シリア情勢というか、シリア、クルド情勢というか北中東情勢というかは、いやなんてか断固たる国軍を擁する要するロシアの面目躍如みたいなことになっている。
前に書いたのがこれ。
シリア情勢は基本的にシリア国の国軍がロシア、イラン、ヒズボラの支援を受けて国土の大部分を奪還したのだが、その最終局面で、シリア政府軍にユーフラテス川を超えさせたくないアメリカは、シリア政府軍の渡河を妨害し、それのみならず、昨日は、アメリカを後ろ盾とする側がロシア兵を捕え、ロシア側がかなり本格的に反撃するという出来事が起こった。
シリア情勢アップデート&反SCO
その後、ロシア国防省は、デリゾールの北にある陣地を撮影した衛星写真を公表。アメリカ軍の特殊部隊が使う装甲車などがあり、これは要するにアメリカ軍特殊部隊とISの関係を示す動かぬ証拠とロシアは主張した。
🔴 BREAKING !! - Russia PRESENTS Satellite PROOF of USA Troops COLLABORATING with ISIS (ENG+RUS)
主張したっつーか、米の中央軍はISと共に戦って、ロシア+シリアの動向を阻止してばっかり、というのは去年からみんな知ってる話なので特に驚きではない。
また、そもそもオバマがシリアに参入するか否かの時から、オバマたちが主張している武装集団の主要な構成ユニットにはアルカイダ(アルヌスラ)がいると騒がれていた話。だから、それを恥じずに終わったというところが、考えようによっては新しい。
さてその次。
これに対する腹いせなのか、それとも偶然なのか、アメの傭兵がシリアで活動中のロシア軍中将と大佐を砲撃して死なせる事件が発生。
ロシアのセルゲイ・リャブコフ副外務大臣はアメリカの二枚舌作戦に責任がある、発表。
まぁ中には、アメが直接手を下したに等しいと言う人までいるらしい。
敵軍の3星ゼネラルを殺害したんだから、アメは喜んだりしてな、とか思ったがさすがに言い出せない様子。
とか思っていたら、1日空けた今日は、ロシアの長距離戦略爆撃機Tu-95が、イドリブとデリゾールのISの施設を爆撃したというニュース。ロシア南部のエンゲリス空軍基地から発進して、イラン、イラク上空を通過したそうだ。
Russian long-range bombers target ISIS positions in Idlib & Deir ez-Zor in Syria – MoD (VIDEO)
https://www.rt.com/news/404651-russian-bombers-isis-syria/
これはつまり、その、問題のアメリカ特殊部隊が作っていた施設なんだろうか?
TASSに出てたコナシェンコフ広報担当官の話ぶりでははっきりはわからないが、それっぽく聞こえないこともない。我々が攻撃したのはテロリストの施設である、と来られた、それを支援していた側は、いや俺の資産でして、とは言えないしね。
http://tass.com/defense/967564
いずれにしても、核弾頭積める戦略爆撃機出してきて破壊したことには、当該の破壊以上の意味もあるでしょう。実際そういうクラスの巡航ミサイル攻撃であった片鱗がこの動画でもわかる。傭兵使ってコソコソやってる軍にはできない仕事なわけですよ。やりたくても。
Нанесение авиаударов Ту-95МС крылатыми ракетами ХА-101 по объектам ИГИЛ в Сирии
ということで、シリアをISを使って分割する案は失敗、クルドを使ってシリア側からも削ろうという案もどうやら失敗。さらに、Tu-95による爆破によって、シリアからイラクにかけての秘密部隊の活動にも大きな制限がかかると考えるべきでしょう。どうする、アメ! つか、いつまでそんな隠れた行動をしておるのだ、ってところなんだけど、イスラエル&サウジが収まらない限り終わりはないとも言えそう。
いいえ、精密で十分。破壊力があるから。だから怖い。