【集団的自衛権】なぜ自民党は今になって「集団安全保障」を持ちだしたのか 石破茂幹事長が説明
http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/21/collective-security_n_5517354.html?utm_hp_ref=japan
なぜって、アメリカに支持ではなく指示されているので、詰めないと大変なんですという感じだと思う。
別に皮肉を言っているのではなく本当でしょ? 要するにアメリカが何らかのプランをしていてそこに日本が組み込まれているってことが前提なんじゃないですかね。
そのプランの妥当性が分からないので、国民の多くは目隠しされてアメリカの子分になってるだけ、ってな感じを抱くんじゃないでしょうか。
そもそも論を今さら言うのもなんだけど、そもそも論としてはやっぱり普通に国軍としての満額のあり方を追求するのが筋でしょう。
その上で、総参謀長を含めた各レベルの会議があって初めて他国との協力が完成する。
しかしそういう話はまずない。
一方で自民党が進めている現状は、日本という立場を抜かして、アメリカとの連絡員みたいな政治家が、「やれってことです、ええ、協力」と言われると、じゃあ自衛隊出て行ってください。ええ、これでシビリアン・コントロールです、みたいな感じ。わはは、ですよ、ほんと。
このやり方はでも日本だけでない。ルーマニアとかブルガリアetc.とか見てるとそんな感じがする。彼らにはNATOに従わない権利とかない。「グループ」に入れられちゃったら最後、出られない。NATOという組織が曲者で、本来なら国家間の理屈がいろいろあっていいはずなのだが、そこをすっとばして今ではNATOに意志があるようなことになってる。EUもそんな感じ。でもだからこそ現在欧州内ではこのトリックに気づいた諸諸国民が徐々に反発しつつあるって感じ。
逆にいえば、国家単位だと利害が衝突して話がまとまらなくて、面倒くさいのでグループ化してグループに意志をもたせちゃう(実際には後ろで強い利害関係者が調整する)、という仕組みになってきたんだと思う。
日本でも、東アジア版NATOをとかいっている人がいたぐらいなので、おそらくこういう構想があるんでしょう。出来るかどうかわからないけど。
それはつまり、国家の意志決定を無力化する構想といっていいと私は思う。現状、自民党政府は国連の決定を最高位に置いて説明してるけど、国連をぶっちぎっても独自に制裁し、独自に空爆するのがアメリカというところ。だから、私たちのあずかり知らない紛争でアメリカが敵認定した国を、グループとして攻撃するのに日本も加わりますという話になるんでしょう。有志連合の組織版みたいな。
要するに、集団的自衛権の話というのは、「グループ化による個別的意志の弱体化」という取り組みに組み入れられる話といっていいんだと思う。まぁ、ある種のワンワールド・イズムが強く影響してると思う。
従って、これに抗するためには、どういいう理屈で来られても、日本国の国益にとって重要でない案件では、制裁もしなけりゃ、国軍の派遣なんてもっての外、という強い国家意志が求められると思うわけです。もちろん、たとえ誰がなんといおうと俺はお前と交渉する、制裁する、攻撃する、という意志も表裏。
別の言い方をすれば、国家主権への強い拘りのある国家であれば、どんなスキームに入ってても別にいいともいえる。いざとなったら「俺は出ない」とか「俺は別のやり方で対処する」という態度が取れる国家ならば。
この間から、日本国の立場、独自の見解がないとマズイだろうと書いているのは私たちはこういう構造の中に、徐々に徐々になんの抵抗もなく組み入れられていっていると私は危惧しているから。
強い国家意志を体現できる政府を持たない限り(中立的であるのはどちらかに付くよりももっと力が必要)、どんな仕組みの中でも埋没する方向に行っちゃうと思うのよね。
諦めることはないけど、少なくとも頼りになる人が表に出ている政治家の中には誰もいそうもないというのは事実だと思う。でもってマスコミはマスコミで別のバイアスでおかしいので、国民の声が聴かれる確率は低い。なかなか辛い状態にあるのが現在の日本。