日本文化の真髄を開基する
国宝・至宝の歴史が鮮明によみがえる全20集
というタイトルが付され、
監修:独立行政法人 東京国立博物館
京都国立博物館/奈良国立博物館
という立派なもので、ナレーターもNHKがかつて誇った素晴らしいアナウンサーたちによる。そして、何度も聞いていると読まれている文章も非常によく考えられていることがわかる。そして、音楽による構成が非常に上手い。気分が穏やかになったり高揚したりを音楽で誘われているのがわかっていても誘われる。素晴らしい。
これはいつの放映だったのだろう? というか放送したのだろうか? 全然記憶がないようなあるような。アナウンサーの様子からすると90年代初頭ではないかと思われる。バブルの時代であればこそのしっかりと予算のかかったプログラムだったのだろうか。
今日は第5集の
第9 密教森厳 教王護国寺
第10話 深山に祈る 山岳信仰のひろがり
を見ているのだが、これは本当にすばらしい。東寺の内部の仏像のお顔もしっかりと堪能できるし、室生寺のあの有名な観音菩薩のお顔も拝見できる。あざとくなくて、とてもいい撮影だ。
こんなに素晴らしいのだが、どうやらAmazonでは売ってないし、インターネットで見ると、20巻セットで189,000円というお値段設定。つまり、図書館を顧客に考えているという設定なのだろうと思う。
http://vortex-int.co.jp/shop/324.html
私も偶然図書館で見つけて、ここ2年ぐらいでぽつらぽつら結局全部見て、今日からまたふと見直しをはじめようという気になった。
こういう映像資産を今のNHKが再び作れるのかというと、なんだか無理なような気がするので、もうこれを遺作として考えようかなという気がしたりもする。それぐらい気合の入ったシリーズだ。