今朝から新聞が「不要不急の外出は控えて」などと書き出した。
昨日、はだか祭をやっていた日本ちゃんなのに…。
1万人の男で熱気 伝統の「はだか祭り」 岡山
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200216/k10012287571000.html
率直にいって、見た瞬間吹き出しました。へ???みたいな。
さらには、日本中のマラソン大会もすごい熱の入れようで、マスクかけて走るってどうなのと唖然とした。
多分置かれた状況で最も合理的な行動は、スタート地点のような密集度の高いところではマスクをして、走っていってばらけたらマスク取る、みたいな感じか?
マラソンは、満員電車よりもマシかもしれないとは一応思う。
また、密閉空間において、濃厚に接触しまくって他人の汗とツバキを浴び放題になっても移動の自由がない裸祭りよりは大分マシだろうなどとも思う。
しかし、しばらくみんな群衆を作らないようにしましょう、といった体制を作った方がより合理的なのではないのか。
だがしかし、なんかこう、この時期のはだか祭りをさしたる議論もせずに行っちゃう事態を前にして私が思うのは、日本ってこういう集団なんだよな、というあたり。
基本的に多くの人は当局者だろうが識者だろうが、誰のいうこともきかない。当局の指示が罰を伴ったり、自分に不利だと思ったら率先して受け入れちゃうけど、そうでないなら理解しようなどとは露ほども思わない。
こういう感じ。
この描写は長いこと日本人が中国人をそうだとしてきたものなわけだけど、実はこっちも同じ、あるいは実は自分のことだった、といったところではなかろうか。
その中国の方は、コロナウィルスとの戦いを「人民の戦い」と規定してるから、全国の軍の医療関係者が続々と詰めかけて士気を高めてたりするので、到底、はだか祭りはできそうにない。
また、政府機構だけじゃなくて中国共産党という組織が各地にあるわけで、おそらくこの人たちが中心になっているのではないのか、と思ってみてるんだけど、戸別訪問して、熱ある奴出てこい、体調が悪いのに当局に報告してない奴は罰を受ける、みたいなことをあちこちでやっていた。
あと、どこかでは逆に、体調不良を当局に申し出たら少額だったけど金だす、ってのもあった。これはこれでその土地の人々の気持ちを知り抜いてるよなぁとか思って、ちょっと笑ったことがあった。
■ コロナ最新@中国
2月16日付で、
感染者が70,548
死者が1,770
退院した人が10,844
https://www.globaltimes.cn/content/1179834.shtml
ということなので、直って退院をしていく人の数が順調に伸びてる状況。
どんな治療法が効果があったのかまではわからないけど、一定の薬剤は有効であることを示唆するのに十分な数ではなかろうか。
他方、熱出した奴はいねーがーというナマハゲ作戦が人民に向けて決行される中、医療機関もいろんな工夫をしている。今日みたのは、新しいテストキットを南京大学が開発し、それを使えば15分で感染者を特定できると言っている。
China's Nankai University has announced a breakthrough in developing a novel coronavirus rapid test kit that can identify infection among suspected patients within 15 minutes.
こんな感じのは前にもあったので、精度が良くなってきているということなんだろうと解釈する。
■ 専門家集団登場
ということで、各国様々ですね、と呑気に終わりたいところだけど、いやしかし、
日本で今日になって出てきたこういう人たちは、やっぱり裸踊りに驚いたんだろうか?
