櫻井ジャーナルさんが、ここ数年のアメリカの破壊的な動きを手短に3本の記事にまとめてらした。一気に読めるように並べてリンクさせていただきます。
出来事をしっかり追ってらっしゃるので、特にその3あたりのウクライナのケースはたびたび今後引用させてもらおう、など思いました。
皆さん、櫻井さんをよろしく! と私が言うのもなんですが、支えていかないとこういうちゃんとしたものを読めなくなるのでサポートしましょう。
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その1:投票操作)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801260001/
アメリカでは2000年の大統領選挙で投票操作が指摘されている。例えば、勝利者を最終的に決めたフロリダ州での投票では怪しげなブラック・リストの存在や正体不明の「選挙監視員」による投票妨害があった。有権者に関する怪しげなブラックリストが作られ、正体不明の「選挙監視員」が徘徊、投票を妨害する行為があった。(後略)
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その2:シリア侵略)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270000/
2011年3月からアメリカ、イスラエル、サウジアラビアぼ三国同盟を中心とする勢力がシリアへの侵略戦争を始めたことは本ブログで何度も指摘してきた。2003年3月のイラク、2011年2月のリビアに続く侵略で、サラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とする傭兵部隊がその先陣を切った。そうした傭兵の登録リストがアル・カイダだということも本ブログでは繰り返し書いてきた。(後略)
破滅への道から抜け出せないアメリカとその巻き添えになる世界の悲劇(その3:核戦争の危機)
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201801270001/
2014年2月22日にウクライナではビクトル・ヤヌコビッチ大統領がクーデターで排除されている。このクーデターが始動したのは2013年11月。ウクライナのオレグ・ツァロフ議員が議会で行った演説によると、クーデター計画は11月14日と15日に話し合われ、NGOがその手先として動くことになっていたという。(後略)
■ 上流言論スフィアへの抵抗
で、ですね、昨今の様子を見るに、言論スフィアがどう変化していくかというのが結構重要な問題だと思うわけです。マスメディアの崩壊といってもいいけど、まぁ要するに主流の言論をどう取り扱うかという話。
「主流言論」というのは、アカデミアとジャーナリズムを指すんだと思うわけです、主に。そして、これらは本来は個々の学者なり記者なりが、取材して、考えて、まとめて発表するもの。そこには出来損ないもあれば、素晴らしいものもあるし、様々に視点が異なるものもある。それらを見ながら、聞きながら、説得させながら、一般人は政治、経済を学び、考え、意思表示としての投票行動を行うというのが近代の民主主義の建付け。
が、しかし、これは本当なのかというと大分本当ではないようだ、そうとしか思えない。
「主流言論」、あるいは、上から流れてくるという意味をあからさまにいうのなら「上流言論」とでもいうそれは、そのようにしてはできていないと私は思う。
例えば、上流言論スフィアのジャーナリズムは、2014年2月22日に、ウクライナでクーデターが起こり、そのクーデターは直近でも何カ月も前から、間接的な舞台装置としては十年以上、萌芽というのなら第二次世界大戦以前にさかのぼるようなタイムフレームで起こっているなどとは書かない。
最低でもクーデター部分を書くことは事態の推移を見守った人にならなんら難しいことではなかったにもかかわらず、これら上流言論スフィアでは、それは盛大に無視される。
しかし、よくよく見ていれば、例えば2014年までは、実のところ上流言論スフィアでも、隠し立てできていなかった。
例えばこのあたり。これは2014年夏の話。
ウクライナ危機は西側の過失 by ジョン・ミアシャイマー
が、今では、ウクライナの危機とは、ロシアが侵略したために起こったものだとかほんとに平気で書くのが上流言論スフィア。
このスフィアは、どう考えても事実ベースでものごとを考えるようなスフィアではない。むしろ、特殊な業界だと思った方がいい。
その構成の仕方は、多分、例えば、チャタムハウス(イギリスの王立シンクタンク)やらCFRやらといった上流の上流のスフィアで討議されたものが、アジェンダとして下に流れ、下は、上に食らいつくためには「忖度」するという建付けなのだろうと思う。
なにもすべての要路がCIAに抑えられていると考える必要はない(笑)。忖度して上に従う行動様式が確立してしまえば、あとは自動的に従う人は出てくる。
(どれだけ立派な肩書の人であろうと、2014年2月にウクライナでクーデターがあったことを前提にできない人の言論は、ああ、あんたもひも付きなんだなと思って読むしかない、または、読む価値がない)
で、こうやってできている西側世界を支える重要な装置としての上流言論スフィアは、しかし、現在結構な危機が訪れていると言っていいんだろうと思う。というのは、上流スフィアは糞だということが下々にばれたからだし、下流スフィアの住民も、中世じゃないので字も読めりゃ文も書けたからだ。それどころか、上流スフィアに住んではいたものの、これはアカンと抜け出す人も出てくるし、そうでない業界から参入してくる人もいる。その中には良質な調査ジャーナリズムや論考もある。出版社という上流業者の防波堤も不要なブログスフィアも存在する。
多分、そこらの良質なものが中流スフィアを形成して、そこにある程度の影響力(つまり言論の力)が蓄えられるといいな、など思う。というか、そうやって世の中は変わっていくんじゃないですかね。それしか、ないでしょ、だって。
しかし、ほおっておくと、上流スフィアのAがダメなら、Bで行く、といった偽の中流スフィア形成作戦に巻き込まれる可能性もある。このへんは要注意だわ、とか思ってる今日この頃。
それにしても、西側っつー界隈の作りは知れば知るほど、宗教くさい。