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歴史:米財政赤字合計が初めて22兆ドルを突破

2019-02-14 15:57:31 | アジア情勢複雑怪奇

米財政赤字の合計が初めて22兆ドルを突破した、いやぁhistoric(歴史的)だとの大騒ぎが米および世界中に広まっているのだが、日本の中では結構おとなしいようなので書いておく。

National debt hits new milestone, topping $22 trillion

https://www.stripes.com/news/us/national-debt-hits-new-milestone-topping-22-trillion-1.568409

 

単年度で1兆ドルを突破するという話は去年出回っていたが、誰が考えてもわかるが今年の借金だけ考えたってはじまらない。払うのは合計なんだから。

資本主義は要するに借金主義なので、借りられてナンボなわけですが、ここまで来ると何がどうなるのかもう誰にもわからない。

利払いが1日10億ドル超らしいのだが、つまり毎日1000億円は利息に消えるという凄まじいお話。

これが長期金利の上昇圧力となって金利がある程度の望ましいレンジに戻る可能性を+と考えることもできる。

また、もちろん、債権を持ってる人にとってはこれは利益なので、全体として回っているのだから問題ないという考えも成り立つ。

そう考えるからなのか、アメリカでは、そんなに心配する必要ないんです、米国債の62%はFRBや年金など、アメリカが持ってるんです、といった記事なども見られる。

https://www.seattlepi.com/news/article/Q-A-Should-anyone-worry-about-a-22-trillion-13614220.php

 

まぁFRBは民間銀行なわけで、外人ではないと考える根拠は何だろうと皮肉なことを思わないではないが、ともあれ、大丈夫なんだという説はここのところ強くなってきたように思う。

借金とGDPの比率から行けば、まだ心配な状態ではないという見解もある。これはCNBCなのでマーケット参加者向けのやや詳しい記事。

That $22 trillion national debt number is huge, but here's what it really means

https://www.cnbc.com/2019/02/13/that-22-trillion-national-debt-number-is-huge-but-heres-what-it-really-means.html

 

借金から見た時、トランプ政権とオバマ政権には断絶はなく、むしろ引き継いでいる感じもあるなあと思ったりもする、と感想を書いておきたい。

 

が、しかし、アメリカ+αのやってることのある種の「いじましさ」を見るに、まわらなくなったらどうするんだろうという懸念があるんだろうなと思わずにはいられない。金利のレンジも+材料でなくなることもあるからね。

石油+金融体制のマフィア化は、これに絡んでいると考えて悪い理由もなさそうな感じは日々強まる。

だって、どうしてそんな巨大な借金が成り立つのかといえば、「それでもドルは回る」という状況が信じられているわけだからで、どうして「それでもドルは回る」のかといえば、ドルを刷ったら必ず回せる、使ってくれる奴らがいるはずだから。そして額が大きいエネルギーの流れがそれを支えてきたし、わざと事件が起こせるのも流れをコントロールできていたから。

別の言い方をすれば、そんな紙切れしらねーよと、できるだけドルを使わない集団が出てきて来ると、そもそも、金との交換の代わりに「それでもドルは回る」を担保として現在のシステムが成立している以上、ドルの価値はどこかの国が大量にまき散らした軍票のような扱いを受けることも論理的には考えられる。まぁ大変。

さらに別の言い方をすれば、これは心理ゲームでもあるわけですね。パラダイムシフトが起きたら、「それでもドルは回る」は成り立たなくなる。

 

折からの、アメリカ・ファーストというのも、実のところむしり取れるところからは何でもむしり取る宣言と読むべきではなかろうかとも思ってみたりもする。

NATO+日本からの軍事強化というお布施の徴収もその一つ。INFさえ金の出汁にしようとしているんじゃないかという気配がある。いうまでもなく狂っているわけだが。

 

ということで、12月の赤字が減ったという話だけ好感している日本の報道状況ってどうなの?と思わずにはいられない。額も小さいし、方向づけとして持続可能な赤字修正じゃないし。

米財政赤字、41.6%減=貿易制裁で関税収入9割増-12月

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019021400296&g=int

 

そう、社会保障費を削って、中国に貿易制裁して関税収入増やして達成した赤字解消って将来性なさすぎ。

アメリカの財務省が発表した去年12月の財政収支は135億3,900万ドルの赤字となり、赤字額は1年前に比べ41.6%縮小しました。大きな割合を占める社会保障関連費を中心に歳出が減ったのが主な要因です。歳入面では、中国への貿易制裁などを背景に関税収入が9割以上の大幅なプラスとなった一方、大型減税の影響で法人税収はおよそ2割落ち込みました

https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/nms/news/post_171584/

 

■ オマケ

トランプの選挙キャンペーン中、中央銀行国営化が今にもなりそうだと大騒ぎをしていた人たちがアメリカにも日本にも大量にいるように思うのだが、彼らは今どうしているわけ?

 


 

 


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