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五輪ネタ再び:差別主義者の楽園は続くのか

2017-12-07 17:26:56 | 太平洋情勢乱雑怪奇

エルサレムはどうなるんだという話を書こうとしつつ、まだまとまらないので、「見ない、聞かない、関わらない」とか言ってるわりに五輪ネタ。

昨日の記事にはなんだかたくさんのコメントをいただき、みなさん関心が高いのだとあらためて知りました。そして、改めて過去20年かそこらを思い出すに、へんなことばっかりだったと思い出します。特に、冬の競技に何か並々ならぬドロドロがあったのだなぁとしか考えられない。

オリンピック雑感

その中で、石井さんがロシアのテレビ番組を紹介してくださっていて、この件は日本語ではあまりなかったような気がするので、ここに再掲させていただきます。

1年程前の番組ですが、かなり面白いので紹介したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=lSC_vobYT2U

FANCY BEARS' というハッカー集団がWADAに侵入、世界の一流選手の文書をアップしました。
https://fancybear.net/
「治療例外措置」として、WADAがドーピング剤の使用を認めているという内容です。
具体例として、女子体操のバイルス。彼女は幼少期からADHDを患っているとして、アンフェタミンを常用。オリンピックの検査でも陽性でしたが、失格にはなりませんでした。ノルウェーの距離スキーチーム。全員が喘息持ちということで、吸入薬を常用。この件はチームの女性のインタービュー証言があります。ツールドフランス優勝のデンマークの男性。イギリスの有力チームに所属していたことから一度も検査に引っかからなかったとの証言。どこか痛いといえば担当医が治療例外として禁止薬を処方してくれた。こういう構図に今まで罪悪感にさいなまれてきたと言っています。テニスのウィリアムス姉妹。テニスは手首、肘などかなり痛みを伴う競技で、ヒドロモルフォンという鎮痛剤が有効。5年間で、16回の例外措置を受けたそうです。クリーン選手を見たことがないというイギリスのスポーツ医。WADAの専門医13人の内12人が欧米人という偏りの問題、大会賞金の巨額から来る問題などを指摘していました。

また、別の番組ですが、ウィリアムスの筋骨隆々とシャラポワの水着写真を並べどちらがドーピングしているのかと問い、ロシア陸上代表選手が語るには、「君がクリーンなことは分かっている。ただ、ロシア人だから信用できないだけだ。」とWADAの検査員から言われたと。

 

このお話は私も去年ちらっと見ました。で、その例外措置というのは、医療使用のためなら仕方がないという理由で使って、陽性反応が出てもOKという手続きらしいんです。

去年Russian Insiderというサイトに記事があった。

http://russia-insider.com/en/politics/world-according-wada-sick-athletes-exceptional-nations-get-most-gold/ri16786

で、上のFancy Bearというサイトが去年漏えいさせた文書には、23か国、29のスポーツ、107選手のデータがあった。これらの選手たちは、禁止された薬物の使用が陽性だったが、医療使用として認められたというもの。内訳をみるとこんなだったそうだ。

 

アメリカ、イギリスの選手、具合の悪い人が多いんですね(笑)。

全員が喘息もちのノルウェーの距離スキーチームというのも、あはは、ですが。

 

このデータだけで何かを確実に言う、というのは難しいと思います。

ですが、スポーツにおいて薬物の使用を厳しく取り締まるって、ジャーナリズムがいいかげんに書き飛ばすほど簡単ではないことを思い起こすきっかけにはなるでしょう。

痛み止めを使うな、とか、風邪をひこうが薬は飲むな、漢方薬も禁止だ、とか、いやもうそれこそ、スポーツ選手は国際大会前1年間、全員一律に同じ場所で同じもの食べて暮らせとかでもしない限り、抜け道はいっぱいある。

その上、英米がメディア込みで来ている時に、彼らがきれいな仕事をするなんて信じる方が無理というのもまぁありますが。あはは。

というわけで、マスコミが何を書こうが、だいたいどんな話なのかを自分の頭で理解して、そのラインから新しいニュースを考えて受け止めるという習慣をつけたいものです。

今回の騒動が、後で振り返って、差別主義者たちのピークだったとなることを祈りますよ、ほんと。

 

■ 参考記事

ヨーロッパ1000年のロシア恐怖症

 


 


