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オリンピック雑感

2017-12-06 18:13:42 | 欧州情勢複雑怪奇

書くと腹が立つばかりなので、書きたくないが、出来事としてメモしようと思う。

ロシアは2018年2月に韓国で行われるオリンピックへの参加を禁じられた。

理由は、国家的ドーピングを行っているという嫌疑。そして、

「クリーン」なアスリートは個人として参加できるが、その際には「中立」の立場で参加。チームとしての参加は認められない。個人参加が認められた人がメダルを取っても、国歌、国旗はなく、メダルはロシアのものとはならない。

つまり、チームスポーツは出られないし、個人が勝ってもロシア人が勝ったとは認めない。

さらに、この、国家的に行っているドーピングというオリンピック委員会側(というよりドーピング委員会だが)が提示している苦情は、証拠によっては固められていない。ロシアは、ドーピングをやっていた個人がいることは認めているし、処罰もしてる(つまり、他の多くの国と同様)。問題は、それ以上に、国家をあげてやってると断固言ってるWADAとそれを支持しちゃったオリンピック委員会。が、ここまで揉めて来た中で、立証できなかった。個人参加が可能な選手がいるのなら、国家的に行っていたドーピングとも反するようにも思うけどね、だしね。

その代りには、国家をあげてのドーピングだと言い放ってこの問題を作ったに等しい、元モスクワの反ドーピング委員会のドロチェンコフRodchenkovが、

俺が次の5年でロシアのオリンピックスポーツを破壊してやる」だの、ドーピングとの闘いなんか問題じゃない、等々と発言しているテープならある。

‘I’ll destroy all Russian Olympic sports for next 5 years’ – revelations of runaway WADA informant
Published time: 4 Dec, 2017 16:04
Edited time: 4 Dec, 2017 16:54

https://www.rt.com/sport/411896-rodchenkov-wada-informant-confessions/

 

まぁ、なんてか、この人精神的におかしい人だと思うんだが、その人を使ってWADAがロシアの国家的ドーピングスキャンダルを作り上げて、ドイツがそれをビジュアル化した番組を制作してふりまいて、前回の夏のオリンピックは相当もめたが、参加停止まではできなかった。

が、今回は「がんばって」停止に持ち込んだといったところでしょう。多分、オリンピック委員会の中の力関係とか買収の具合とかの関係じゃないですかね(笑)。

多分、次はこの病んだ男の命の問題でしょう。現在、米国に政治的亡命みたいな恰好で保護されている模様なのだが、おそらく殺されるのではなかろうか。そして、ロシアのせいにする。

 

これがIOCの委員。名前をさらしておきましょう。

Mr Thomas BACH, Germany
Mr Zaiqing YU, China
Mr Juan Antonio SAMARANCH, Spain
Prof. Ugur ERDENER. Turkey
Ms Anita L. DEFRANTZ, USA
Mrs Gunilla LINDBERG, Sweden
Mr Gian-Franco KASPER, Switzerland
Mrs Angela RUGGIERO,USA
Mr Sergey BUBKA, Ukraine
Mr Ser Miang NG, Singapore
Mr Willi KALTSCHMITT LUJÁN, Guatemala
Dr Robin E. MITCHELL, Fiji
Mrs Nicole HOEVERTSZ, Aruba
Mr Denis OSWALD, Switzerland

 

■ 人種差別主義者の祭典

で、なんといってもひっかるのは、中立選手ならいいが、その人はロシアではない、というこの取り扱いでしょう。要するに、オリンピックからロシアという要素を消したいというものすごい強い信念が感じられる。

これはもう、人種差別でしょう。まぁ、実際ウクライナを奪取しに来た人びとの呪わしいまでのロシア嫌いがそのままオリンピックを乗っ取ったみたいな感じ。腹がたつよというより、気持ちが悪い。

差別主義者に成り下がっても、それを覆せないのは、しかしながら、オリンピック委員会だけではなくて、私たちも同様。

ふと想像してみるに、80年代、いや90年代前半ぐらいだったら、今回のようなことがあって、有力なロシア人選手とライバルだった選手が、オリンピックで自分が勝った時に、XX選手抜きでは本当の競争とはいえない、どこかで戦えることを楽しみにしてる、みたいなことを言う人がいたんじゃないかと思う。そして、それを伝えられるメディアがあっただろうと思える。なにかこんなことがあったような記憶も実際ある。

しかし、多分、今回、こんなことを言う選手も国家も現れないのでは?

