米のカーター元大統領が、アトランタの講演で鋭いことを言ったというので各紙が配信している。
米国の政治はお金によって、民主政体というより寡頭政治(オリガーキー)になっている、と。
ATLANTA — Former President Jimmy Carter offered a damning indictment of U.S. foreign policy and domestic affairs Tuesday, saying money in politics makes the nation more like an “oligarchy than a democracy” and casting President Donald Trump as a disappointment on the world stage.
カーターさんがこういうことを言うのは初めてではなくて去年も言ってるし、多分ここ数年ずっと言っているんだろうと思う。が、北朝鮮問題への対応を見ても、シリアも、パレスチナもと、米のやってることと言ったらクズでクズでどうしようもないと多くの人が思っている今、カーターさんの言葉は真実味を増して来たというところでしょう。
■ オリガーキーよりも酷い
しかも、私が思うに、オリガーキーというのさえ勿体ないような状況ですよね、米は。いや、米とその子分たちの政体は。
なぜなら、寡頭政治はそれはそれなりに誰と誰と誰が勝手に仕切ってるんだ、というのが見えているわけですよ。だからこそ、その人たちを倒さねばという算段もできて、それで歴史が動く。
が、アメリカは一体誰が仕切っているのか、誰か知ってるの? 大統領よりエライ人がいるんです、はい。しかし、その人たちは姿を見せない。アレン・ダラスは一体誰の命を受けていたの? 誰か知ってるんでしょうか?
この点から行くと、今日、ロシアや中国の方が、米とその子分たちとの比較でいえば、ずっと人々の国を作っている、すなわちデモクラシーだと言えるぐらいですよ。
多くの人はここで、そんなバカなということになってるわけですが、よく考えてみれば簡単なこと。
だって、ロシア人は自分たちのリーダーが誰だか知っているし、リーダーと彼と一緒に仕事のできる司令官やら大臣やらが会議しながらいろいろ決めていることを人々は知っている。もし万々一戦争になるのなら、月1ぐらいのペースで行われているらしいあの安全保障委員会が決定すると知っている。そして、大方の人は現状、プーチンというリーダーでこのステルス性の戦争状態を乗り切ってくれ、と思ってる、と。
たとえ、ああ外国が反対するから、あるいはどこかの強い奴らが反対するからこうなったのだ、という局面があったとしても、それを最終的に自分の大統領やら政府が裁いて自分の名で出す仕組みになってる。
アメリカ人は、どうして16年も自分たちがアフガニスタンで、誰が憎んでいるわけでもないアフガンの子どもたちを殺し続けなければいけないのか知っているんでしょうか?
どうしてリビアという国を崩壊させなければならないか知ってるんでしょうか? しつこく言ってますが、ガーダフィーが持っていた金とゴールドはどこに行ったんでしょう? アメリカの借金の足しになったでしょうか?そうでないのなら、略奪さえできていないことになる。
今だけではない。1967年のリバティー号事件でどうして米の将兵は攻撃され、死傷者を出し、にもかかわらず自軍の救援、反撃さえ大統領に制限され、その上、自国の政府に攻撃について秘匿するよう脅される必要があるんでしょうか? 40年以上経った今も解明してもらえない、それは一体なぜ?
アメリカ艦船リバティー号に対するイスラエルによる攻撃
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-fd10.html
(「マスコミに載らない海外記事」さんが訳された、ポール・クレーグ・ロバーツの貴重な記事)
なんで唐突にリバティ号のことを言ったかというと、最近、ついに、議会に調査を求めるという動きがあるらしいと読んだから。ここ。
もちろん、その前に、どうして自国の大統領が暗殺されるようなことが起きてもそれを解明できないのってののあるし、まぁ911もあるけどもう面倒くさい。
ということで、最低でもこの72年のアメリカはオリガーキーというのも甘いと思うわけですよ。
子分の国々も、ここまでひどくはない部分もあるが、似たり寄ったり。そういえば、今年の始めプーチンが上手いことを言ってましたね。「首ふり人形」
トランプがいきなり言いがかりにもならないようなことを言ってシリアを攻撃した時、NATO諸国が、まったく分けもわからず、はいはい賛成、といったことを受けてプーチンが吐き捨てるように、
「みんなして首振り人形よろしく頷いてる」と言った。首のところがびよ~んとバネになってる人形のこと。bobblehead doll。
“What was the reaction of the NATO allies? All of them are nodding like bobble heads,”
https://www.rt.com/news/384421-nodding-like-bobbleheads-putin-nato/
そういえば、日本では、小池おばさんの「それはAIです」発言があった。これも言ってみれば同種でしょう。
つまり、自分が決めているんですと言うものの、どうしてそうなったのかのロジックは自分の手元にはない、といったんだと思う。上からこういうことです、と来ました、私はそれを表現する係なんですよ、と言ってみたんでしょう(なんでそんなことを言ったのかは謎だけど)。
ということで、こうやって誰かが口にしていくことは、現状のオリガーキ―さえ甘いようなステルス支配に疑義をつきつけるための、小さな小さな一歩ではあるだろうな、と思う。
それだってどうなるかわからないけどね。
いやしかし、つい20年ぐらい前、「歴史の終わり」とかいう凄いことを言った人がいた世の中は一体なんだったのだろう? あれを言った人が日系人だというのが、とても嫌。
なんでこんな人が出てくるかというと、それこそ世界の歴史を知らないから。
ほんとに。アメリカではパレスチナ問題をできるだけフェアに見ましょうとかいうことさえ「バイアス」。
あと年齢的に、やっぱりこのへんの人たちの多くには、その当座の職責にかかわらず、奥で動いている反・人道的なやり口に腹を立てている、その意味で正常な人間性があった人がいたってことかも、などとも思う。その意味で最近の人はブレーンウォッシュされすぎて怖い。