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7 コメント

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ご参考までに(今記事補強の意味で) (一見居士)
2017-12-09 12:13:45
http://blog.livedoor.jp/genkimaru1/archives/2056921.html
·禁止された薬物の使用が陽性だったが、医療使用として認められた23か国、29のスポーツ、107選手のデータ

velvetmorning blogさんのサイトより
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Untermensch (石井)
2017-12-08 16:37:28
小生の拙文取り上げて下さり、ありがとうございます。嬉しく思いました。

「差別主義」というのがキーワードですね。これは何に由来するのか。学校、会社でも見られるイジメのような一種人間の本質に依るのか。歴史、社会、文化的な特質に依るのか。是非、諸賢のご教示を賜りたいところです。

一連の「ロシアいじめ」は、欧米強欲資本家がロシアからの収奪を目的に計画的に行っていることと思いますが、僕が非常に拙いと感じるのは、ロシア人を「下等民族」と見る煽動です。ヒトラードイツがロシア人を虐殺できたのは 「Untermensch」 (ロシア語でもそのまま通用します)とスラブ人を位置づけプロパガンダした結果でしょう。これと同じ構図が現在のキエフとドンバスの関係です。現代戦の大衆動員にはこの「差別意識」は不可欠で、欧米マスコミ、メインストリームは、さかんにロシアに対し誹謗中傷を繰り返しています。Paul Craig Roberts氏が警告しているように、かなりの危機状態だと思います。

僕は何も、ロシアが善で欧米が悪だとも思っていませんが、せめて、多くの人に現在のシリア、アフガンでのロシアの評判の高さ(逆に欧米の評判の悪さ)を知って貰いたいと思います。
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Unknown (Rolling Stone)
2017-12-07 22:03:24
長くなりすぎて申し訳ありません。最後に一つだけ。

海外の選手からは、「日本のフィギュアスケートファンは、選手の国籍や出身地に関係なく、選手みんなに温かな声援を送ってくれる優しさがある」と評されていると聞いたことがあります。

そんな日本人が、事実関係を冷静に見ようともせず、The Westのロシア叩きの尻馬に乗ってしまっているのは悲しいことですね。
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Unknown (Rolling Stone)
2017-12-07 22:01:29
百歩譲ってロシアが信用できないというのならば、WADAはどうなのでしょうか。

WADAはロシア反ドーピング機関に2015年11月から課している資格停止処分の解除の条件として、国家ぐるみのドーピング違反を公式に認めることや、モスクワで保管されている尿検体やデータを提出することを求めているそうです。

ロシアが一貫して国家ぐるみのドーピング違反を否定し続けており、証拠も何も挙がっていないにもかかわらず、「いい加減やったって認めろよ。そうしたら許してやるからさ」などと持ち掛ける。

私は、一連のWADA、特にカナダ勢の正義の味方気取りが、冤罪に苦しみ、一生忘れられないであろう悔しさや怒りを刻みつけられた人々の事例をいくつも見ておりますので、とても我慢ができません。

これまで、少なくとも何年もの間、カナダを主軸としたアングロサクソン勢力によって、長らくロシアが激しいバッシングと締め出し工作にさらされてきたという現実からすれば、ロシアがWADAに対し、「仮にWADAの要求に応じて検体を提出したところで、どうせ公平な判定を下すわけはないのだから、やるだけ無駄だろう」と考えるのは理の当然でしょう。
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Unknown (Rolling Stone)
2017-12-07 21:58:31
TAKUMI様

こんばんは。

この問題について、ネット上には「国ぐるみのドーピング違反をしていた以上仕方のないこと。選手に罪はないが、IOCの措置を断固支持する」という声が目立ちます。

ロシアが(個々の選手の違反ではなく)国家を挙げて、ましてやプーチン大統領の指示でドーピング違反をしていたという事実が、いつ、どのような客観的証拠によって確定したのでしょうか。

「ロシア=火事場泥棒=不正を平気でする国=今回もドーピング違反をしたに違いない!」
「アメリカやカナダの言うことはすべて正しい!」
という思い込みで頭が停止してしまった人がたくさんいるようですね。
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野党が必要って話ですよね (ブログ主)
2017-12-07 20:18:42
ローレライさん、
大笑いですが、ほんと。野党、つまり反対の声って公正への道ですね。
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『国連安保理制度はオリンピック委員会より増しだった』 (ローレライ)
2017-12-07 19:54:37
『ロシアや中国に拒否権がある』おかげで『国連安保理制度はオリンピック委員会より増しだった』ことがわかる『ロシアイジメ騒動』と言う事。
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