なぜなら、オリンピック委員会またはその関係者からの仕返しが怖いから。当該国のオリンピック委員会の人も、君の個人の信念でそんなことを言ってもらっては困るよ、みんなの迷惑だ、とか言い出すでしょう。

ここにあるのは、正義や公正、真実よりも、「上」の判断の方が大事だという集団的メンタリティー

つまり私たちはここ何十年かで、相当に圧迫的な世界に住むようになったんだな、ってこと。

 

■ 民意など関係ない

さらに状況は悪い。たいていのことなら、人々がそんなもの見ない、関心をもたない、批判的になる、ということによって、これではダメだと組織委員会などへのメスが入るきっかけが生まれる。

しかし、オリンピックの放映は、NHKやBBCとその子分(ABC、CBC)のような、視聴率に関係のない事実上国営の放送局によって行われる国が非常に多い。

つまり、各国民がどう考えようがすでにどうでもいい仕様ができている。

と考えてくると、ほとんど絶望的な組織になっているんだなといった感じ。

そういえば、日本の東京オリンピックも、贈賄があったと言われていても何の変化もないですね。そんなことはもうどうでもいいって感じでしょう。単に政治的に何かあれば使うかもよ、という調子か。

で、これがオリンピックのパートナーとかいうタイトルの、要するにスポンサー。尊敬できる会社もないしね。


■ 見ない、言わない、関係しない

でまぁ、もう個人的には、ひと昔前までは熱心に見ていたけど、最近は、この組織と放映の姿勢が気にいらないから、あまり興味を持っていなかったので、今後も引き続き、見ない、言わない、関係しない、って感じですね。

あと、そもそもドーピング問題というのはここまで騒ぐほどの問題なんだろうかというのもある。だって、ドーピングしたからといってジャンプができるようになるわけでもないし、回転がうまくなるわけでもないでしょう。多少の効用はあったとしても、全体としてみれば、選手の日々の鍛錬を超えるようなものではないでしょう。つまり、選手を作るための決定要因ではないということ。

だから、なんでこんなに騒いだのかがまったく理解できない。というか、だからこそ騒いでいるんでしょうね。あほらしい話。

つまり、各国民が全然考えない人になっている、というのも非常に大きい。

 

■ 北朝鮮は参加しない

そういえば、数日前に、北朝鮮は参加しないと言っていた。

で、思えば、アメリカと韓国は史上最大の演習みたいなことをやり続けて、せっせと北朝鮮を挑発する中、在韓米軍の配偶者と子どもをアメリカに連れ戻せという声が米の国会から上がる中、一体誰が韓国を訪れる気になるんだろうというのも、よく考えると相当に疑問。

平昌五輪、チケット販売不振 10万人動員計画も 韓国

http://www.asahi.com/articles/ASKD142RJKD1UTQP00Q.html

 

そりゃそうなるでしょう。一般の韓国人には気の毒な言い方だけど、戦争の危険性のある人種差別主義者の祭典なんかに誰が行くんだよといったところ。

 

■ オマケ

まったく予期していなかったが、7時のニュースの中で、スケートの宮原選手が、

すべての人にオリンピックに参加してほしい、ですが、私としては自分の競技に集中しています、とかなんとか言っていた。

前半を言えたことが、大変立派だと思った。

差別主義者のヘドロの中で、なにもあなたたちがドブネズミになる必要はないんです。気持ちをしっかり持って頑張ってください。あなたのパフォーマンスが誰かに光を投げかけることになるかもしれないんですから。人はアートを通じて、善きものがそこにあるのをみたいのだと思う。

 


 

 


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10 コメント

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『売国奴を持ち上げてロシア叩き』 (ローレライ)
2017-12-06 19:42:02
『イラン核兵器濡れ衣』でも『イランの裏切り者の告げ口』を持ち上げて『イラン制裁』をした。今回も『売国奴を持ち上げてロシア叩き』で『オリンピック排除』をした。『国連安保理を迂回した新手の制裁』である。
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西側凋落の象徴 (ブログ主)
2017-12-06 20:03:17
ローレライさん、
確かに。全体として、西側凋落の象徴だなと思いますね。自分たちじゃ正常化できなくなってる。いじめしか手がない。悪意の泥沼に陥ってるのに気づかない。
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偽旗ってやつですね (バアルのような者)
2017-12-06 20:44:00
>おそらく殺されるのではなかろうか。そして、ロシアのせいにする

