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明日からソチでシリア国対話会議

2018-01-28 21:04:55 | アジア情勢複雑怪奇

シリア情勢がトルコとクルドの仮面をかぶったアメリカが正面衝突なんかしてるもんで、またまた複雑怪奇なことになっている。

そんな中、しかしながら、明日からロシアのソチで大規模なシリア対話会議が行われる。

それを前に、「反政府勢力」というか、Syrian Negotiations Committee派というかリヤド派というかのグループが、ソチでの会議を拒否した。

NHKがおおむねうまくまとめていた、この記事。

シリア内戦 反政府勢力がロシア主導の和平会議を拒否

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180127/k10011304991000.html

シリアの内戦の終結に向けて、アサド政権を支援するロシアが、国連が仲介するこれまでの和平協議とは別に、来週、自国で和平会議を開催することについて、反政府勢力の主要なグループがボイコットすると発表し、ロシア主導の会議は開催前に水を差された格好です。

このへんはそう。

これについて、反政府の主要なグループは27日、オーストリアで行われた国連が仲介する和平協議に参加したあと、ロシア主導の和平会議はボイコットすると発表しました。
反政府勢力内では、ロシア主導の会議は国連が仲介する枠組みに取って代わろうとするもので、アサド政権側に有利になると警戒する声があがっていました。

一方、国連のデミストラ特使は27日、ロシア主導の会議について、「国連が仲介する和平協議に貢献するものだ」というロシア側の説明は留意するとしながらも、国連として参加するかどうかはグテーレス事務総長が決めるとして、態度を明らかにしませんでした。

国連主導の会議というのがいわゆるウィーン会議のことで、これが何回やってもワヤだったからこそ、ロシア主導の現地派の会議ができたわけですよ。そこを指摘しないのは、まぁそりゃ西側メディアだから仕方ないと思う。

で、国連のデミストラ特使は、しかしながら、参加することに決定。ロシア政府は、デミストラを派遣することを決定したグテーレス国連事務総長の決定を称賛すると28日TASSが伝えている。

Russia hails UN’s decision on de Mistura’s participation in Sochi Congress

http://tass.com/politics/987221

"Moscow takes into consideration S. [Staffan] de Mistura’s important statement after the Vienna round and hails the decision of UN Secretary General A. [Antonio] Guterres to send his Special Envoy for Syria to Sochi in order to attend the Syrian National Dialogue Congress," the ministry said.

デミストラさんはソチ会議が、ウィーンでのシリア会議を活性化できることを願っていると表明しているようだ。

Earlier in the day, de Mistura expressed the hope that the Sochi Congress would allow to revitalize the intra-Syrian talks in Geneva.

で、このソチでの全シリア対話会議(Syrian National Dialogue Congress)は、1月29日、30日ソチで行われ、1500人ほどが参加するようで、新しいシリア憲法を作る委員会の立ち上げが含まれる見込みらしい。
 
また、クルドも代表者がソチに行くらしい。

MAGADAN, January 27. /TASS/. Representatives of Kurdish political forces will attend the Syrian National Dialogue Congress due in the Russian Black Sea resort of Sochi on January 29-30, Russian Foreign Ministry Spokeswoman Maria Zakharova said on Rossiya’1 television channel on Saturday.

http://tass.com/politics/987226

イラクも代表者がでるようだ。


■ トルコ vs クルド+アメリカ

大枠はそのようにして進行しているのだが、トルコ国境の一部では、トルコ軍がシリアに越境してクルドと戦っている。

そして、トルコは、米にアフリンの東のマンビシから撤退しろと要求してる。

トルコ、米軍のマンビジ撤退を要求 米はクルド人部隊への武器供与停止を表明
2018年1月28日

http://www.afpbb.com/articles/-/3160246?cx_position=2

【1月28日 AFP】隣国シリアで軍事作戦を実施しているトルコは27日、クルド人が支配するシリア北部マンビジ(Manbij)に展開している米軍部隊の撤退を強く求めた。

 作戦が2週目に入り、空爆や砲撃が新たに行われる中、トルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相は「(米軍は)マンビジからの即時撤退が必要だ」と強調した。

でまぁ、シリア北部をクルド人が抑えてますとかいうんだが、そこにはびっしりアメリカ勢力がいわるわけですよ。で、どうすんのここ、というのが本当の問題ともいえますね。

 
 
 
で、これを巡って、いろいろ意見やら情報がネット上にはいっぱいあるわけですが、一番説得力があるかなと現状私が思うのは、アメリカ内部での対立が解消されていないためこんなうろうろとへんな騒動が起きているってあたりではなかろうか。
 
発言している人たちなんかを見ても、(あ)アメリカのリアリスト系、NATO支持者はみんな、トルコを大事にして、クルド支援をいいかげん切れと思ってる。要するに、シリアをたためってことね(隠れ勢力は置くとしても、だ)。
 
しかし、(い)アメリカ軍のミドルランクの人たちを中心としているでろうとみえるあたり、リベラルのメディアを仕切ってるあたりが、クルドを使ってアメリカ主導のクルドを作るというアイデアに固執している、とみえる(最終的に、我らの新中東を作るって話から、イランを弱体化させ、コーカサス、中央アジアへ云々というおなじみのプラン)。
 
すると、これってトルコを怒らせて、ほんとにトルコがNATOから出るかもしれないような話にまで行く可能性があるわけだから、(あ)はやめるべきと考え、(い)は聞く耳ない、みたいな感じ。(い)はまぁイスラエル系あるいはユダヤ系と言っていいんじゃないですかね。だからリベラルメディアがこぞって肩入れしてる。そして、ウィーン会議がなぜ動かないかというと、(い)が力を持ってるから議論が動かない、でしょう。
 

これに対して、ロシアは、シリアのクルドはシリアのアサド政権は倒れないと思ってるグループもいるため、アフリンをシリア政府軍に引き渡して、シリア会議に出て、自治的なクルドを作るようにしたらどうですか、いろいろ手伝いますよ、という提案をしていた。
 
この提案はトルコは嫌っていたんだが(トルコにとってはクルドの確立強化はなんであれいかん)、それでもロシアは提案してた。
 
が、クルドは提案を蹴って、再度、アメリカによる独立という話に乗っている。
 
しかし、つい数日前には、アサドに、外国勢力トルコからシリア(のクルド)を守れ、とか言い出してみたりもしていたので、これは考えようによっては、シリア政府の支配を認めているという意味にもなるでしょう。前半で書いたようにシリア会議に代表者を送ったりする行動を見ても、そっちに動く気配がないとも言えないところがある。中も割れてるんでしょうね、多分。
 
 
で、この帰結はどうなるのか。それは、クルドというよりシリアをあきらめない(い)グループをどうするのか問題というべきでしょう。現地勢力 vs リモート支配大好き派、とも言えますね。
 

 


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