思い出すだに一体あれは何だったのだろうかと唖然とするような、ネオコン仕立ての強制人道支援の騒ぎ。
ヤのつく人たちが玄関口に立って、俺の支援を受け取れ、ごらーとやったら普通玄関を開けないでしょ(笑)。まさにそういう感じだった。
どうしてそんなことをするのだろうと、今日になってみればそうとしか思えないでしょ?でも渦中にいると、受け取らない方が悪いような気にさせられるムードが出来ていた(私やあなたはそうではなかったとしても)。
西側による支配の最大のツールはメディアの操作術だと改めて思う。これにひっかかってはいけない。
そんな中、問題のベネズエラ国営石油会社(PDVSA)は、欧州本社をポルトガルのリスボンから、ロシアのモスクワへ移転する。
Venezuela to move state oil firm PDVSA office from Lisbon to Moscow
ベネズエラの副大統領が、モスクワでラブロフ外相と一緒に会見をしていた。いわく、ガスプロムとロスネフチとの技術協力の拡大を計画する中で行われたもので、現時点がそうするには最適と判断したとのこと。
また、副大統領はヨーロッパはもはやベネズエラ資産の安全を保護できないと判断したと明言。
そりゃまぁそうでしょう。
ベネズエラ:ほとんど海賊にあったようなもの
米国内のベネズエラ資産、最低でも7000億円分ぐらいが一方的に米国政府に差し押さえられ、それのみならず、ベネズエラ人の中でもそんなに有名じゃないグアイドというあんちゃんを大統領としてアメリカ+西側諸国(日本を含む)+中南米諸国の多くが認め、その人にこの資産を使う権利をあげちゃうというびっくりな判断を米国政府がした。
今考えても、ありえんだろう、こんなのとしか思えない。詐欺でしょう、こんなの。
そして、その差し押さえ資産を使って、グアイドがベネズエラ一般人に施しをして、マドゥロ支持をはがそうとしているんだろうと思うが、施しした? ひょっとしてただの持ち逃げ?
その上、ベネズエラがイギリスに預けてあったゴールドを英中央銀行は返さない。
ということで、マドゥロ大統領率いるところの正統ベネズエラが、米の手が伸びる範囲内に資産を置くことは危険なので、伸ばせないところに拠点を持とう、お金のやり取りをしようというのは当然すぎるほど当然。
これは先ごろの、ドイツのシーメンスがサンクトペテルブルクに100%ロシア企業を合弁で作って、そこで事業をしようというのと発想は一緒ですね。米がかけてくる制裁を回避するには届かないところに置くしかもうない。
豪の石炭を拒む中、露に留まるシーメンス
ベネズエラ原油の上位の顧客は、米国、中国、インドなので、中印の分は今でも問題なく支払われているだろうけど、決済を西側システムに依存する比率を劇的に低下させることが、盗まれないためには重要。
前は資本主義vs.社会主義でしたが、現在は新自由資本主義的共産主義(富める権力者層に統べられる貧困層)vs.民主主義(民衆が等しく権利を有して指導者を選出する正統な政府を持つ)の対立に見えます。
中国だけは、内部分裂で弱体化したくない総意があって、現体制が支持されているようです。
分権を進めたらユーゴスラビアの二の舞になるのが怖いのでしょう。アメリカ、ロシアと対抗し続けなければ存在できないのかも知れません。
前の冷戦より可視化された気がします。複雑怪奇に見えた時代より理解し易くなった、そんな気がします。
多分登場順序が入れ違いになっていることでそれぞれが意味不明な事象になっていて、シナリオ上の「人道支援」はここでないタイミングのところに投入されている。だから、唐突感が否めないし、持ってこられた方も「ハア?」となる。しかし「人道支援」することが仕事の人たちは何がなんでも受け取らせないといけないので(それが仕事だから)ゴルァとなる。
全部のコマが出尽くしたところで後から再構築すると奴等が本当は何をやりたかったのかがわかるような気もします。当然そのときには筋書きの予定は完全失敗して完了形ですけど。
クリントン辺りが各サブプロジェクトを走らせていて、その組み立てのストーリーを握っていたのでしょうが、トランプは知っていてわざとなのか本当に知らないでなのかはわかりませんが、その複数の部品がけっして機能しないように入念に進捗をずらしてマッドテープみたいな展開を見せてくれています。部品が届くどころか部品を作り始める前に仕上げのヤスリがけに着手させる感じです。