偽旗ってやつですね。これ、本当に面倒でどう対処するのが正解なのでしょうね?
一番手っ取り早いのは、やるに違いないから現場押さえて全部バラすことですが、そんなに簡単に出来たら誰も苦労しない。
かといって、何があっても放置の方針では好き勝手な情報流されたり好き放題に荒らされたり。
そもそも、The Westは何がやりたいんですかね?
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カナダによるロシア潰しの一環? (Rolling Stone)
2017-12-06 22:47:30
TAKUMI様、こんばんは。

ロシアの「国家ぐるみでのドーピング疑惑(←ここ重要ですね)」に関し、Yahoo!コメントに気になる書き込みがあるのを見つけ、自分でも関連記事を確認しました。

2002年ソルトレークシティー五輪・フィギュアスケートのペア競技の際、
「非常に難度の高い構成で演技したロシアのペアが僅かなミスをしたものの金メダル、比較的何度の低い構成だったがノーミスで演技したカナダのペアが銀メダル」
という「事件」が起きました。

両国のペアのうち、どちらが上だったかは専門家の間でも評価が分かれ(日本人ジャッジでも人により異なりました)、どちらが勝ってもおかしくない状態だったそうです。

しかし、未だ事実関係もはっきりせず、客観的証拠も挙がっていないうちから、北米メディア(とその尻馬に乗った日本メディアの一部)は、「ロシアとフランスが密約してロシアのペアに金を獲らせ、バーターでフランスのアイスダンスに金を獲らせた!」とヒステリックに書き立て、異常なほどのロシアバッシングを繰り広げました。

結果的には、ロシア・カナダ両ペアに金メダルを与えるという玉虫色の「解決」をしましたが、このときカナダペアに金メダルを与えるために動いたのは、ディック・パウンドというカナダ人だそうです。

そして、そのディック・パウンド氏は、WADA第三者委員会の責任者として、ロシア陸上界の「組織的なドーピング問題」も調査し、ロシアのリオ五輪からの全面除外を見送ったIOCの判断を「責任逃れだ」と批判していました。

偶然にしては非常に出来過ぎていないでしょうか?
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Unknown (Rolling Stone)
2017-12-06 23:05:11
続けてのコメント失礼いたします。

そして、カナダ人関係者による執念深いロシア叩きとして、


・2014年のソチ冬季五輪や主要大会におけるロシアのドーピング疑惑に関する調査を主導したのは、カナダ人法学者のリチャード・マクラーレン氏

・リオ五輪直前期の2016年7月、米国やカナダの反ドーピング機関が、ロシアのリオ五輪出場そのものを禁止すべきだとする書簡を国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長に送付

・WADAの選手委員会議長で、IOCの一員でもあるカナダのベッキー・スコット氏は、この書簡に対する支持を訴えるメールを各国の選手に送信

・WADAの元会長リチャード・パウンド氏(カナダ人)が、テニスのマリア・シャラポワ選手が、WADAからの使用禁止薬物リストの確認を怠ったことを「言葉にできないほど無思慮」と厳しく批判。ただし、そのメールそのものが非常に読みにくい上、禁止薬物のリストに辿り着くにはいくつもの手順を踏まねばならず、リストアップされた薬物の数も非常に多いという、新人ビジネスパーソンでもこんな酷い案内メールは送らないだろうという代物

・(IOCやWADA関係者ではありませんが)女子テニスのユージェニー・ブシャール(カナダ)が、薬物使用による出場禁止処分から復帰を果たしたマリア・シャラポワを「ペテン師」と罵り、彼女はテニス界から永久追放されるべきと明言(なお、錦織圭選手は、世界ランキングトップ10以内の選手への検査は非常に厳しいため、シャラポワが故意にやったとは考えられないと発言)


日本のメディア、そして北米バイアスがかかった報道しか読まず、かつ「ロシア=悪」という思考に染まり切った日本人視聴者は、感情的にロシアを糾弾していますが、これだけの事実が重なると、カナダを含むthe West、IOC、WADAが清廉潔白なのか、また「公平な調査、裁定」をしてくれるのかも怪しいですね。
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昨日、今日はじまったことではない (ブログ主)
2017-12-07 00:35:30
Rolling Stoneさん、
どうも。

