プーチン大統領が、北朝鮮に制裁を課す命令に署名したそうだ。
Putin Signs Decree Imposing Restrictions on North Korea
https://sputniknews.com/world/201710161058276769-putin-decree-north-korea-sanctions/
例のIPU(各国の議員さんたちの国際会議)のために北朝鮮代表団がロシアにいる中の署名となった。
実施するのは、国連安保理の決議で決定された分の遵守ということなので、新たにということではないと思う。
一方、EUは、新たな制裁を即日付けで課した。
EU slaps more unilateral sanctions on North Korea
World
October 16, 16:30 UTC+3
ロシアは、これに先立って、さっき書いたようにマトビエンコ上院議長が南北朝鮮の代表の人と話し合っていて、ロシアの立場を伝えた、両国には不信感があってそれを改善しないうちは話し合えないだろう、とかいうことを言っていた。
North Korean delegation considers nuclear weapons only way to ensure security — lawmaker
http://tass.com/politics/970946
この動きのロジックは何でしょうね。
ロシアはソ連同様核不拡散体制護持派だから、不用意に核を持っても大丈夫といった偽の希望をそのままにしないという意味だろう、ってのが一つ。
もう一つは、イラン核合意と北朝鮮の核の問題を混ぜて来る可能性(ネオコンがやるんだが)を排除しようということか。EUが同期しているのはそのせい、と考えることもできる。
さらに、遠い可能性としては、過去2カ月ぐらいの間に、なんとなく北朝鮮のミサイルものはロシアのせいみたいな雰囲気が出来た。ウクライナ製のエンジンじゃないかという一つのレポートを境に。
しかし、これは流れからするとなんとも不確かな話。これを拒否しているのかもなという気もする。
北朝鮮の人で制裁リストに上げられた人なんかを詳細に調べていけば、どのリンクが黒だと判定されているのかがわかるのかもしれない。
この中では、イラン核合意とのリンクを排除しようとしているというのが最もありそうな気がする。
イラン核合意には何の問題もない、とロシア、ドイツ、フランス、イギリス、EUが結束している。
Iran deal working well, no need to fix it: Russia
http://www.presstv.com/Detail/2017/10/16/538744/Russia-Ryabkov-Iran-JCPOA-fixing-Trump
イランと戦争したがってる愚か者がほんとにうざい。
■ 今日の北朝鮮ニュース
で、北朝鮮は何といっているのかと思って朝鮮中央日報を覗いたけど今日の分には特にないみたいだ。
その代わりに、ちょっと面白い記事を見つけた。10月14日付け。
南朝鮮の体制は、「吸収して統一」という夢を見てると破滅に直面するだろう
S. Korean Regime Will Face Ruin for Dreaming of "Unification through Absorption"
Pyongyang, October 14 (KCNA) -- A spokesman of the Consultative Council for National Reconciliation in a statement Saturday denounced the south Korean puppet regime for getting reckless while calling for "unification through absorption."
http://www.kcna.co.jp/index-e.htm
破滅云々はこの人たちのレトリックの問題なのでそこは置いておいて、やっぱり、吸収して統一という、ドイツが東を有無を言わせず合併しちゃったあの方式を夢見ている人たちが南には一杯いるんだろうなと改めて思った。
そして、それは日本も同様だと思う。
前から指摘している通り、
朝鮮・トルコ、渤海湾・黒海と「不可欠」
なんで吸収合併がいいかというと、どうして南北に分かれるに至ったかとか、別れた間にどれだけ南と米が北を脅していたかとか、そういう話が一切チャラになっちゃうからでしょ。
逆にいえば、北朝鮮からすれば、それが冗談じゃないとなる。
それはちょうど、ドイツは実は財界と帝国主義願望のおっさんたちがヒトラーを作り上げたのに、戦後の「神話」ではヒトラーは民衆が押し上げたと言って終わりにしているのを思わせる。で、東ドイツはそのヒトラーに反対していた人たちの一部がソ連に亡命して、勝利者ソ連と共に戻ってきた人たちの国だったというのを、今日キレイに拭い去ってるでしょ。単なる狂人国家として。
こういう風に、インチキな歴史にしたがっている人たちは誰なのかを考えれば、誰が北朝鮮に便宜を図りつつ、工作して、最後に挽き倒そうとしていたのかもわかる、という話じゃまいか?
面白くなってきました。
■ オマケ
スプートニク日本語版の対北制裁の記事。
https://jp.sputniknews.com/politics/201710164191170/
正直に言えば、私もとくにTAKUMIさんのブログで知るまで、そうした印象を免れてはいませんでした。でもガンジーさんだったか、言ったように、事実はなかったことにはならない、嘘が真実になることはない、と思いたいです。