DEEPLY JAPAN

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罠にはまったどころではないと思うのだが

2020-12-29 17:52:21 | アジア情勢複雑怪奇
コロナ騒ぎのダメージがどこまで行くのか不確かだというだけで十分に大問題なのだが、それ以上に、「カーボンニュートラル」を表明してる日本政府というのは、一体誰のための政府なのだろうかと唖然としている。


今日、イケノブさんが、菅政権は罠にはまった云々と書いているけど、菅政権だけではなくて結局この15年かそこらずっとそうでしょう。




で、最後には、日本の強みである自動車産業を破壊しようというところまで来ているのに、たいした大騒ぎにならない。

それどころか、上の池田さんの下の元tweetがそうであるように、EUはすごいですね、みたいな発想をしている人までいる。

EUが勝ったんじゃなくて、金融屋が勝ってるだけなのだが・・・とは思わないんでしょうね。多分。


宗純さんの昨日のエントリーによれば、毎日新聞の山田孝男氏の記事が、舞台裏として基金の目の届きにくさを利用して産業界に「迷惑料」を払おうという算段であろうと書いているらしい。

菅義偉首相の所信表明演説(今年10月)の目玉が2050年カーボンニュートラルで2兆円基金。しかし、基金は使途不明金の温床で国会の目が届かない。自動車、鉄鋼など製造業界が「50年実質ゼロ」政策に反対しているのは周知の事実である。 


いやしかし、基金で目先の金を払ったところで、自動車産業がエンジン車からEV車へ、などというトレンドに抵抗できなかったら日本の基幹産業が競争力を失うという点では同じではなかろうか。


マジで、自殺願望があるとしか思えないようなことを平気で言ってるのが日本の政界であり、メディア。

そもそも、天文学的な金をつっこんで地球の平均気温を2度下げることに一体どんな意味があるのだろう?

「2050年CO2排出ゼロ」は無意味な目標である

そう、そもそも意味がない。

じゃあ、この騒ぎは何だったのかといえば、どこで見たのか忘れたけど、「ヨーロッパは政治的武器が欲しかったのだろう」と書いていたブロガーがいたけど(日本じゃない)、まさにそれだったと言っていいんじゃなかろか。

なんであれ規則を作ったら、それを破った者を罰することができる、というただそれだけ。

言ってみれば、人権だの公平だのというトークで攻撃すべき他国に難癖をつけて相手を弱らせていく手法と似てるね。

その一方で、自分たちはイラク人100万人殺そうが、ウクライナやらグルジアに生化学兵器の研究所を作ってロシアを脅そうが、リビアでゴールドを盗もうが、まったく無問題(笑)。

■ 戦略の問題

今後どう戦えるのかわかりませんが、ここまでを考えてみるに、日本の敗北の原因は、戦略的にものを考えられなかったことに尽きると思うな。

つまり、EUというかドイツユダヤというか、そこらへんの人たちの策略なんだとある程度見極めて、それとどう戦うかを考えることが望ましかったが、現実には、EU諸国はG7で、先進国だから俺たちは一緒です、といった考えを優先してる。し続けた。

温暖化は詐欺なんだといくら証明したって、彼らがそんなものに聞く耳を持つことはない、イラクがいくら大量破壊兵器を持っていないと言ったって攻める気になったthe Westは攻めてくるというのと一緒だ、という見極めができなかった。


もし誰かが、温暖化といいますが、それは地球環境、宇宙環境の要因で起こるものと考えられるわけで、そこに人為的なものがどれほど関わっているか、わたくしは甚だ疑問であります、

などと言おうものなら白い目で見られるどころか、有名人だった場合にはマジで糾弾されたり、ポジションを失ったりするんだろうと思われる、この状況がそもそも異常だと気付かないといけないと思うわけですよ。


そういえば、そんなことを時々言う人が太平洋の向こうにいたわけだけど、すっかり変人扱いされて、大統領職も怪しい状態となった。

北の大国にもいて、2019年末の何かの会議で、

グローバルな気候変動の始まりは誰もわからない

Nobody knows the origins of global climate change

などといったとして、ドイツのDWに、プーチンが人為的な気候変動に疑問を呈してる、トランプと一緒だ!!と批判を記事を書かれるという事態になっていたこともある。

Dec 19, 2019
Russia's Vladimir Putin doubts man-made climate change, backs Trump
https://www.dw.com/en/russias-vladimir-putin-doubts-man-made-climate-change-backs-trump/a-51736903

つまり、人為的温暖化説に疑問を投げかけることはそれだけで記事になるほどだ、っていう証明ですね。異常なんです。


プーチンが言ったとDWが英語で書いたことを抜き書きしてみると、

私たちの地球の歴史には、温かい時期も寒い時期もあって、それは宇宙内のプロセスに依存している可能性があると私たちは知ってます。地球の自転や太陽の周りをまわる公転軌道にほんの少しでも変化があれが、それだけで地球は深刻な気候変動にみまわれる可能性があります

We know that in the history of our Earth there have been periods of warming and cooling and it could depend on processes in the universe, Putin said. "A small angle in the axis in the rotation of the Earth or its orbit around the Sun could push the planet into serious climate changes."


