いやいや、ドイツ、勝ちました。クロースの最後は本当に見事なシュートだった。とはいえそこまでの苦しみときたら、もうもう、大変だった。
実際にはそんなこと関係あるとは思ってはいないんですよ、私も。しかし、それでもジンクスはそこにある。であれば、ジンクスは自分でひっくり返すしかない、ということだなと思ったりもした。
6月22日、ドイツ サッカー協会ソチで花を捧げる
とにかくおめでとうと言いたい。スウェーデンに恨みがあるわけではないけど。
韓国は残念でした。でもって次はドイツ vs 韓国。ドイツの勝ち抜き可能性は、引き続きスウェーデンの出来次第なのでこれも落とせない。大変ですね。
そんな中、韓国では、冷戦期韓国の重要人物がなくなっていた。
韓国の金鍾泌元首相死去 日韓国交正常化を政治決着
https://www.asahi.com/articles/ASL6R3G45L6RUHBI00T.html
日本にとってはそうなんだけど、もっと広い目で見ればアメリカの韓国コントロール確立の立役者みたいな感じの人というべきではなかろうか。
だって朴政権のクーデターにも深く関与し、その上で初代KCIAの長になった人だもの。
で、その枠組みの中で、日本と和解させて日本の資金を引っ張るという選択を可能にしたということ。だから、ベトナム戦争に兵隊を出すという選択もこの中に出て来るんだと思う。
まぁなんてか、ここで韓国は踏み絵を踏まされたというべきなんじゃないのか。後の東欧諸国が意味もないのにセルビア攻撃に加担させられるのと似てる気がする。
で、現在の韓国は北朝鮮との和解もそうだが、その時代を整理してるとも言えるのでしょう。
昨日書いた、文大統領のロシア公式訪問もその一つだと思う。
朝鮮半島「戦争から平和へ」=韓国大統領、ロ下院で演説
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018062100969&g=prk
そしてその方向性として、ユーラシアに目を向ける韓国という姿が見える。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領とプーチン大統領がモスクワで開いた首脳会談を受け、両国は自由貿易圏の設立に関する共同声明に署名した。https://sptnkne.ws/hRp5
文大統領とプーチンの対話がクレムリンのサイトに載っていたので読んだが、そこでもプーチンではなくて文さんが、ユーラシアという語を使い、非常に積極的にユーラシア側との協力関係を大きくしようとしているように読める。
http://en.kremlin.ru/events/president/news/57838
第二に、両国は共通のビジョンを現実にするために、より親密に協力することになるでしょう。共通のビジョンとは、極東とユーラシア全体を通じた平和と繁栄の共有です。
Second, our countries will cooperate more closely in order to make our common vision a reality: peace and shared prosperity in the Far East and throughout Eurasia.
というわけですよ。shared prosperityをどう訳したものかよくわからない。共通の繁栄、共有する繁栄、共にある繁栄、ということで繁栄の共有としてみた。平和と繁栄の共有をあわせて、要するに互いに共存して繁栄しようというアイデアだと思う。
要するにプーチンとか習さんが言ってる、win winで発展できるんだという話と同じ脈絡ですね。
さらに上のロシア国会での演説とも合う。戦争ではなく平和の時代へという意識。
勝ち負けで相手を滅ぼそうとかいうネオコン的妄想に対する強烈なアンチでもある。
また、中国分割、韓国経済崩壊、ロシア財政破綻、とかいう説を振りまき続けた日本を知る身としては、彼我の差はでかいなと思わずにはいられない。
具体的な行動としては既にロシアと韓国の貿易高が上昇してるし、北極海航路を行く砕氷船作ったのは韓国のメーカーだしといったことが既に起きているし、なにやら韓国系資本でロシア国内に病院が作られているとも文大統領が言っていた。これをシベリア鉄道の話の文脈で言っていることから、これは示唆として遠隔地診断システムか何かをロシアと一緒にやろうとしているのかな、と思ったりもした。
昨年度の貿易高の上昇により、韓国はロシアにとって東アジアで中国に次ぐ2番目の取引先となったらしいのだが、それはつまり日本が落ちたということなんでしょう。誰も言わないけど。
