トランプさんがついに共和党の正式な大統領候補になる見込みとなった。
トランプ氏、米大統領選候補の指名獲得が確実に
http://www.yomiuri.co.jp/world/20160504-OYT1T50026.html
ということで大統領選挙は、軍産+金融のゴールデンガールとでもいうべきヒラリーと、この路線を止めさせようというトランプというわかりやすい構図になる可能性が高まった。
サンダースさんはその人自体としてもちろん支持者は多いのだが、結果的には、過激に過剰にあまりにも手ひどくトランプ氏を批判することによって、民主党の最終ゴールであるヒラリーに加勢しているような状況。
その意味で、若い人には支持者は多いだろうけど、この戦いはアンチ・エスタブリッシュメントであると見極めている側からは、皮肉にみられたりもしている。あと、ロン・ポールなんかは、サンダース的なやり方だと結局大きな政府を大きなままに持ち越す話になるからいろんなところにメスを入れられないと最初から否定的だったりもする。
今後の一つの焦点は、ヒラリーは果たしてこのまま行けるのか、でしょうね。
■ 「プロ」という名の御用学者の凋落
で、ネオコン一択だったグループは今頃大慌てになってしまっているってところで、日経新聞が非常にへんな言い訳記事を書いていた。
プロほど誤った「トランプ候補」 米大統領選
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO01950550U6A500C1I00000/
(前略)
専門家は経験や前例をもとに事象を判断して先行きを推測する。すると、どうしても異端の主張や穴馬候補は軽視してしまう。
ちょっと笑ってしまった。専門家はどんな勢力が後ろについているかわかってる、表に言えないだけだ、だから、金融と軍産が圧倒的に支持して金を出しているブッシュ等ヒラリーが負けるとは思わなかった、ではあるまいか。あはは。
最近のアメリカ人の主要メディアへの信頼はついに一桁になったとどこかで最近読んだけど、それだけでなく、主要メディアと同様にいわゆる有名シンクタンクからの見解も信用されていないと思う。特にビッグネームの人たち。つまり、御用学者状態ですね。
これは、そういえば、去年TACがそのいったんを記事にしていた。
アメリカが戦争に勝たない12の理由
それはともかく、記事の内容は、アイクが出てることからもわかる通り、要するに軍産複合体の力が大きすぎるアメリカというのを嘆いているわけ。で、それに 加えて、シンクタンクもテレビ等のメディアも始終戦争があることによって、敵の分析だのなんだのかんだのというイベントを抱えることになるので(戦争にあおっていくための嘘、捏造を含めてやることは多い)、活況を呈する。もう、みんなこの体制に慣れ過ぎて離れられない、と。
で、これで儲ける奴ばかりが国民ではないわけで、その他の人たちはこの状況にうんざりしていて、それよりも国内を立て直すことに集中してくれ、と思うのも無理はないのだがそれでも止められない。でまかせで事を運ぼうとすることに慣れ過ぎてほとんどシャブ中になってるのがシンクタンクだらけのワシントン情勢みたいな感じ。
とはいえ、その中で当然マキアベリズム的な人々はいるわけで、その人たちが何をしていくのかを、このシャブ中意見の中からかきわけていかなくてはならないわけで、難儀な世の中だす。
■ 日本への余波
で、おそらく数日前、岸ぽんがびっくりするようなことを中国外相等から言われていたという(私が考えるに)事件もこれに連動しているんだろうなとか私は思う。
意味不明に突っぱねてる場合ちゃいまんねん、ってこと。
岸田外相、中国・北京で王毅外相と会談 日本に厳しい言葉も
フジテレビ系(FNN) 4月30日(土)12時2分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20160430-00000402-fnn-pol
と、なんか厳しい以上のことはあまり大声で言われていないけど、中国が出しているウェブ上の新華社等の記事は、かなりあけすけだった。
この方が「レコードチャイナ」から拾ってらっしゃるけど、私が見た英語版もほぼその通りでした。
日中外相会談「大失敗」の意味
門田隆将
http://blogos.com/article/174071/
「この数年の間に、日中関係は絶えず波乱がありました。その原因については日本側が一番よくおわかりでしょう。近年、日本はたびたび関係改善を希望しています。もしあなたが誠心誠意で来たのであれば、私たちは歓迎します」
「中国には“その言葉を聞き、その行動を見る”という言葉があります。今日はあなたがどのように日中関係を改善するか意見を伺いたい。それと同時に、日本側が本当に行動に移すかということも見なければなりません」
で、これを見て、こんなことなら行くべきじゃないと考える人もいるんだろうし、私もそれはそれで一つだと思ってたわけだけど、でも行った。
どうしてそうなるのかというと、現状が構造的変化の時だからでしょうね。その意味では1930年代よりは私たちの政府も学習したというべきなのだろうか・・・?
いや別に、チャイナの王さんに上から目線で言われることが嬉しいわけじゃないですよ。だけど、ちょっとここは関係各国、周辺各国と口を聞けるようにしておくべき、少なくともニュートラルな位置に戻そうってな判断の方が優先されているのだろうと私は理解してる。
昔はここで大陸に出ていた軍が謀略を仕掛けて事件を起こして、国民を熱狂させ、交渉の妨害をする、みたいなことが容易にあったんだなぁとか思うと、いやほんと、軍を出しっぱなしにするのは国家凋落への早道だよとか思う。
と考えてくると、前にも書いたけど、今のアメリカってマジで大日本帝国末期のようなのね。NATOが関東軍状態だから。
安倍政権への遺言 首相、これだけはいいたい (朝日新書) | |
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朝日新聞出版 |
おじいちゃんが孫に語る戦争 | |
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基本的には民主党の方が基盤が残ってるような感じはしますが、でも結局ヒラリーがあてにしてるのは女性とマイノリティーだし、サンダースは若者なので、こっちも滑ってなぁあって感じがしてます。