クリスマスイブということで、日本のデパート、スーパーではケーキのかきいれどきとなっている。クリスチャンでもないのになんでこんなにピカピカ、ちゃらちゃらクリスマスなんだろうかとかねがね不思議だが、これは結局冬至という最も日の光が短い時にはなにか光のあるものを見たくなるという人間のある種動物的な習性にマッチしているからなんじゃないかと毎年思う。
日照時間が短いところでは殊更そうなのよ、きっと、など思うわけですよ。
Christmas Tree in Red Square, Moscow, Russia. (Please click on the photograph.) pic.twitter.com/vD9aH5WkpJ
— Lynn Chateau (@LynnChateau) December 24, 2020
今年はコロナ騒ぎでクリスマスを機縁として集まるのを自粛しろという騒ぎが欧州方面、北米方面で叫ばれ、それがまたひと騒ぎになっていた。
UKの騒ぎは、Brexitによる騒ぎなのかコロナによるものなのかわからないところがあるので、また別儀だし、USはあの通り大統領選挙の余波で緊張してる状況だからこれも別儀。そして、その背後ではグレートリセットとかいって市民生活の破壊にいそしむ恐るべき罰当たり集団がいる。
と、そんな中、ロシアの当局者は、コロナはモスクワでは春遅くまでに収束が可能かもしれない、と言っている。
Moscow may beat COVID-19 pandemic by late spring, says deputy mayor
https://tass.com/society/1238891
できるかどうかはともかく、多分、春を一つの目途にして、Sputnik Vワクチンをはじめとしたワクチンを用意して、全体として下火になるように考えていると思う。
Sputnik V以外に、VECTOR のも登録されて臨床試験をしている。こっちも、ファイザー等のメッセンジャーRNA型ではなくて、こちらはペプチドワクチン。
■ 昔もあったかもしれないコロナパンデミック
で、いや、別にこれを基準にしているというわけではないかもしれないけど、でも、かなり似たケースになるんじゃないかと思ってみている人たちいがいるんじゃないのかと思われるのが、1989年~1890年にロシア帝国周辺から欧州にかけて流行った風邪のようなインフルエンザのようなパンデミック。
これこれ。
1889–1890 pandemic
日本ではほとんど知られていない感じだし、wikiにもないんだけど、このパンデミックは欧州+アメリカではそこそこ知られている。ドイツ版、フランス語版、英語版と詳しい顛末が書かれている。
どうしてかというと、結構な重要人物、有名人がかかって死んでるので、そういう事象があったことがよく知られたパンデミックだからだろうと思う。当時のことなので王様関係者が目立つけど、チャーチルやソールスベリーあたりの文献でも言及されているそうなので、ある意味調べやすいパンデミックですね。
当時、最初にこの病気が発見されたのが、ロシア帝国内のブハラ。ウズベキスタン南部の都市ですね。1989年5月に診断、ここからロシア帝国領内を伝わって、ペテルブルグ、モスクワなども大被害を受けて、同じ頃にはすでにドイツ帝国、ハプスブルグのオーストリア帝国でも、どうも同じ症状だぞ、となって、同年末から1890年初が欧州域でのピークだったそうだ。
多少遅れて、1889年11月にインドへ、そこから1890年になってシンガポール、中国、日本へと続いたらしい。多分、このへんは当時大英帝国をはっていたイギリス人が動いたからこうなったんじゃなかろうかと言ってみたい。
アメリカは呑気にしてたが西欧州からの往来によって1890年初頭から被害が出始めた。
いったん収束し、その後、1891年4月/ 5月にイギリスで2波、1892年1月に3波、1894年に4波となり、当時の記録がしっかり残っているイギリスでおそらく10万人ぐらい死んだだろうと考えられているそうだ。
当時のパリの風刺画だそうですが、やっぱりこう死病っぽい感じで受け止められていたとも言えるし、当時既に加熱していった新聞媒体が煽っていた可能性も相当ありそうな気がする。
ただ、下品で大げさだとしても、なにせ大金持ち集団がかかっているということは、衛生事情や栄養事情による、という感じでもないし、貧乏人じゃない有名人の中で広がると騒ぎが大きくなるという見方もできるのかもしれない。
