昨日、政権のパチモン化が止まらない日本を嘆きつつ、書き終わって思ったのはアメリカも同じではあるなというところ。もともと非道な存在ではあったとしても、これほどまでに馬鹿のオンパレードになったことはかつてなかっただろう。
しかし、これは笑いごとではなくて邪悪化がすさまじいという点で、悲劇を生み続けている。
数日前、ポール・クレーグ・ロバーツが、ベネズエラに対するアメリカの態度を表して、
というしかない、といった記事を書いていた。邪悪の勝利、邪悪の頂点、みたいな感じですかね。いやほんと、今のアメリカってまさにそういう感じ。
まさにこれ
ベネズエラは、イランほど強くはないわけだからいじめるターゲットとしては持ってこいで、経済とプロパガンダを使って締め上げている。
前にも書いた通り、これが現在のトランプ支持層にとっては恰好の「餌」なので止める気配はない。それ以外の人にとってはアメリカの邪悪化の一つの具体例として映るにせよ。
イランについては、イランに対する経済制裁の適用除外国としたところを外そうとすることが見込まれている。要するに、イランから石油を買うな、買ったら俺がいじめてやるとアメリカ様がお達しを下すので怖がって多くが従うが、6カ国だったかの適用除外を設けていた。日本のその1つ。これを外そうとしているだろうというところ。5月2日からだという話。
本格的に誰とも交易できなくしてやる、というのがトランプ政権の政策。
US to announce ‘zero’ tolerance for Iran oil imports
これが近々来るだろうということで、これに対して各国がどう反応していくかがまたまた今後の焦点となるでしょう。
シリアについては、アメリカは東部から出ていく気は最初からないが今もないといった情勢。出て行かないだけでなく、リビア東部の出来事はまたまた支配下の武装集団を結集させるトリガーイベントになっているとも言えるので、傭兵は減っていたとしてもまた新規に掻き集めている気配はある。
今回、スリランカで大規模なテロ事件が発生しているが、いわゆるISなんだろうな、と私は思ってる。要するに、シリアでの敗戦をきっかけに、傭兵を使ったスキームを解体させなかったことの直接の被害がスリランカと言えるかもしれない。そして、これだけの規模の事件をしたのだから、それは再度やるぞという「のろし」なんじゃないかと考えるべきなのかもしれない。
さらに、アメリカの議会では
「クレムリンの侵略からアメリカの安全を守る法」なる法が提案されている。
Defending American Security from Kremlin Aggression Act (DASKA) of 2019
クレムリンを侵略主体として、だから懲らしめるといった発想。経済、軍事、外交を使って要するにロシアを孤児にするという体制をどうしても作りたいらしい。
アメリカのいくつかの制度的主体の中で最もイカレテいるのは議会、というのは衆目の一致するところ。議会が利害関係者の口パク機関になっているのみならず、それが何を意味するのかを考える力を持った人がホントにごく少数の例外を除いていないようだというのが恐ろしい。上院が多少マシだというのは幻想。
しかし、もちろん馬鹿にできないのは、こうすることによって、徹底的にロシアを悪魔化する中で、事件を起こして、それをロシアのせいにして、そこから外交的に各国の関係を分断させるというのはできない話ではないから。今回の狙いは、中国とロシアを切り離すことに工夫を凝らしてくるんじゃないのか。
いずれにしても、どこもかしこも、カオスにして、ぐじゃぐじゃにすることばっかりやっているのが現在のアメリカの政権。人が困る、死ぬ、かたわになる、それが喜ばしい。そして、それが勝利に見える、最低でもやるべきことをやっていると感じられるというのがカルトのカルトたるゆえんですね。
アメリカ全体が邪悪化しているんじゃなくて、支配層のカルト化が止まらず、一般人はカルト支配から逃れられなくなっていると考える方が適切かもしれない。
どうなるんでしょうね。わかりません。
わかりませんが、この傾向が続けば続くほど、ロシアや中国の冷静さ、健全さがさらにさらに目立つようになり、それがユーラシアの団結に寄与していく傾向が勝手にできあがっていると思う。別にクレムリンや中国共産党が宣伝する必要さえない。
■ 構想書いてる奴らがいるな、と
で、最近のTIMEの表紙。要するに、ロシアが世界を支配しようと画策してる、という倒錯した見せ方をしてるわけですね。
ロシアがやってるのは、英米(+属)の侵略に抵抗してるわけでしょ。で、自分と同じように崩されそうなところと連携して、各国に知恵とか武器とか提供してるからどこにでもロシアが出てきているような恰好になってる。
それを、負けてる、分の悪い、誰が見ても性質の悪い、邪悪の帝国は、プーチンが画策しているからこうなのだ、と見せるわけね。
これは、上で書いた、米議会に出ている、クレムリンの侵略からアメリカを守るという話と軌道があう。
構想を書いている奴らがいるんだなといったところ。
つい最近の記事のこれも興味深い。プーチンが独裁者と失敗国家をかき集めてボロボロの帝国を作ろうとしている、と。
http://time.com/5564173/how-putin-built-russian-empire/
言い方は気持ち悪いんだが、冷静に考えれば、中央アジア諸国や、おそらくトルコ、イランあたりが、西側の思う通りにならないということを表明したも同然のような気がする。
中央アジアあたりの人たちはこのへんをよく見ていたらいいですよ。中央アジアを西側に引き込もうとする時には、彼らを褒めまくって、ソ連のせいであなたたちの勇猛さや素晴らしい歴史はつぶされていたのです、目を覚ましましょう、みたいなツリだったのに、ダメになったらボロクソ(笑)。
邪悪の「帝国」はほんと、タチが悪い。そしてその「帝国」はアメリカという一つの国ではなくて、アングロ・シオニストチームの産物だなとあらためて思う。