シリアがらみのホット・ウォーからトルコとロシアとの激烈な対立がメジャーな話題になっているロシアまわりだけど、ロシア政府は静かに、例のロシアの利益にならないNGOにまた一つ団体を加えていた。
Washington voices concerns over Russia’s move to declare US foundation ‘undesirable’
http://tass.ru/en/world/841676
この話の続きではある。
ロシア上院、外国NGO活動禁止を求める
7月に禁止されたメジャーな団体は、
ソロス・ファンデーション
National Endownment for Democracy
MacArthur Foundation
Freedom House
East European Democratic Center
などだったが、今回は、
US-Russia Foundation for Economic Advancement and the Rule of Law (USRF) という団体をロシアの検察が好ましくない団体としてリストしたという話。
米国-ロシア経済振興と法の支配基金、とでもいうんだろうか。
タス通信の記事によれば、この団体は2006年にブッシュとプーチンとで設立を発表したもので、ロシア経済の長期的発展を推進しロシアと米国の関係強化を目標とし、ロシア政府や代表的な政府機関も関与していたもの、であるらしい。
ということは、むしろ両国政府機関の協力の枠組み、みたいな感じでしょうね。
しかしこの機関が、ロシアのNGOに財政支援をし外国のエージェントとして機能さえていたことから、ロシアにとって好ましくない組織であるということになった模様。
これに対し、アメリカのロシア大使は困惑している模様。まぁ予想はしてても、一応困惑とは言うだろうけど。
確か3週間ぐらい前、ロシアが締結するあらゆる条約はロシアにとっての法秩序の下になければならない、ってなことを確認するような法案が議会に提出されていたのと、軌道が一緒のような気がする。
つまり、本格的に一極支配モデルと手を切る準備を着々とやってます、ってことだよね。
実際問題、今日誰でも知ってる通りエリチェン大統領はアメリカの傀儡政権だったわけで、その時間帯にロシアの中でいろんな組織がアメリカモデルに、あるいはアメリカというか、そういうんじゃなくて、ぶっちゃけアメリカの支配モデルとでもいうべきか、そういうのの下位に置かれるように改変されていたんだそうだ。
それを一遍にひっくり返すとプーチン革命みたいなことになるわけど、そうはしないで、ロシアの体力をみながら徐々に徐々にsovereign(主権)を取り戻している、ってことでしょう。
ということは、やっぱりこの、最終的には、いつの時点になるか知れたものではないにせよ中央銀行問題が来るんだろうなーとか、まぁそう思う。これがアングロ・ユダヤモデルの根幹ですから。
しかしまぁ、考えてみれば、FEDを中心とする金融資本主義を産業資本主義と切り離して上位においちゃうような仕組みって、野蛮そのものの文明破壊者的側面が大きかったなぁとしみじみそう思う。グローバリストとかいう生易しい名前で呼ぶから間違う。破壊者というか、他人を奴隷にしようとする恐ろしい仕組みだと思うけどなぁ、私は。私に限らず、このへんはロン・ポール以来アメリカでは結構普通に話されるようになってきて、大変良い。
まぁこの仕組みが完全になくなるという話ではないにせよ、いすれにせよ形は変わっていくでしょう。
で、その時に目印になる動きをするのがロシアというのは、実は非常に理にかなっている気もする。なぜなら、私は、上記の文明の破壊行為が過激化したのは1913年であり、その後間をおかず1914年に第一次世界大戦が、そしてロシア革命が発生したのは偶然ではないと考えているから。
多分、このへんの本を改めて読んでいく日が来るんだろうな、と。
The Deluge: The Great War and the Remaking of Global Order 1916-1931 | |
Adam Tooze | |
Penguin |
The Deluge: The Great War, America and the Remaking of the Global Order, 1916-1931 | |
Adam Tooze | |
Penguin Books |
つまり、争って割るんじゃなくて共存的に着陸させるにはどうしたらいいのかをやってるんじゃないでしょうか。最終的には国家の枠組みで仕切って、ただしせっかく国際社会の連絡が昔に比べたらはるかに簡単になったんだから、なんらかのuniteする仕組みを温存しよう、って方向。
1945年を善意に仕切るとこうなるはずでした、みたいな。