オバマ米大統領、4カ国歴訪 「アジア重視」強調へ
http://www.cnn.co.jp/usa/35046930.html
(CNN) オバマ米大統領は23日から日本と韓国、マレーシア、フィリピンを歴訪する。昨年10月に米政府機関閉鎖問題でキャンセルした予定を埋め合わせ、アジア重視の姿勢を改めて強調する構えだ。
オバマ大統領は1期目の任期中、当時のクリントン国務長官とともに「アジアへの軸足移動」を打ち出したが、実際にはイランの核問題や最近のウクライナ情勢がはるかに大きな注目を集めてきた。
というけど、ウクライナ情勢を上手くつかって、日本を「しめた」って感じになってるのじゃあるまいか。
つまり、
プーチン大統領の秋来日、流動的に 岸田外相の訪ロ延期
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140417/plc14041718020011-n1.htm
とうことらしいから。
とはいえ、これが決定的かどうかは流動的だろうと思う。ただ産経がさっさとこういう意見を出してくるところが、ああ産経だなと思う。これで喜ぶのはアメさんでありチャイナさんなわけで、これが故に最近保守業界に分裂が走ってるんだろうなぁと思ってみてる。不機嫌な人が多いもの。
とりあえず、注目はTPPと尖閣になるんだろうけど、どっちにしても日本国民の熱が低いというか、何があっても、何を言われても、どうもその、何か裏があるんだろう、何か影でディールを取ったに違いないと疑心暗鬼が走りそう。
というか、そもそも誰もオバマ氏を喜んでいない気がする・・・。いや、要するに、この訪問を日本側が歓迎するとされる意味は、同盟は日米であって、中米じゃないということを見せてほしいということなのか?日本側として。すみません、訪問の意図がよくわかってない、私。
ただ、尖閣は安保の適用範囲です、みたいな言葉じゃどうしようもないことは、この間プーチンが見せてくれた通りなので、ああそうですか、みたいな感じがちょっとある。だって、今後問題になりそうなことは、「力による国境変更は認めない」とかいうことじゃないわけです。実際プーチンは軍事力行使とまでいえないやり方でクリミア奪取したわけ。だから、問題は妙な事象、妙な暴発の発生を許すか否か、小戦争にもならないぐらいの小競り合いを紛争化させずにどう制することができるのか、その対応力が問われるという話だと思う。かかってるのは島であって大陸じゃないんだから大戦争にはならない。即座の情報発信、治安部隊の投入、外交がとても重要。だから、軍事だけの問題じゃない。包括的、継続的に味方になってもらわないと意味がない。
思うに、昨年ロシアがシリアを強烈にかばったケースは今後の戦争のモデルケースになるんじゃなかろうか・・・つまり、過去70年間、特に直近の20年間は、アメリカが自分で介入して自分んちのメディア総動員して勝手に決着つけるというスタイルが主流だったがもうそれは終わった、と。
今後は、アメリカがAだBだとメディアを総動員して仲間を増やして決着をつけてもなかなか難しい。つまり、部分的だろうが既に多極化している時代にいるんだ な、と。今書いてきてそう思う(笑)。そうだ、そうなんだ。そして、チャイナは独自路線を取る国だと既に認められている。制裁とかするの? その後ろにロシアを付けた ら・・・・。 だからやっぱり、どうしてもせめてロシアには中立でいてもらいたい、とならざるを得ない。あの影響力は敵になったら面倒くさい。
■ 8年前の動画を見てみる
アメリカの財政事情を考えると、チャイナに制裁とか考えたくもないだろうなぁ・・・
と、そのチャイナについての大事な動画を見て心を鎮めよう。
この動画は、今見てもすごい。はらはらする。保守分裂の一場面と申しましょうか。
2006 東アジア安定のために日本の核武装を『共和党と民主党』 伊藤貫 5/7
http://www.youtube.com/watch?v=7-i1y5ncxTY&feature=related
ここで伊藤氏は、米中密約説を話している。それに対して、親米保守派の田久保氏が聞こえないような顔をしへんな受け方をしている。思えば、こんな時代だったんだなぁと懐かしい。
伊藤氏がおっしゃる1972年にニクソン、キッシンジャー、周恩来が対日政策として密約したと言われているものは次の通り。