で、このパンデミックは、長い間、インフルエンザだと考えられ、しばしば、Russian flu、Asian fluと言及されていたらしい。欧州側からすると、ロシアから来たと感じられたのでしょう、多分。そして、人によってはもっとちょっと詳しくてロシア欧州部じゃなくて、アジアの側から出たんだ、ということだったのもしれない。
ところがだんだんと遺伝子解析の技術が進んでいたところに、2002年のSARSがあって、そこらへんでデンマーク、ベルギーのグループが解析していった結果、これはおそらくコロナウィルスのパンデミックだろうと言われだしていたそうだ。
当然のことながら、今年になってまたこの話が出てきた。臭いがなくなる、軽傷も重症もいて、肺炎で死ぬ、男の方が女よりかかる、といった特徴が似てるじゃないかという指摘もあった。上述した通り、1898年の流行は多くの文章が残っているので、古代とか中世と比較したらより具体的な記録があるでしょう。
だがしかし、今wikiを見たら、
この研究は、2020年11月時点でどのピアレビュー付きの専門誌にも発表されていないそうだ。
私は夏前だったかに、この話をBloombergで読んだ。
Russian flu pandemic of 1889
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2020-05-15/coronavirus-of-today-eerily-similar-to-1889-russian-flu-pandemic
https://www.bloomberg.com/opinion/articles/2020-05-15/coronavirus-of-today-eerily-similar-to-1889-russian-flu-pandemic
最初、これは、武漢ウィルスにしたい人がいるように、ロシアウイルスにしたい人がいるのかな、と思って開けてみたけどそういう話ではなかった。なかったけど、広がりもしないのを不思議に思っていたけど、そのうち忘れてしまっていて、最近になって、ロシアのやり方を見ていて、これは多少参考にしているのかな、と思ってこのエントリーをしたというわけ。
今となってみるに、このパンデミックの話はそれはそれなりに指標とかガイドラインになってもいい話じゃないんでしょうか。ああ、こうやって一週するんだな、みたいな感じで出されれば、ちょっとは安心では?
でも、そうすると、「未知のパンデミック」という触れ込みが壊れてしまうからダメということか?
もちろん、120年前のこのウィルスとの関連性もわからないわけだし、軽々に言う方が悪いという判断も理解できるけど、でもなんか、やっぱりとっても変だわ。
■ オマケ
この1898年パンデミックも、ふと思えば「陰謀論」は成り立つなぁと思ってそれはそれで面白くは思ってる。
だがしかし、それはそれとして、対応しないとならない時には対応しなければいつまでも残って被害を拡大する手のものであることは間違いはない。
そこで、思うわけですよ。明らかに、この騒ぎを完全なインチキ、ありもしないもの、ぐらいに思ってる人がいる。これは、最終的には回復を遅らせる要因になるのではあるまいか。
きっかけとして陰謀論を考えるのはいいとしても(私はそうなんだけど)、現状としておかしな病気が流行ってることを否定するのは間違ってると思う。
また、これを利用しようとした人たちもいる。その人たちはどうやって事態を収拾させるべきかは考えていないでしょう。こ、こんなんでいいのだろうか、と不安になる。
■ 参考記事
クリスマスも戦後の高度経済成長が始まってから10年とか20年のタイムスパンで津々浦々に風習が広まっていることから考えると、20年後とか30年後はイースターの復活祭をやるようになっててもまったく不思議じゃないんじゃないかなー。
大変興味深いです。
https://www.dr.dk/nyheder/viden/kroppen/overraskende-opdagelse-coronavirus-har-tidligere-lagt-verden-ned
https://www.reddit.com/r/CoronavirusDownunder/comments/ji6qee/surprising_discovery_coronavirus_has_previously/
陰謀論かどうかは別にしても、Pandemicが政治的に利用されるということは大いにあると思います。
1889年、どんな年だったのかなと思いました。