ポンペオが、ミュンヘンで開かれている安全保障会議で
The West is winning, and we're winning together.
西側は勝利しつつある、そして我々は共に勝利しつつあるのだ
と言ったそうで、一斉にこの「The West is winning」が見出しになってる。
'The West is winning': Pompeo touts US commitment to Western allies in face of criticism
なんかこう、総力戦演説来たーみたいな気がした。諦めない、変わらないってことですよね。
つい昨日、ハンガリーがどうなったかを書いたばかりでこれを聞くというのはなぁ、なんかこう奇妙なめぐり合わせだと思える。
1945年2月13日、ブタペストついに陥落
ポンペオはドイツのシュタインマイヤー大統領が何か言ったのに反論したという話だし、犯罪者年金組合みたいなNATOもまた馬鹿なことを言っているようだけど、もうはっきり言って詳細に調べる気にならない。
どうせだって、現実に基づかない妄想の中で何か言って、結論は、ロシアは敵だ~で終わりでしょ? 聞く意味がない。
ロシアと中国は着々と自分たちの広い領土の中に攪乱ユニットが入った時にどうするか、とか、テロリストまがいを送り込むNATOに繋がる人物を洗い出す作業により一層専念せねば、とか、そういう具体的なところで協力していけばいいだけ。
誠実に語る意思のない人たちといくら語ったって時間の無駄。
■ 壊せないんだろうなぁ
で、ハンガリー陥落のあたりで書いたように、1945年に終わった戦争の末期から、アメリカは多数の惨たらしい「コラボレーター」を自陣営に抱え込んだ。アメリカというか米と英(子分のカナダを含む)ですが。
で、それを束ねたものの上にCIAが乗っているわけですよ。
また、NATOは欧州内で不法行為を重ねていって戦後の秩序を作ったことは今日全然秘密じゃない。というか90年代前半には既に話が出てた。グラディオ作戦のこと。
ということは、西側の集団化がばらけてくるとどうなるのかというと、そういうのをそこかしこで白日の下に晒さなくちゃならなくなる。
■ 東西の反共集団
とりわけ問題なのは、腐ってるというより焦げ付いているような反共集団でしょう。
まず、欧州方面では、ウクライナにいた反ロシアというか反ボルシェビキを宣言しっぱなしにしていたウクライナ民族派が中心になってた、反ボルシェビキ各国ブロック(Anti-Bolshevik Bloc of Nations :ABN)。
wiki Anti-Bolshevik Bloc of Nations
ウクライナ危機で有名になったOUNが源流で、この集団が、東部戦線でソビエトが勝利して終わろうとも残った。そして、OUNからABNまで戦後もこれらを率いるのが、ステファン・バンデラの理論的な支えとなっていたヤロスラフ・ステツコ(Yaroslav Stetsko)。
この人は1986年まで生きてこの、反共運動というより、ボルシェビキ憎悪、ロシア憎悪といった方がいいような運動を続ける。この運動組織は、中欧、東欧の各国に万遍なく存在した。
もちろん資金があるからできる。CIAというよりMI6の下だったんじゃないかといわれている。
組織自体は1996年に解散したが、その後の成り行きを見ればウクライナにはバンデラ主義者のナチSS政権ができたわけだから、脈は生きていた。ついに、バンデラを顕彰する日まで出来た。
で、時期は遅れるが極東にもこのタイプのものがあるのはつとに有名。
1954年のAPACL(アジア人民反共連盟)。蒋介石、李承晩、笹川/児玉が創設メンバーで、本部は台湾。台湾、韓国、フィリピンは政府として支援していた、というそれですね。
ここに文鮮明が加わって、統一協会を介して日本にも大きな影響が及ぶ。
で、この組織が、1966年にWACL(世界反共連盟)になる。
そして、上で書いたステツコの反ボルシェビキ組織が協働を始める。
その上で、両者がCIAの統治の中に納まりよくなっていく、という説を唱える人もいる。その触媒になるのが、ジョン・シングローブ。
つまりこんな具合だろう、という図がネット上にあったりする。Thierry Meyssan というフランス人が2004年に書いた記事についてた。