さらに、6月の1週目だったかに、鉄道国際協力機構に韓国がフルメンバーになった。文さんも上のプーチンとの対話の中で言及して、ロシアがサポートしてくれたことを感謝していると言ってる。当時の報道では、北朝鮮が反対しなかったのでフルメンバーになれた、といったニュアンスだったと思うが、これはつまり3国で話し合ったということなんでしょう。
この地図ではまだ韓国が緑になってないけど、緑になったということ。青はオブザーバー。
という具合。
要するに、南朝鮮から北を通して、シベリア鉄道に繋げて欧州まで続くということ。
エネルギー関連はきっと大統領の訪問中にいくつかは合意に署名しているはずなので、出てきたらまたフォローする。
それ以外で目についたのは、人の行き来が引き続き増えているらしいこと。前に韓国からロシア沿海州への観光客数の話を書いたことがあったけど、
これこれ。
そのような中で、2017年は沿海地方にとって突破口を開くものとなった。昨年は韓国から約10万人、日本からは1万8千人以上が同地方を訪れた。
日本周辺の様子を眺めつつ我が方を考えてみるに・・・
そのトレンドはロシア全体に及ぶ模様で、2017年には26万人の韓国人がロシアを訪問、ロシアからも23万人が訪問とあった。この2つの情報を重ねると、ロシアから韓国はいずれにしてもソウルを含む韓国なんだろうが、韓国からロシアは、沿海州が10万で残りの人たちは欧州部を含むロシアへ行ったということなのだろう、と考えるのが合理的な気がする。
ワールドカップに出てない中国人が、20万人ぐらいワールドカップのチケット買ってると環球時報で見たばかりなので、20万人は中国から見たら1カ月で達成できる数字ではあるわけで、その意味では少ないわけだが、この母数がデカすぎるジャイアントな中国を除けば、このトレンドは結構なものだと思う。
で、それはそれとして、文大統領のプーチンとの対談は、よく考えられてる文面だと思った。中国とかもそうだけど、上下でなくて、我が国と貴国両方の人々にとって良いことをしましょう、という姿勢がよく出てる。
そしてそこで、citizenという語がさらりと出る人なわけですよね、文大統領は。
我々両国の市民にとって利益のある協力分野について云々みたいな感じ。
I believe Mr President shares my sentiments. We recognised that we have common goals – to improve our citizens’ lives – and we have agreed to work more actively in those areas of cooperation that will benefit our citizens.
もちろんプーチンもそう。中国もそう。
トランプは、彼の発話の習慣としては、アメリカン・ピーポーだろうし、彼を支えて来たのは、we the peopleの人たち。つまり、まさしく庶民というニュアンス。
しかしだからといって、citizenryを否定するわけはない。まさしくアメリカこそ権力機構に対置するものとしての市民というアイデアを広く世界に広めた具体例なんだから。
なんでそこに着目するかというと、日本において市民とは、人権と並んで左翼の戯言という地位だから。
私はこれを直せとは言わない。人生の中で巡り合ったこもごもを並べて考えるに、出来ないのなら出来ないで行くしかないんだろうなとも思いつつある。が、おそらくその解釈を取る国は世界広しといえども、う~ん、日本以外に思い当たらないのだが、でもサウジあたりはそう?どうなんだろう、なんせ、とても少数派。
彼我の差がここにあることは認識しておくべきでしょう。この対置機構なくして、どうやって政府を作る、語る、有効に機能するものとするのかまったく独自のアイデアが求められる。
ちらっと思いつきを言えば、そもそも、人々を始終国民と呼ぶのは使用の慣行として間違っていると私は思うな。Aの国民か否かというのは、それ以外の人がいる時に有用な比較であって、国内の問題を語る時に、我々国民はといっても意味がない。文字通り、ノン・センス。にもかかわらず、ず~っとこういう使用をさせている。私はここに重大な作為があるものと考えている。
■ オマケ
なんとなく、ベルサイユ会議が違ってたらどうなるのかの世界に向かってるような気がしないでもない。
極東の民がモスクワを見てるところとか、アメリカがチャイナが気になっていろいろ逡巡してるところとか。そして、中東がどうなるのかでもめているとことか。
上海条約機構サミット、山東省青島で行われる