梅雨の時期が終わった。今年も、例年通り、太平洋高気圧勝利。
暑すぎるのは困るとしても、でもまぁ、これが敗北するようなことになったらそれは直ちに飢饉の心配に繋がるわけなので(昔ほどダイレクトでないとしても)、今年も暑くなってくれてありがとう、と言わねばならないのではないのだろうか。逆に、多くの生物にとって、必要以上に寒いことのメリットは多分あまりないのではなかろうか。
そんな中、欧州西部の洪水がただごとでない。
ドイツの映像を見るに、川があふれて街に入って道路が流路になりました、といったものとは別に、郊外なんかを見ると、地面がぐずぐずに壊れている地域がかなりあるみたいだ。つまり、地面がそれ以上水を吸収できなくなって、その上にさらに水が来て、形状を保てなくなって崩壊、みたいな感じ。
驚きを通りこして、怖い事態になってる地域もある。
数日の雨だけではなく、その前からの雨量の状況を見ないとなんとも言えないようなものだと思った。
水がなくても困るし、ありすぎても困る。しかしないよりあった方が断然いい。そこから世界中の多くの地域で水が得やすい場所に人々が集住しだしたんだろうなと思う。
日本列島はモンスーンの影響を受ける島だから全体としてみれば水は得やすい。しかしどこでもそうかというと、電気、工具、車がない時代にはそんなことは言えないわけで、古代の国衙とか郡衙の跡などはそんなに高い場所にはなかったりする。山とか丘が近くにあって、水がろ過されて降りてくるような場所、つまり湧水のあるところが好適地だったんだろうと思う。
と、まぁ私のよもやま話はいいとしても、だがしかし、これはなぁ・・・と思う今日この頃。
ドイツ西部洪水、死者100人超 気候変動リスクあらわに
気候変動という大括りの言い方をしてるけど、要するに、温暖化こそ問題だ、という折りからの政治アジェンダにのっけようという見出しだよね、これ。
日経だけじゃなくて、世界のプロパガンダのリーダー、BBCもこの調子で書きまくってる。
ドイツは環境問題を政治化してきた本家みたいなところだから、もうなおさらスゴイ。
温暖化が豪雨を引き起こしやすくしているとの分析も多い。シュルツェ環境相は「ドイツに気候変動が到来した」と指摘。ゼーホーファー内相は「この惨事が気候変動に関係していることを疑うことはできない」と語った。地球温暖化に歯止めが掛からなければ、洪水などが頻繁に起こるようになり、経済活動に大きな被害を及ぼすとの見方がある。
この大臣たちにとって、気候変動というのは、地球は終わる、みたいなノリの何かなのかだろうか。
しかし、産業革命以前からライン川とその支流群は存在し、水は高い方から低い方に流れるものだという点も有史以来か神代の時代以来か(笑)変わってないので、欧州西部の低地は常に洪水と隣り合わせで暮らしてたと思うわけです。
で、特定の今回に関していえば、偏西風の蛇行と、低気圧の中心が西・中欧州のどまんなかにあり続けたため、北からの冷たい風と、南からの暖かい風が長いことぶつかり合う恰好になりましたという話だと思う。
イギリスのBBCの天気のおにいちゃんがうまいこと説明してはる。
クリップしてみた。
つまり、アルプスが、大台ケ原とか九州山地、四国東南みたいになったということではなかろうか。
だもんだから、そこで降った雨が川を伝って低地地方に降りていき、そうすると低地の人たちは、自分のところの雨だけのことを考えて、こんなことっておかしいわ、みたいなことを言う、と。長野で大雨なのに気にしていなかった新潟市の人たちが、ええええ、聞いてないよぉと叫ぶ、みたいな。
多分、ヨーロッパは通貨統合よりも気象情報の統一と共有化の方が重要。
さらにいえば、ウクライナを侵略して、ウクライナだのモルドバ、グルジアをヨーロッパに入れようという野心的な試みに資産をつぎ込むよりも先にやることあるとも思う。
いずれにしても、何か気象災害が起きるとすわ温暖化、と言い出すアホな時代が早く終わることを祈るばかり。もはやこれは、教会が免罪符を売りつけてた頃と同じになってる気がする。なにかこう、いわく言い難いインチキを売りつけたがる病気がここにはある。
現状、非ヨーロッパの人たちは、ラッキーだと思って、ヨーロッパの意見に惑わされないことが大事だわ。あの人たちはおかしくなったら、とことんおかしくなる。
■ オマケ
偏西風の大蛇行とか北極点の上空の高温化とか、普通でない問題は特定されているのに、現代の免罪符売りにリソースを取られてそっちの研究が世界的にならないのは、まったくもって困った事態。
マジで、こんだけ気象、地球物理系の人たちの研究に強いバイアスをかけまくっていたら(資金の配分を通じて)、次の研究が成り立たなくなる可能性は日々強まる。
ttps://zen.yandex.ru/media/dbk/rossiia-dobilas-togo-chego-planiruet-dostich-evropa-tolko-cherez-30-let-608809dda1e0f1569b7c3387
(URLがうまく貼り付けられませんので,最初のhを取りました.)
そもそも水素を作ろうにもエネルギーと原料の天然ガスが必要で,エネルギーは原子力が最も現実的,となると欧州よりロシアの方がまともなことを考えていることになります.