そう、私もカナダは今回のことだけの関係者だとは思ってません。カナダに住んでいた時、スポーツがらみの報道が変わっていって、当初、スケートのレジェンドの人たちが非常に批判的だったことも覚えてます。

カナダの選手もそうですし、今回もイギリスの選手が、IOCの決定を支持して、ロシアに強くあたるべきだとかさっそくコメントしてました。まぁ、アングロ+ドイツ(ウクライナがらみ)あたりが結束してロシアを叩いているといった趣だと思います。
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最悪の事態 (私は黙らない)
2017-12-07 05:03:38
各国の女子フィギュア平昌出場候補者達の写真を並べてみる。さぁ、どれがステロイドフェイスでしょう。
ロシア選手のジャンプは、正確な体幹エアポジションと回転の速さが真髄だ。力で跳んでいない。そして、日本のフィギュアもロシア型だ。だから高難度のジャンプでも跳べる。力づくでない。
昨今、ロシア+アジアのゲームになりつつあるフィギュアで、ロシア抜きの大会なんてありえない。幼少から、鍛錬を積んで、やっと手に入れたオリンピックへの切符を、こうした理由で諦めなくてはいけない選手を思うと、ただただ悲しい。メドベジェバも17歳だから、4年後は21歳。有力選手がひしめくロシアで4年後出られる可能性は低い。
グレーシーゴールドがフランクキャロルから一方的に師弟関係を解消されるという事件の影に、父親の禁止薬物疑惑があると思う。医師である彼女の父親が、禁止薬物をロシア選手に渡したという疑惑。この疑惑に、米メディアが何故か沈黙している。実に奇妙。
ソルトレークは、クレームすれば結果が覆るというスポーツにあってはならない前例をつくった最悪の大会だった。アントンとエレーナは本当に素晴らしかった。どこぞのファストフードスケートとは哲学が違う。私は個人的に、ソルトレークのクレーマーカップル、大っ嫌いだ。(特に女の方)
平昌、もう見ない。ロシアナショナルの方がよっぽどレベルが高くて面白い。


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こうして益々嫌われる (私は黙らない)
2017-12-07 05:24:58
さっきも投稿したのだけど、もう、私は腹の虫が収まらないですよ。
こうして某国は、世界中から嫌われる。全アラブを敵に回し、ロシアの反米感情を掻き立てる。
こんな嫌われ者と心中したくない。
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WADAは、最大のドーピング推進機関 (石井)
2017-12-07 07:02:43
1年程前の番組ですが、かなり面白いので紹介したいと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=lSC_vobYT2U

FANCY BEARS' というハッカー集団がWADAに侵入、世界の一流選手の文書をアップしました。
https://fancybear.net/
「治療例外措置」として、WADAがドーピング剤の使用を認めているという内容です。
具体例として、女子体操のバイルス。彼女は幼少期からADHDを患っているとして、アンフェタミンを常用。オリンピックの検査でも陽性でしたが、失格にはなりませんでした。ノルウェーの距離スキーチーム。全員が喘息持ちということで、吸入薬を常用。この件はチームの女性のインタービュー証言があります。ツールドフランス優勝のデンマークの男性。イギリスの有力チームに所属していたことから一度も検査に引っかからなかったとの証言。どこか痛いといえば担当医が治療例外として禁止薬を処方してくれた。こういう構図に今まで罪悪感にさいなまれてきたと言っています。テニスのウィリアムス姉妹。テニスは手首、肘などかなり痛みを伴う競技で、ヒドロモルフォンという鎮痛剤が有効。5年間で、16回の例外措置を受けたそうです。クリーン選手を見たことがないというイギリスのスポーツ医。WADAの専門医13人の内12人が欧米人という偏りの問題、大会賞金の巨額から来る問題などを指摘していました。

また、別の番組ですが、ウィリアムスの筋骨隆々とシャラポワの水着写真を並べどちらがドーピングしているのかと問い、ロシア陸上代表選手が語るには、「君がクリーンなことは分かっている。ただ、ロシア人だから信用できないだけだ。」とWADAの検査員から言われたと。

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『ロシアの国営テレビ局、平昌五輪中継せず』 (ローレライ)
2017-12-07 11:47:11
『ロシアの国営テレビ局、平昌五輪中継せず=五輪マークに斜線入れ抗議
Record china
配信日時:2017年12月6日 12時0分sp.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=226893』から☆
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