DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

新コロナ:プーチン、防護服来てモスクワの病院を訪問

2020-03-25 20:45:10 | 欧州情勢複雑怪奇

現地時間では昨日になるけど、プーチンが防護服を着用してモスクワの病院を訪問していた。

COVID-19 | Putin dons hazmat suit to visit coronavirus patients

 

プーチン自身がじーさんなので心配される立場ともなり得るわけだけど、プーチンがそんなことで引っ込んでいるわけもなく、防護服を着せてもらって病棟を訪問。

 

ロシアの感染者の状況は、なにせ年末から対策をたて実行していたので、中国が焦点であった時期には慎重な行動が奏功して一桁の感染者しか出ていなかった。

ところが、イタリアからの旅行者が帰国して感染するといった事態が続き、先週あたりからは毎日感染者数が増加して現在600人台。

ロシアの感染予防の専門家たちは2つのシナリオを想定しているらしい。1つは、抑制的に推移した場合で6月か7月に山が来るような感じ。もう1つはイタリア型のように急拡大するケースで、この場合は9月にピークが来るかもしれない、みたいなことを言っていた。

現在は、6、7月予想なんじゃなかろうか、と見えるし、できればそうしたいと想定しているんだと思う。

Coronavirus pandemic will end in summer at best, expert says 

https://tass.com/world/1135029

 

というところで、そうなるとタスクチームの方針として感染可能性の人をモスクワに集中させたことから、当然大人口を擁するモスクワで集中的に感染者が出て、それに従い重傷者も増えるはず。

であれば、ということで現在モスクワ郊外に、感染症対応300+普通300弱ぐらいの入院患者に対応する病院を建設中。1カ月ぐらいで完成の見込み。

これはもちろん、中国がやったことに触発されたんだろうけど、こっちはすぐ畳むものではない模様。

英デイリーメールにたくさん写真があるのでリンク。

Vladimir Putin dons hazmat suit to visit coronavirus hospital despite 'just 495 cases', as astonishing pictures show how Russia's new medical facility to tackle the crisis is '40 per cent' built in just 12 days

https://www.dailymail.co.uk/news/article-8147539/Vladimir-Putin-dons-hazmat-suit-visit-coronavirus-hospital.html

 

そうなると労働者は急ピッチで働くことになるわけで、こんなソビエトっぽい激励看板があったりする模様。

EVERY MINUTE COUNTS! Moscow coronavirus hospital construction workers motivated by Soviet-style billboards

https://www.rt.com/russia/483831-coronavirus-hospital-soviet-style-billboards/

 

■ ロシアの確変

病院を作るのは、現在はたしかに感染症問題が焦眉の急ではあるからその対応とも見えるだろうけど、でも、今年のプーチンの所信表明演説の趣旨を鑑みれば、国民の暮らしのためのプログラムを充実させると言っていたわけで、医療体制の充実はその線での公約の一環ではあるでしょう。

ロシア大統領所信表明演説:次世代に向けた機構改革

今年のロシアは、この間憲法改正の中身も詰めて4月には国民投票だし、2月には財務相がズベルバンク株を中央銀行から買っちゃうことが決定いたし、という状況なので、ますます、ロシアのためのロシア化とでもいうべき事態が確立されている。

西側ではほとんど話題にされずにスルーされてるけど、実はものすごく変化してる。

ロシア中銀、ズベルバンク株手放す

 

ますます1930年代を思い出させる。

 

■ オマケ

よく考えると、要するにロシアは防衛戦争のプロだということなんだろうな、など思ってみたりもする。

つまり、防衛戦争というのは相手がいつ攻撃するのかわからない。どんな攻撃かもわからない。だから、分析がいい加減なものではいけないし、対応能力は大幅にしておく必要がある。

1930年代の後半、英仏の煮え切らない態度とドイツの攻撃的な態度を考え合わせると、これは戦争になる確率は高いと想定するしかなくなって、そこから戦車の性能アップが来て(ノモンハンでやってみて、ダメな部分がはっきりしたこともあって)、生産ラインに対応可能な型を見極めてT-34の大量生産に決定。

ドイツ軍が攻撃を開始した時にも工場は動いていて、ドイツ軍がモスクワに近づいた頃には既にウクライナからウラルへ工場の疎開が開始され、戦車生産が中断されたのは実に1カ月弱だった(確か3週間)と言われている。結果的には、こうやって生産ラインを途切らせることなく動かせるプランニングと実行こそ勝利の鍵だったと言えるであろう。

などと考えると、やっぱりこう、未知の事態に対応しようという構えが身に染みてる人たちなんだろう、などと思える。そして、生産こそ力、生産こそ生存のための力ってマジで思ってても不思議はない。

 

それに対して、ヨーロッパとかアメリカの現在のなんだかとっ散らかった様子というのは、要するに彼らは防衛をしたことがないからこうなんだ、と考えてみるとすっきりする気がする。

つまり、自分が仕掛けない限り事件は起きないというのが前提されてる。


 


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 邪悪:テロリストを飼いつつ... | トップ | ロシアのチーム、イタリアの... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ローレライ)
2020-03-26 11:35:35
防護服禁止指令の日本厚生省と対照的なプーチンの防護服病院回診。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事