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理性を失ってるらしい昨今のエピソード3題

2018-01-27 14:38:40 | アジア情勢複雑怪奇

松本文明という安倍政権の閣僚が、共産党の志位さんが沖縄県で連続しておきている米軍ヘリのトラブルについて話している時に、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。

で、結果的には辞表を提出して副大臣の職を辞することになったんだそうだが、こういうのを、首相の側から首にしない、ってのがなんてか、この政権のいい加減さだわな、とも思った。別にたいしたことじゃない、でも、沖縄での評判を考えてやめてもらおう、みたいな。

 松本文明副内閣相は26日、沖縄県で相次ぐ米軍ヘリを巡るトラブルに関し、国会で「それで何人が死んだんだ」とヤジを飛ばした責任を取り、安倍晋三首相に辞表を提出した。首相は受理した。

https://mainichi.jp/articles/20180127/k00/00m/010/090000c?platform=hootsuite

 

一方、草津白根山では小噴火から数日たって、山頂付近を除きスキー場を再開した。それに対して、火山学者の早川先生が猛烈にtweetで抗議している。

趣旨は何かというと、

  • 気象庁が出す情報をもとに報道があいまいな噴火場所を示している(鏡池から多少離れたところが噴火場所なのに、鏡池を起点に丸を書いたりしている)
  • そこから2キロの円を書いて、それの外だから青葉山ゲレンデの営業を再開した
  • しかし、そこは距離がギリギリだというのも問題だが、それと同じぐらい地形的に頂上下の谷地形なのでもし頂上付近で再度噴火したら火砕流等が障害なく流れ来る場所だ
  • だから青葉山ゲレンデは外せ、それより下の天狗山ゲレンデは安全だと言っていい

というものだと理解する。

 

私もこのスキー場いったことあるけど、要するに「上の方」に行かないで、下の緩斜面で我慢しろ、といった話と考えれば、なんてことない話なのになぁとか思う。こういうのって、下は晴れてるが上は吹雪いている、といった場合にしばしばあることだし、どのスキー場でもある。別にそんなに珍しい判断でもないと思うが、大人のお客さんは多少距離のある上から滑らなければつまらないので緩斜面だけじゃ営業できない、ってな判断を営業&町サイドをしたってことかと想像する。

有名な草津温泉は、このスキー場よりさらに下で距離もあるので、温泉を楽しむ分には今回の噴火は問題ない、と私などは思う。草津より万座の方が頂上付近から近いのに誰も言及しないに等しいってのはどうなってるだろう、とか思ったりもする。私は万座に泊まって湯釜を見にいったことがある。ここらへん一体、なんというか、要するに火山にいるわけね、といった趣を味わえる場所(相応に危険があると思った方がいいとも言えると思ってたし今も思ってるが)。

 

と、そんな中、イギリスでは今朝のDaily Telegraphの一面が話題。

ロシアは、我々を何十万単位で殺す用意がある

と、イギリスの国防大臣が発言したという記事。

でまぁ、これは国防大臣が予算獲得のためにわーわー言ってんだろうと、さすがにイギリス国民もそうは釣られていない感じ。むしろ、なんなんだこのルソフォビア(ロシア嫌い)のオンパレードはと、呆れている人々が増えることはあっても減ることはないってな感じじゃないですかね、イギリスは。

 

と、これら3つのエピソードはどこにも共通点などないようだが、しかし、私が思うにあると思うな。それは、reason、あるいはreasoningが欠落しているか軽視されているということ。

最初の「それで何人死んだんだ」は、多くの場合非道であるという道徳方面から批判されるだろうし、それももっともなんだが、見過ごせないのは、現状の度重なる事故からすれば、いつどこで多数の一般人を傷つける事故となっても不思議もないような事態でしょう。それがわからない人は、理性がないからわからない。事実と事実を組み合わせて将来起こり得る結果を推論する力がないから、起こり得る結果を恐怖できない

次の山の話も同様。こっちは科学者が苦情を申し述べているのでなおさらわかりやすい。地形や距離という事実をもとに判断すれば、現状はこうでも、将来起こり得る結果が推論でき、その結果は私たちが受け入れられないものだ(被害が出る)、だからここでそうならないよう判断すべきだ、という話を科学者はしているわけだが、受け入れてもらえない。なぜなら、事実ベースの推論よりも、こうであってほしい願いが優先されるから。

最後のイギリスの国防大臣は、多分一定の事実ベースで書いてはいるかもしれないんだが、自分にとって都合のいいところだけを見せて議論をしているケース。ロシアはイギリスのインフラを破壊できるというよりも、イギリスの大部分の国土を破壊することもできる。しかし、今までやったことはない。つまり、兵器や軍備の問題だけでは片づけられない関係が二国間には存在している。そこを無視して、悪質なプロパガンダの上にロシアのこれこれにマッチアップさせる軍備が必要だと騒いで予算を獲得し実践していけば、むしろ、ロシアの戦闘能力の高まりを呼び起こす可能性は高まるのだから、イギリスの安定は損なわれると考えられる。

また、北海油田が潤沢であるわけではない現在、北極海側に開けたロシアの天然ガスはイギリスにとって助けになることがあるかもしれない(実際最近イギリスは購入したこともある。近いんだもの)。そこを断つ決心をするというのは、むしろ国の安全保障にとってマイナスだろう。

 

どうしてこんなことになったのだろうと思うに、プロパガンダで結論先取りで話を整える習慣がつきすぎて、事実から推論する、結論が出たら検証してみる、みたいな地道な考え方が失われつつあるからなんじゃなかろうか、など考える。

 

■ オマケ

今日気が付いたもの3つを並べたけど、私は、地震・火山に関しては、そもそも理性的とは思えないと感じていたわけなのだなと数日前の記事を読み返して思う。

と、微妙に、大きいが破局的とまでは言わないような噴火が続いているということになるんでしょう。しかし、当たり前だが日本付近ではこれどまり、ってことはないわけでしょ? 

それはちょうど、日本付近ではマグニチュード8以上は起こらないものと想定して計算してました、とかいう話とかぶったりするんじゃないかと思ってみたりもする。

草津白根山の小規模噴火と暗黙の想定

 


  

 


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