邪悪：テロリストを飼いつつ病気の心配をする西側社会

西側各国では、コロナがらみの肺炎によって人々の命が奪われはしないかと各都市を封鎖してまで格闘されているわけですが、他方、シリアやイラクでは今日も今日とて、彼らが飼い続けている傭兵さんが戦闘に忙しい。

今日は今日とて、シリア北部ではロシア軍のいるフメイミ基地に向けてミサイルが発射され、ロシアの防空システムが撃退する、といった事件が起こってる模様。

Breaking: Russian air defenses confront hostile missiles at Hmeimim Airbase in Syria

https://www.almasdarnews.com/article/breaking-russian-air-defenses-confront-hostile-missiles-at-hmeimim-airbase-in-syria/

 

イラクも怪しい動きが続くし、イエメンのサウジの戦争は終わってない。

 

ちょっとは片づけたらどうなんでしょうね、ほんと。恥ずかしくないんだろうか？

そもそも、シリアで控えめにいっても50万人ぐらい死んだ後にロシアが参戦して話がひっくりかえったわけだけど、だからといって西側の傭兵がぶっ殺した人たちの命がチャラになるわけじゃないんですけどね。

 

そういえば、ドイツ外相は、EUとトルコとの間で結んだ、金出すからトルコが難民引き受けろ協定について、ヨーロッパはトルコをサポートするべきだ、といった言い方をしていた。つい最近も。

Germany's FM says EU should support Turkey in Syrian refugee crisis

Following a teleconference with his EU counterparts, Maas told reporters that Turkey is already carrying the burden of over 4 million Syrians, as he noted that both sides should abide by the terms of the 2016 migrant deal.

 

前にも書いたけど、この問題は、中東をぐじゃぐじゃにするという西側総出のプランの崩壊局面なわけですよ。

いつの間にか、アサドとプーチンが悪いから難民が出てるみたいな、馬鹿しか信じないような話を西側のリベラルメディアが売り歩いてるけど、そんなことを言ったって現場は誰も納得しない。（そしてドイツが最もそのリベラルメディア路線との親和性が高い。）

 

エルドアン、モスクワに行く；欧州勢テロ支援に触らず

 

こんだけ揉めても、まだ、誰も、シリアに傭兵突っ込んでアサド体制を倒そうとした作戦は失敗しましたと言わないというのが問題の本質だすね。

この邪悪さは一体なんだろうって感じだし、ますますEU、就中ドイツの異常さは注目だわ、ほんと。自分の国を難民だらけにしてまでもシリアをぶっ潰すプランに乗ってたし、ウクライナをぶっ壊す問題も継続中。

それをみんな、アメリカが悪いから、で国内を騙してきたわけだけど、アメリカが多少揺れてもタカ派ラインをキープしているEUにはもう言いわけはない。

 

さてしかし、これをどうするつもりなんでしょうね。

傭兵飼って、シリアの一般人を人間の盾に使ってたプランをまだキープして、それで新型コロナウィルス騒動をしつつ、金融危機を知らん顔してやりすごしつつ、コロナウィルスによって経済活動が低下したので、この会社、あの会社をベイルアウト（公的資金投入）します、とか言い出すわけでしょ。

どこまでやれるもんだか。

 

■ 総じていえば

こうやって見てみると、トルコとかサウジがそれはそれなりに彼らなりの利害を守る方向に動くと、それは殆どの場合EU+米の、要するに西側への疑義を突きつけることとなる、っていうのが現在だと思う。

そして、西側はそれを跳ね除けようともがくが、跳ね除けられないので全部を引き受ける形で負債が増える、みたいな。

これを別の角度から見ると、チェスにおけるツークツワンクが生じている、といったところではなかろうか。

 

■ オマケ：イタリアを馬鹿にしてたブリュッセル官僚

昨日、ロシアがイタリアに支援を開始したことを書いたけど、それに関連してイタリアの元外相が、イタリアが最初にコロナで危機に陥った時、EU、つまりブリュッセルにいる首脳って人たちはイタリアが悪いんだろ、みたいな調子で、イタリアは大使館を通じて各国に支援を相談したが上手くいかず、中国とロシアが応じたということだと証言してる。

EU left Italy ‘practically alone' to fight coronavirus, so Rome looked for help elsewhere, incl Russia – ex-FM Frattini to RT

https://www.rt.com/news/483897-italy-eu-coronavirus-solidarity-russia/

 

ここがなんかハイライトって気がする。

最初、イタリアはウィルスとの戦いで実質的に独りぼっちだった。多くの人が、それはイタリアの習慣のせいだ、イタリア人がルールを尊重しないからだ、と言った。しかし突然、彼らは、他の国々も同じように影響を受けるのだと気が付いた。

At the very first moment, Italy was practically alone against the virus. Many said it was all because of the Italian habits, because Italians do not respect the rules. Suddenly, they realized all the other countries were equally affected.

だそうです。わかりますねぇ。この視線。ドイツがギリシャを壊した時もそうだった。さかんにギリシャ人がだらしないからという論調を流した。だらしないならユーロから抜ければよいわけだが、それさえ許されず国が壊れた。人が死んだ。

欧州北西部の南部への視線っていつもこんなもの。そして、それは東に対しても同じ。なにがあってもロシア人は悪い人のまんまですやん。

結局のところ、スラブ人を下等人種扱いしてロシア欧州部を盗もうとしたヒトラーというのは、これら欧州北西部からドイツ西部あたりの地域にありがちな、劣等なものからは盗んでもいい、殺してもいいというメンタリティーの具現化だったんだってことだとわかる。

 

■  参考

ヨーロッパ1000年のロシア恐怖症

 

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