アレッポからは2日間で5万人ほどの住民が出てきたそうで、続々と解放が進んでいるよう。
そこで、ロシア軍広報のコナシェンコフ少将の今日の発言。
米国、英国、フランス、カナダ、欧州連合およびその他の国際組織の代表者のみなさん。過去2日間で5万近くの民間人が、ロシア調停センターの手によってアレッポ東部から避難しました。彼らはあなたがたが約束した人道支援を必要としています。今こそあなたがたの心づもりが本当であることを確かめる時です。
https://www.rt.com/news/369869-syria-evacuation-civilians-aleppo/
人道支援が必要だと騒ぐわけですが、彼らはパンのひとかけらも支援していません、ってのも前にあった。このおじさんはいつも冷静で真面目で、しかし結構ひょうきんでいい味出してるが、熱くなるポイントがとても人間的。
しかし、彼らは支援などしないでしょう。
それどころか、ISは再度パルミラに進入して、現在大慌てでシリア軍が戦ってる模様。
Syrian Army Engages in Fierce Fight With Daesh Near Liberated Palmyra
https://sputniknews.com/middleeast/201612101048408868-syria-army-palmyra-daesh/
つまり、アレッポを落としてもシリアを平和になんかするわけないじゃん、って意図でしょうね。
モスルで米軍がぐじゃぐじゃやって、アレッポが落ちそうだから、今度はパルミラで一つ戦線を作るって話だと愚考。
多分、時間潰ししながら、イドリブ(現在のアレッポの西側の、シリアのトルコ寄りのところ)にアルカイダその他の、西側の重要な資産(同盟者)をためて、これからどうするのか作戦会議中?
シリア&ロシアとしては、アレッポを確保して、次はイドリブを解放しようとしているんだと思うけど、そうはさせじとあちこちで火をつけて回るバカ野郎が出没するんでしょうが、これは単体の反政府の人というより、米 or NATO支援の傭兵、古いジハード組みたいな人たちなんじゃないのかな。だって、地元組織ではもはやこんなことをする意味がないから。
US/NATOは止めてないんだから、まあどんな悪魔やねん、って感じ。もはや米軍とIS、アルカイダはまったくの同盟になっている模様で、まぁもう驚きはしないけど、あんたら一体それでどうするんですかと言いたい。アルカイダと進む21世紀プランをどうもなかなか捨てられないらしい。
いやぁ、しかし、シリア軍はイラク軍より断然強かったという印象。ロシア、イランが参入する前によくぞ持ちこたえたし、その後装備をロシアが修理したり援助したりしたことはとても大きいけど、それにしても軍そのものに根性があった。反応もいいし、暴発して作戦が大崩れになるとかいうケースもなかったんじゃないかと思う。
■ トゥルシーさん、またまたCNNに登場
一方、アメでは、シリアの戦争は違法であると断言している民主党のトゥルシー・ガバード下院議員がまたCNNに出て、今度は、CIAが直接テロリストグループを支援していると断言していた。
Congresswoman Tulsi Gabbard Says The U.S. Government Is Directly Funding ISIS And Al Qaeda!
ここで書いた、トランプ政権でなんらかの役職を受けるのではないかと噂されている人。民主党だというので話題になってるけど、それどころではない人。
トゥルシーさんまで来た
で、今回は、縷々のべた後、キャスターとこんなやり取りをしていた。
キャスター あなたは、米国政府がテロリストグループに資金提供していると示唆しているのですか?
トゥルシー 私はただ示唆しているのではありません。これは、これは私たちが生きている現実なんです。
キャスター 直接じゃないでしょ?
トゥルシー アメリカ人の大半は、私やあなたがもしアルカイダやISのようなテロリストグループにお金をわたすとか、武器を渡す、なんらかのサポートをすれば、直ちに刑務所行きです。しかしながら、米国政府はCIAを通して、直接に、それらのグループと、それらアルカイダやISと一緒に活動している、そしてその支部であるグループにお金、武器、インテリジェンス支援、その他のサポートをしているのです。
と、きっぱりと言い切った!
あははは。って別にニュースでもないんだけど、でも、一応主要メディアではまだニュースだよね?
とはいえ、CNNは前にもこんな話をさしてるし、その他にも退役軍人、退役のインテリジェンス関係者が、シリアがらみ、場合によってはウクライナも含めて米政府の行動を批判しまくる人が登場するということはこれまでにもあったので、それはそれなりに、記憶力というものが機能として備わっているアメリカ人にとっては、米政府はマズイ状態にあるというのはもはや全くニュースではない。
■ オマケ
というわけで妄想するに、追い詰められている勢力の中心にあるのはCIAって感じになるのかな、など思ってみる。
で、これがここ15年の話だけじゃなくて、おそらく戦後世界における様々な出来事の開示になっていくのではなかろうか。いや、開示じゃなくて、オープン化みたいな感じが現実でしょうね。というのは様々な開示文書は既にいろいろあるわけですよ。しかし、メインストリーム的なジャーナリストとかアカデミアがそれを読み込んでいかない現状があるわけですよね。知ってる人だけが、本当はこうだけど、みたいな感じで知ってる。
冷戦期、米国諜報機関は1000人ものナチをスパイとして使っていた
みたいな話とか。
となると、1917年から100年目の話とつなげると、過去100年分の整理に繋がる、ということじゃないかと想像する。
そう。ジャーナリズムとアカデミアが知識普及、知識更新のブレーキになっているのが現状。そしてこれらの人々が、意味不明な、私たちはリベラルなのよ的な態度で政治的是正表現どころか、政治的是正知識みたいなのを布教して、それ以外を異端視している。
それは例えば、冒頭のロシア軍の活動がいい例でしょう。この「政治的是正知識」の信奉者群としては、彼らの活動を是認できないわけでしょ。シリア人が喜んでいたとしても。
宮台さんなんか、ロシアがシリア政府の要請を受けて軍事行動を起こした時、ロシアの活動には公共性がない、と言いましたからね。アルカイダと進む21世紀にどんな公共性があるんでしょう?
反対に、意味不明な嘘ばっかりついてはISを創設し、アルカイダを庇いまくるオバマとか、口ではいろいろリベラルアジェンダを語るが、実際には、バルバロッサ作戦をやってるに等しいドイツ軍を率いるメルケルは、なぜだか正しい人らしいわけね。バルバロッサ作戦ってナチスドイツのソビエト侵攻作戦の名前ですよ。
ということで、政治的是正知識の信奉者の抵抗を見つつも、新しい知識が広がっていくという恰好になっていくんじゃないかと想像。少なくとも中期的には。
金価格は6倍になる いますぐ金を買いなさい | |
ジェームズ・リカーズ,藤井 清美 | |
朝日新聞出版 |
中央銀行は持ちこたえられるか ──忍び寄る「経済敗戦」の足音 (集英社新書) | |
河村 小百合 | |
集英社 |
そうやって右と左を両方コントロールして来たわけですよね。やり過ぎたんだと思います。
トゥルシーさんは、ハワイ選出でサモアだったかどこだったかなんせ太平洋の島にオリジンがある、要するに白人さんの系統とのダブル(またはハーフ?)の人だと思われます。多分、日本人には非常に馴染む顔だちではなかろうか。
で、この人は軍歴ありの人で民主党でハワイでも本土でも人気あるし、ってんでおそらくメディアはそう簡単に叩かないと思います。