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経済を社会&経済に向かわせる時なのかも

2019-07-08 13:20:01 | アジア情勢複雑怪奇

参議院選挙は果たしてどうなるものなのか。なにか、お風呂の水の真ん中に手を入れるとぬる~いけど、角っこの方は冷たくて、でも別の角っこの方はとても熱くて全体が交わらないみたいな感じがする。

テレビメディアなどが低調だからプロパガンダ的な突風は拭いていないともいうかも。

で、衆参同時もなくなったし、焦点としては2/3断固阻止、ねじれ復活といったところでしょうか。個人的には維新を崩す、ってところにも注目してるし、これは人にも言ってる。

 

が、もう一つ、認識している人は少ないかもしれないけど、今って多分、西側社会共通で、昔でいう社会主義的な方向に向かう一里塚になる可能性を秘めた時期なのかなとも思う。

どうしてそう思うかというと、西側社会は新自由主義の跋扈によって、社会基盤がぐだぐだになって人々の不満が溜まっているが、上流クラスがそんなことはおかまいなしに利益追求に忙しいってのがまぁ現状ですね。

現状を笑っている時間を放置すれば、これはこの先どうなるんだろうという話になる。であれば、インフラと社会保障政策の拡充の方向に行かないと結局西側諸国は競争力を失うという判断も出てくるんじゃないかと思うわけですよ。

MMT理論なんかも、アホなネトウヨがやっているところを見ると単なる金融緩和の延長要求にしか見えないけど、これを軍備に流さず、インフラ&社会保障政策の拡充とカップリングできるのならば、そして一過性ではなく20年ぐらいの単位で取り組めるのならむしろ経済合理性があるのではないか、と考えている人たちがいても不思議ではない。

アメリカというのは大金持ちにとっては国家が債務の面倒を見てやる社会主義だが、それ以外の人にとっては社会主義などまかりならんという設計でやってきている。socialism for the rich、caplitalism for the poor(金持ちには社会主義、貧乏人には資本主義)とかよく言われる通り。

だがしかし、99%である一般大衆を見捨てて内需もガタガタ、インフラは古くて非効率、教育費用が高すぎて払えない人大すぎ、と、全般的に競争力を失う方向で、本当にこのままいく気なのか?行った先にアメリカはあるのか、というお話でもある。

多分一番の問題はどういう仕組みにすると誰が儲けられるのか、儲ける主体の調整なんじゃないかという気もする。

 

ここらあたり、日本の中ではあまり注目されていないし、あまり本気にできないのも無理はないところはあるのだが、最近、池田信夫さんがこの線を嗅いでいる感じがする。

【Vlog】政府の借金は踏み倒せるか

消費税を上げるのは延期した方がいい、マイナス金利事情がひどくなっている時は政府が借金してそのマイナスを埋める方向に行った方がいいんだ、と名だたる経済学者に言われたことを考えると、政府の借金を踏み倒すというオプションもありなんじゃないか、主流派の経済学者と山本太郎の意見が一致するという世界はどうなるんしょうか、という紹介をしている。

やっぱり、IMFの元チーフエコノミストが進言しているというのが池田さんの嗅覚に強く訴えたのかなという気もする。

それは別に池田さんが権威ある人におもねってる、という話じゃなくて、ここ数年、資本論がちょっとしたブームになったり、信用創造の話からMMTに及んだりといった流れを見るに、何かくるのかも、と思ってるんじゃないかと思う。

池田さんは猛烈に性格の悪いおじさんだと思うし、周囲の若造は馬鹿ばかりといった趣ではあるけど、この人は英米の帝国とは金融支配なんだということを非常によく見えている人であろうと私は思う。

そこから、何かが崩れだし、ここではドラスチックなことがあるのかも、と読んでいるのかな、と思った。で、池田さんほど知見があるわけじゃないけど、私もそんな気がしてる。消費税なんかもっての他の山本太郎と共産党はこの流れと合ってる、という池田判断に私も同意見。

 

ふと思うに、第二次世界大戦が終わったらイギリスは直ちに労働党政権になっちゃいましたといった事情を思い出してみるのもいいのかなと思ったりする。

また、19世紀のベンサム、ミルあたりのPhilosophical Radicals(哲学的過激派)と呼ばれる一群などの存在を思い起こしてみるのも価値があるかもしれない。このへんのグループは悲惨な労働環境とか放置しておくことを道徳的に良くないと心から同情するというよりも、それを効率的でないと考え社会改良に向かったというグループだし、根本的に現在に至る英米秩序のの汎用版を作ったような人たちだとも言えると思うので、不愉快に思う向きもあると思う。

が、しかし、いずれの場合も多数の庶民にとっては悪い話ではなかった。そして、今もそう。もし庶民とそこを率いるリーダーが賢ければ、今度こそサッチャー&レーガンに行かなければいいし、そうならないよう管理すればいい、と考えることもできるでしょう。でも多分行くのが世の中みたいな気もするけど(笑)。

 

ということで、小池晃さん、この路線いいと思います。小池さんはソ連/ロシアを非常に嫌ってるという点で、私とは歴史評価が異なり、またアフガン戦争についての氏の理解はまったく誤りであるとさえ思っている。その限りにおいて私の敵ですが、経済についての姿勢は日本の現状からの変化にとってとても必要と思う。

#10 YouTuber小池晃が3分で参議院選挙2019への意気込みを語る。

 

この中の、

ってな発言がtwitterに出回ってるけど、これって簡単にいってるけど、日本の統治機構が過去30年知らん顔してやってきた、社会保障政策を段階的に小さくしてアメリカみたいにしちゃおう計画をとん挫させるということなので、実はとても大きいことを言ってると思う。でも笑っちゃうほど上手い言い方。

そして、庶民が政治に参加するとは結局究極的にはそういうことなんだとも言えるんじゃないですかね。黙ってたら大金持ち集団の駒になるところを、これじゃ暮らせないじゃないか、そうまで言うなら俺らは黙ってないと集まったところから世の中に社会主義系統の政党ができていって(19世紀後半においてこの最大手を担っていたのがドイツ社会民主党)、そこから、社会権の確立に落ち着くわけだしね。

そして大金持ち集団はどうしてもこの社会権を各国に認めさせたくないんだと思うわけですよ。どうしてかというと、英米覇権は畢竟IMF/世銀などを使って各国を支配する構図なので、もし各国が社会権を大義に自国民の生活を防衛しようとしたら、自国通貨で国債でもなんでも発行して自国民を救済しちゃうでしょ。そうなったら、IMF/世銀は、収奪を目標として当該国の経済をコントロールするための「構造改革」を断行できない。

各国は歴史の中で、多数の国債的なものの発行と徳政を繰り返している。これを阻止しているのが現在の金融覇権の肝だと思う。

だから、過去100年の悶着は畢竟社会権なんじゃないかと私は考えていたりもする。

 

■ オマケ

こういう財界を見ながら、かつての自民党が、応分の負担をお願いして、といったもちょもちょした言い方で新自由主義にブレーキをかけていた時代に戻ってくださいといっても多分もう無理なんですよ。

経団連会長、「痛み伴う改革を」

しかし、ホントにこの人たちは恐ろしい。他人に痛みを与える改革をとっととやってくださいよ、と政権にお願いする人たちって一体何者なんだろう? よくこんなことが言えるものだと呆れる。

 


 


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