「不要不急の外出は控えて」 政府、感染拡大防ぐため
それでもやっぱり、私たちの多くは裸踊り的なんだろうなと思わせるのはここ。
「自分が感染したら人に感染させるかもしれないし、広がるほど重症者が増える。なるべく自分が感染しない行動を」。会議の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は終了後の会見でこう強調し、テレワークの促進や時差出勤のほか、不要不急の外出を控えるといったことを挙げた。
「自分が感染したら人に感染させるかもしれないし、広がるほど重症者が増える。なるべく自分が感染しない行動を」と呼びかけないとわからない人が多分多数だということ。
自分の身を守りましょうだけでは済まない事態が感染症的事態。だがしかし、自分の行動が他者に影響し、集団的に危機を招来していまうからあなたも私も慎みましょう、という発想を裸踊り的国民に納得させるのは、そう簡単ではないと思うな。
多分、「俺は大丈夫だ」と来ると思う。
だからこそ、自分の身は自分で守りましょう、といったアプローチにはよく反応する。
■ 岐路
で、予見に基づく将来リスクに対処するというのは、それ自体身体的象徴を伴わないから理解できない人は多い。その上公衆全体のためを考えて、ときたらそのリスクが自分の身に振りかかる可能性はさらに低下するので、多くの人が納得する事態を作るのはさらに困難となる。
そこで、理性の勝った人たちがリーダーとなって率先してガイドしていくことが最も効率的であるということになる。
かなり戦争と似てる。目の前に敵が来たといって小さくて弱い蜂起のようなタイプを繰り返していくとこちらが磨滅する。そこで全体を見まわして攻撃の強弱、時期を構想しロジスティックスを整えることが有効になる。
この場合、前線に置かれてしまった人たちは自分たちにとっての危機を直ちに解消してもらえないことが多いので、中央の指令に疑惑をもったり、見捨てられたような気になったりする。この部分を納得させられるか、できる限り被害を小さくするにはどうしたらいいのかも中央指令の重要な役割。
といったことを考えた時、中国という、強い中央指令と地方に張り巡らされた巨大な地下茎みたいな組織を持った仕組みは、多くの場合いかにも自由の敵のようではあるわけだけど、普通に考えてこういう危機対応みたいなのには有利としか言えないでしょう。
実際、感染症の発生の9割以上は中国本土の一定地域に抑えられている。
■ 歴史の終わり派の敗北問題
で、別に中国共産党式統治があらゆる意味で優れている、といった話でもないとも思うわけ。各国には各国の歴史的経緯があって、だいたいの人間がOKだと思った秩序に留まるものだ、というだけの話なんだと思うのね。
つまり、これもまた、西側が売り込んだ西側的リベラル・デモクラシーという建付けでないものは死ねという馬鹿な方針へのアンチとなるんだろうなぁって思う。
今、ロシアがプーチン以降を見据えて憲法をどう変えたもんかを社会の中で議論してるけど、これはもう、もっけの幸い的な状況だよね。こうやってある程度落ち着いた中で国の建付けをみんなで理解しつつ、変えていけるって。もちろん、ロシアのことだからその建付けにはリーダー層が強い権限を必要とする場合を想定するのを忘れはしないでしょう。それもまた、国情であって、国体なわけよね。
で、そういう国体と、オランダみたいにいつだって狡い立ち回りをする、他国を攻撃するには熱心だが自分が狙われることを想定しないでも多分大丈夫みたいな国と同じ仕組みでいいわけはないわけ。
また、500万人ぐらいから1000万かそこらの、これまた西側社会の上澄みを食う狡い国々であるスカンジナビアと、10億人以上いる中国を同じ仕組みで仕切る必要はさらさらない。
ということで、そこで日本はどうなのかというのを真面目に考えないとならないわけだけど、そういうことに踏み出すよすががない。
その中にあっては、裸踊り的国民とリベラルデモクラシー万歳主義(あるいは理性当然派)という、日本を形作る大きなセクターが見えたのはよかったかもしれない。
■ オマケ
誤解を避けるために申し添えれば、私は別に裸踊り的な人を馬鹿にしているわけではないんです。また、このクラスターを教化すべきだ、とも思ってない。多分無理だというより、やることによるその副作用の方が大きいかもしれないとか思うわけ。
だから、現在のリベラルデモクラシー無謬主義は見直されるべきだという主張。
ところが日本政府は「2週間隔離した」(もう心配はない。安全だ)と19日から全員帰宅させる(日常生活に戻る)と発表したので、肝をつぶした。
安倍晋三首相は、完璧に勘違いしているのですよ。
日本は、ところが右翼も左翼も同じ、有識者で気が付いたものが誰もいない。
なんと唯一の例外がアスペルガー火山学者の早川由紀夫ただ一人とは驚くやら呆れるやら。
中学生でもわかる破滅が、見えていない。(あるいは見えているが諦めている)
3・11フクシマの未曾有の核事故から9年目。日本国はとうとう最後の局面に達したようです。
ご事情は私も理解しているつもりですし、私の判断も同じです。
ですが、日本は拙稿でも申し上げました通り、裸踊り系多数派社会なんだと思います。
そこに、悪意の邪宗(この場合は反共カルト)が入り込んでこの裸踊り系を味方につけた。これが安倍政権であろうと考えます。
従いまして、この局面を論理的、あるいは推論重視で切り抜けるのは大変だなぁと思っているわけです。