- 東アジアにおいて日本にだけは核を持たせない
- 米軍駐留継続は日本に独立した国防政策をさせないため
- 朝鮮半島と台湾問題について日本に独立した発言権を持たせない。
■アメリカと中国は特別な関係
しかし、密約以前に、思えば中国とアメリカの関係はただ事ではない。
なんで中国は中国共産党一党独裁のままで資本主義に突入して大きくなってよくて、ソ連はダメだったのか、など考え出すとさらに興味深い。
ソ連と中共を比較してどちらが制度的に優れていたかといえば、圧倒的にソ連でしょう。少なくとも彼らはソ連内の人口を養って、不法移民という棄民政策を取らなかったし、高等教育を授けてもいた。国民皆保険体制でもあった。というかやたらに医者の多い国じゃなかったか?西側先進国から比べたらいろいろ文句もあるだろうが、80年代で中国と比べたらずっとマシな内政だったのじゃなかろうか。
それが一方は解体され、懲罰的に収奪対象となり、片方は、人権問題もなんのその、チベット、ウイグルは嘆く以外に何もなし、農民戸籍ありという体制でまったくOKのまま先進国がこぞって投資をし、その上早々にWTOに加盟を許され、不当に安い人民元も放置、今や大国となった。
これを特殊な関係といわずして何といおう。
(資源持ちの上に、やたらに軍事力に拘る、外交も上手い、鼻っ柱の強いロシアはどんな理屈を使っても倒したかったというのは十分に理解できるが)
もう一つある。これはずっと前から疑問だったが、昨今のロシア復活問題で再び思い出した。
中国共産党王朝が満洲を含む清王朝を踏襲できるのなら、なぜソ連はロシア帝国を踏襲できないのか?(しろといってるのではない) 満洲は一旦独立国になっているんだから、立場としてはポーランド、バルト3国がこれにあたる。しかも、ソ連は1000万以上を死なせて連合国勝利のためにナチとガチンコで戦った当事者。一方の中共は戦ってもいないし、ソ連の南下で助けてもらって満洲をゲットした。それでこの処遇の違いは何? 中共が崩れるときには、満洲の処遇がどうなるのか是非見届けたい。いち早く共和国として独立させていただきたいものだ。
(こう言われることを予想して、全員中華民族にしようとしているのではなかろうか。単なる大国志向の情熱じゃないのではないか?)
米中は最初から本当に特殊な関係以外の何ものでもない。
この米国の特殊関係人みたいな国を前に、米が日本と一緒に戦ってくれるはずだと予定した人は一体なんだったんだろう? むしろ日本人の思考回路が不思議に思えてくる。(もちろん、事情が変わってチャイナが弱体化したら一緒に戦うかもしれないけど) 心は全然静まらない。
■ 同盟と非同盟を一緒に扱うアメリカ
オバマ大統領の「尖閣は安保適用」に反発 中国
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20140424-00000000-ann-int
テレビ朝日系(ANN) 4月24日(木)0時5分配信
中国外務省は、アメリカのオバマ大統領が沖縄県の尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内だと明言したことについて、「断固反対だ」と強く反発しました。
中国外務省・秦剛報道局長:「米国は、領土主権の問題で、どちらの肩も持たないとの承諾を固く守り、言動を慎み、地域の平和と安定のために建設的な役割を果たすべきである」
当然といえば当然なんだろうけど、直ちに反発してくる。「日米同盟は冷戦時代に形成されたもので、中国の領土主権と正当な権益に損害を与えてはならない」とかも言っちゃう。この科白の前半は、最近アメリカでもちょろちょろ言われているのが嫌だわ。
ここで日本の親米保守派は、何を言ってるんだ、日米は同盟を組んでいるんだ、ふふん、と思うのかしら?
今後の可能性としては、適用範囲だと言明した → しかし米はなんにもやりたくない → 引き続き、日本はチャイナを刺激しないように、以上、ってことじゃないかと想像する。ということは、同盟と非同盟を一緒に扱ってるんだよね、既に。
いずれにしても、何をどう考えても、軍事力だけの問題じゃない。できるところから自主防衛、多極的な関係強化を進めると伴に、当局者には、緊急時の即応力、対応体制の整備していただきたい。