https://www.voltairenet.org/article202294.html
青がウクライナの反ボルシェビキ、右の金色が極東の反共トリオ。下の茶色がWACLのシングローブ
で、シングローブといえば有名なエピソードは、カーター政権が在韓米軍削減を言い出した時に公然と反対して、統治機構的に問題視されて退役になった話。
さらに、退役後WACLのアメリカ支部を作り、そのユニットがイラン・コントラ事件関係者となる、と(笑えないほど)。
このあたりを書いたwikiの記述は最後以外は正確ではなかろうか。
WACLのアメリカ合衆国支部であるアメリカ合衆国世界自由評議会(USCWF)は、1981年ジョン・K・シングローブ大佐が設立。シングローブは国連軍及び米韓連合司令部にて参謀長を務めていたが、ジミー・カーター大統領による在韓米軍の削減方針を批判したため、1977年に解任された。その後1980年にはWACLに入り、USCWF設立に至った。
USCWFはイラン・コントラ事件でニカラグアのゲリラを支援して非難を浴びており[6]、1981年には名誉毀損防止同盟(ADL)の監視下に置かれ、「過激派や人種差別主義者、反ユダヤ主義者の溜まり場」になりつつあるとまで言わしめている[20][11]。
これを受け、USCWF及びWACLは1980年代、当該者の除名とADLから監視者の招聘を行う事となる[21]。その結果、ADLは「1981年以降、人種差別者及び反ユダヤ主義者がいなくなり、相当の進歩が見られるようになった事を確信する」との声明を出す[22]。
いやだって、「過激派」というか筋の悪い人たちを影から集めて作った組織なんだからそうなるし、シングローブが組織し直してそうでなくなったなんてことは殆どまったく考えられない。
だけど、1980年前後には、それを問題視できるアメリカだったんだな、とも言いたい。
今はもうできないでしょう。アルカイダだってISだってなんだっていい、ロシアやイランが苦しむのなら、と本気で言い出しちゃう組織になっているのが現在のアメリカ。
タガが外れるってほんと怖いのよ。
■ OSS→CIA創設メンバー
シングローブJohn K. Singlaubは、戦争中各地で工作をしていたOSSのメンバーで、そのままCIAの創設メンバーとなった人。
wikiに出ているものを見るだけでも、戦後秩序を作るための裏仕事にずーーーっと関わっていた人。
こういう人が在韓米軍削減を断固拒否するというのはそれなりのネットワークがあったればこそで、事実、反共チームと浅からぬ縁を持っていたってことなんでしょう。
こんなに重要な人なのに、イマイチまとまった評やら文書やらがあるようなないようなのは、多分、存命中だからではなかろうか。
1921年生まれなので、99歳。
最近存在が確認されたのは、つい先月、トランプ政権の最初の大統領補佐官マイケル・フリンにかけられた嫌疑を落とせと連邦検察官に手紙を書いたという話が出てきた時。
■ 自分で治せるのか
関連事項を脈絡なく書いたエントリーになっちゃったけど、現在のアメリカ(+属国)の問題というのは、これらOSSからダレス兄弟、ブッシュ父あたりの人たちが勝手に作った、民主主義も糞もない仕組みがまだあちこちで生きている、だが、このまま持っててどうするよ? ってことなんでしょう。このへんでも書いた通り。
ダレス兄弟体制以外思い浮かばない&孤立派
別の言い方をすれば、ソ連もアメリカもいない状態で、ナチスと大日本帝国は自分を治療できたのか、という問題とも言えましょう。
現在、ナチメリカを倒してくれる便利な人はいない。自分でレジームチェンジできるか、さもなければ堕していくだけって感じ。まぁ、The Westさんは勝ってるそうだから他者が何かいうべきでもないでしょうが。
ロシアも中国もそんな面倒にかかわりたくない。だからこそ自分たちを守ってる。
NATOはロシアをひっかけようと必死だが、ロシアの態度は、基本的にはもう一兵たりともヨーロッパ各国の利益のためには使わない、って感じでしょう。単純に、来たら殴り返すだけ。
中国も同じだと思う。
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