普通に常識的なことを言っている気がするのだが、これでダメなのが現状。いや、正確には、ロシア国内ではダメではないが、ドイツ他の世界ではダメな状況、ですね。

(ロシアは原子力砕氷船を持つ唯一の国なわけだけど、それを増やして北極海航路をオールシーズン使えるようにしようとしている。何か月か前、砕氷船の製造者の人が、温暖化すると今ごろは北極海の氷が解けると言われてましたけど、解けてないので、待ってられないので砕氷船を作ってます、とか言ってた(笑)。)


ということなので、日本がこの罠を出るためには、トランプ頑張れ、プーチン、石油・天然ガス購入増やすからこっちに付いて、ぐらいしないとダメだったでしょう。

ところが折からの、これまた意味のない地政学イベントの連続によって、すっかり冷戦構造メンタリティーがよみがえり、結果的には、軍事費だけがバカみたいに増え、国産ミサイルを作る、わ~強い日本だ!みたいなムードで引っ張られていく方向しか見えないのが現状。

とはいえ、じゃあEUは勝ちなのかというとそうでもないでしょう。Brexitは非常に大きなイベント。また、ロシアがドイツに対して厳しいことを言い出しているように、欧州系が勝手に自分たちは高いところにいると思ってルールを押し付けてくるやり方は今後ますます通用しなくなる。域内の各国も調和してない。

ということで、グリーンニューディールとコロナによる「リセット」をあわせて、現代のマーシャルプランとしたいらしい勢力の夢が好ましい方に実現するか否かはかなり怪しいというのが現状ではなかろうか。

リソースのない大陸ヨーロッパが仕掛けたというのがカギじゃなかろうか。そして、どちらに転んでもリソースのあるロシアが様子見しつつ反抗し、どちらかといえば石油ビジネス系のアメリカが(残念なほど頭が悪いので)散発的に反抗していると見るといいのでは?


日本は、ハイブリッド車で留まろう運動をしてたらしいと思うな。国民的に人気のあるものを捨てろと言えばコストがかかりすぎるとなるレベルまで、ガソリン車にしがみついておく。

そもそも、電源の手当がついていない状態で、EV車で世界が変わりますぅとか言われても現実味はない。

自工会 豊田会長が全面EV移行に懸念 小泉環境大臣「脱炭素への考えは同じ」(2020年12月18日)  

参考:


■ オマケ

地政学バカの右派と自分の気持ちにしか関心のないリベラルをのけて、理性派みたいなのを立てないと日本の将来は暗すぎる。



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4 コメント

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Unknown ()
2020-12-31 21:28:00
温暖化かどうかは知らないが二酸化炭素は関係ない事は確か。
だったら恐竜時代は気温100℃とかなのか?
という話。
返信する
Unknown (蔵権)
2020-12-30 01:03:23
排ガス規制が強化されて、花粉症アレルギーが完治した経験があるので京都議定書はとても良い取り組みだと思ってました。排ガスが混ざってるのがアレルギーの原因になってたみたいです。1990年代あたりまではまだあちこちで光化学スモッグ注意報が出てましたけど最近は東京都心部でも空気が澄んでますよね。

カーボンニュートラルが日本の産業会にとって致命的な悪影響を及ぼす可能性はあるでしょうけど、これまでの所は大多数の国民にそれ程悪いようになってはないのでは?
返信する
Unknown (にゃんこ)
2020-12-29 21:36:14
今後、ミニ氷河期になるという人たちもいますし。
EV移行なんて怖いですね。

温暖化とか、二酸化炭素とかいうなら、森林を増やせばよいと思います。日本の森林は半分が針葉樹の人工林で、手入れもされず、砂漠化が進んでいるようですから、国家的事業として、落葉広葉樹の森林に替えていったらどうかと思う。獣たちも豊かな森が復活すれば、食料に困らず、自然の生態系に戻っていけるのに。森が豊かになれば、海も豊かになるし、水も素晴らしくなる。
もう、根本的に考えを変えていかなければ、日本は滅びる。
日本人は、ロシアの底力も、中国の辛抱強さも知らず、アメリカ様が守ってくれると信じている。GDPで測れないロシアの経済を馬鹿にしているし。もうどうしようもないです。
政治家もダメ、天皇家もダメ、次の天皇になるかもという人が、憲法で自分の権利を主張するのですから、呆れ果てる。憲法の基本的な事も全然理解していないなんて信じられない。窘める人もいない。
返信する
日本が電気自動車で惨敗する予想 (インドールかおる)
2020-12-29 20:22:35
スマホ、EV 車、人工知能で日本惨敗・中国台頭
矢吹 晋(21 世紀中国総研ディレクター)
https://bit.ly/305dYGA

を見て愕然としましたが半導体で50%のシェアを持っていた日本は2017年には7%に激減していたのですね


”バブル経済が破綻したとき、次の戦略部門として投資を維持し、発展させることを断念し、各社はいわゆる中央研究所を真っ先につぶす合理化に取り組んだ。その帰結が今日の事態である”

”2017 年はリチウムイオン電池の用途の面で革命が起こった年である。この年初めて、車載用リチウムイオン電池の用途がスマホやその他の電子機器の用途を上回った。この事実は、EV 車への本格シフトがスタートしたことを意味する。しかしながら、ここでも日本勢はきわめて厳しい立場に置かれている。”

”EV 車時代になると、車造りの技術は核心部分が、いわば心臓手術のように一変する。エンジンがモーターに代わり、ガソリンが電池に代わる。これまで培ってきたモノ造り技術は一夜にして陳腐化して、「誰でもクルマを作れる」時代になる。”

「日本の技術はすごい」とかつては言っていたのに、うすら寒い状況を寂しく感じます。
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