このプロジェクトの完成はヨーロッパへのエネルギー供給の安全にとって重要だとの言葉が聞かれる。
"Completion of the project is important for the security of energy supplies to Europe. We, together with the companies participating in the project, will work to complete it as soon as possible," the company added.、
https://tass.com/economy/1101983
というわけで、Allseasは降りたが、残りの人員で頑張ろうというところである模様。
Allseasを別に非難していないようなので、仲間同士で庇っているのかもしれない。お前、マンモスのナチメリカに目を付けられているから、今は降りとけ、俺たちでやれる、大丈夫だ、みたいな。
実際、1社しかパイプラインを敷けないわけではないでしょう。そしてGazpromにノウハウや人員がないってこともないので、やっていくでしょう。ガスプロムがロシア企業にやらせる分には、ナチメリカが何を言おうが、俺ら別にアメリカに資産置いてねーし、ドルも使ってねーし、ということで終わっちゃう(笑)。
ついでにいえば、もう何年もロシアに制裁をしているので、もうロシアの目立った人で制裁かかってない人いないんじゃないの、と言われて久しい。
むしろ、ロシアで合弁事業やってて大いに頼りにしちゃってるアメの航空機業界とか、ロケットエンジンを買ってる米軍とかが、ちゃんと話は通ってるんだろうな、ロシアからの返り討ち制裁とかねーだろーな!、ではないのだろうか?
対ロシア制裁が見せてくれるロシアの多段階対応能力
ここまでは現場からの声だったが、ついに、ロシア外務省も声明を発表。
Foreign Ministry says Russia will continue projects regardless of sanctions
https://tass.com/politics/1102061
制裁があろうがなかろうが、完成させるということですね。
■ ホントの問題、とりあえず決着方向へ・・・
で、どうして、こんなパイプラインが構想されたのかというと、
誰でもわかる通り、ソ連/ロシアから欧州に延びるパイプラインの真ん中にある、アメリカのコロニーであるポーランド+バルト3と過去200年ぐらい各種の妄想が入り混じって無茶苦茶になってるウクライナ(西部)をパスしたいから。
構想は2005年で、1つ目(パイプラインは2本)が稼働を開始したがの2011年。今やっているのはパート2で、同じく2本。
ドイツはなんとしても安定供給をしたい(できれば自分がハブになって東欧を支配したい)、ロシアも全く供給できなくなるような事態は避けたい、って話が眼目。両方とも、ウクライナが紛争化することを理解してたから作った、と言っていいでしょうね。タイムラインを見れば。
パイプラインの構想が出てきた時、ポーランドが、現代のモロトフ・リッペントロップ条約だと大非難をして数々の妨害をスウェーデンなどと共に開始した。
ガスの上陸地はドイツだけどドイツだけの話ではない。Uniper(ドイツ)、Wintershall(ドイツ)、Engie(フランス)、OMV(オーストリア)、Royal Dutch Shell (英蘭)が当事者。
で、アメリカがなんとしても妨害しようと嫌がらせをして、ウクライナ危機の時にかけた制裁で、ロシアと上の欧州企業の合弁企業の立ち上げが中止に追い込まれこともあった。
ロシア1国で全部金出してパイプラインを作るにはリスクが大きすぎる、中止になるだろう、というオバマ政権の考えだったのだろうと思う。だがしかし、その後、プロジェクト担当企業をガスプロムの子会社として、上記企業はそれぞれ合弁で出すはずだった分を融資という形に変えて、続行が決まった。
これは冷静に考えて、欧州側企業に熱意があったればこそできた話。
このへんは、別に隠れた話でもなくて、もう何年もずっとやってるから興味のある人はみんな知ってる話。
で、ノードストリームが騒ぎとなる同じ時、その大元のウクライナとロシアという兄弟の喧嘩は、とりあえず折り合った模様。これは、欧州向けパイプライン契約が今年の12月31日に切れるので、その前に折り合わないとならなかった。
ノードストリーム2が完成して4本のパイプラインが稼働しても、それでもまだロシア産欧州向けガスの半分でしかなく、残り半分はウクライナ、ベラルーシを通過して西に流れるので、欧州側もボケたことをしていられない。
で、一応、ロシア、ウクライナ、欧州委員会が「合意のプロトコル」に署名した模様。
Russia & Ukraine sign 'protocol of agreement' for gas transit to Europe - Gazprom
https://www.rt.com/business/476472-russia-ukraine-gas-transit/
Russia, Ukraine outline terms for five-year gas transit deal to end row
これは多分、いかにもいかにも、とりあえずガスが切れるとかいうアホな事態を避けるために「プロトコル」を作って話し合いの継続を合意した、みたいな感じではあるんだろうと思う。
だがしかし、ウクライナは自分んちの生活を立て直さないとならないから、いい加減オルガルヒの戯言に付き合ってる場合ではない。そのためにこそ、今般のゼレンスキー大統領が生まれたわけね。ポロシェンコをとりあえず追い出した。
で、この人自体はなんとかしたい気持ちは大ありのように見えるけど、なんせ、ネオナチ軍団を抱えているので、合理的な折り合いを付けてもここが暴れる。つか、マジで暗殺だろうがなんだろうがやってやるというスタイルの人たちなので、ゼレンスキーも大変だと思う。
■ NATOは実際脳死してる
マクロンが、NATOは脳死してると言って騒ぎになってたけど、実際問題、中・東欧を見てると脳死というか、ほとんどゾンビでしかない。
そもそも、ソ連の解体の仕方が悪かったことは論を待たないけど、その後、ウクライナにバンデラ主義者などというネオナチ後継者を据え付けてウクライナをロシア圏から離そうとした、このプロジェクトが馬鹿すぎる。
首班は米国国務省。ウクライナ大使と大統領補佐官ヌーランドが、ウクライナには50億ドルも突っ込んでるんだから失敗はできないと、2014年キエフでネオナチ使ってクーデターを決行した。
で、そこから5年経ってみて、いや当時だってそうだが、ドイツ人は、何が悲しくてこんなのを支援してロシアと戦争するわけ?
この写真の人が問題のステファン・バンデラ。
このへんの話はさんざん書いたので今日は書かないけど、もうね、馬鹿も休み休みやれよといったお話。
ナチ英雄化問題と西側はケツが拭けないお話
そう考えると、最低でも域内においてNATOには信用がない。信用がないところで軍事行動とかできるわけないだろう、って話。
逆に、もうこうなったらドイツはロシアに守ってもらえばいいじゃん、と誰か言い出さないかなと、わくわくしちゃう(笑)
現実的に、どのみち、どうやろうとカリーニングラードに中距離ミサイルを置くと欧州全土があっさり入るので、それを脅威と考えずに、そうだ、そうすれば英米から守ってもらえるのだと考えればいいじゃないか!
まぁ、ロシアから断るって言われそうだけどね。