イギリスの元シリア大使ピーター・フォードがBBCスコットランドのラジオに出て、ほとんど最後のお願いのようなことを悲痛な声で言っていた。
よく考えてください、まず調べることから始めると小学生でもわかるでしょ、と。
いやしかし、昨日の国連安保理で、そのよく調べましょうという提案(ロシアの提案とスェーデンの提案)を、英米が潔く葬り去った。いやぁすごかったですよ、ほんと。
で、スコットランドとはいえBBCがピーター・フォードを呼んだというのはなかなかだわ。心配してるディレクターなどもいるということなんでしょう。そりゃそう。
Peter Ford Dropping Truth Bombs on BBC Radio Scotland
https://www.youtube.com/watch?v=3j_Z1f84Ps8
一方のトランプは、ロシアはミサイルを撃ち返すと言ってるな、よーしだったら用意しとけよ、ミサイルは行くんだからな!!と元気なツィートをして、多くの人のひんしゅくをかっている。
Russia vows to shoot down any and all missiles fired at Syria. Get ready Russia, because they will be coming, nice and new and “smart!” You shouldn’t be partners with a Gas Killing Animal who kills his people and enjoys it!
さっき、ロシアの大使のことを書いたけど、自分で書いたものをざっと見てふと、これって日本の背景では、ロシアが弱気になってるように見えるのかしら、などとも思った。
私は全然そうは思ってないです。そしてだからこそ恐ろしいと思ってる。
私の知る限り、ロシアって喧嘩する前には立場を表明しておくというのがある種の流儀でしょう。
だから、やれることはみんなやった、これもあれもこれも、そしてやったらやり返すとも何度も言った。それでも聞かれないなら準備するだけ、ということ。
■ どこに撃つのか
で、ふと思うわけだが、トランプの get ready Russia(ロシア、用意しとけよ)って、現実には、アメリカ人用意しとけよ、UKの奴ら覚悟しとけよ、かもしれないよなとか思う。
ロジックはこんな感じ。
(1) アメリカがシリアの基地等を攻撃する
(2) ロシアは、通告通り、ミサイル OR キャリアを撃つ
キャリアというのはこの場合はほぼ艦船。何を連れてってるのか知らないが、なにせ米艦船が撃たれる。
これがシリア国内から撃った場合には、アメリカもそこに反撃する、という可能性もある。
多くの人はまずミサイルを撃ち返すことしか考えてないように見えるが、ロシアは、ミサイルでもプラットフォームで撃つ、とゲラシモフが言った。
で、(2)でロシア南部から攻撃した場合、アメリカは (3) をどこに撃つかは必ずしも明らかではない。
もし、(3) をロシア南部に撃った場合、ここでロシアは本土攻撃をされたことなる。
ということは、
(4) ロシアはアメリカ本土を攻撃するかもしれない。もし英軍も参加していればUKかもしれない。
ということで、(3)から(4)の帰趨によっては、いやぁ、冷戦時代から長年ワシントンの前に沈んでた原潜の出番なんですかね、ということだって考えられると思うな。
どうするんでしょうね。で、どこで止まるかもわからないわけですから、世界の破局的破壊さえある。まあしく冷戦時代に多くの人が恐怖していたことが、ついに現実になるんですかね。
アメリカ人にとって被害が少ないのは、
(3) アメリカ、ロシア南部を攻撃
(4) ロシア、UKを攻撃
の場合か。
この場合、アメリカは次を撃たない(笑)かシリアにする。UKが自分で報復する。
しかし、ロシアとUKが潰し合った場合、UKは勝てない。
UK(フランスでも同様)が同行するのはとても無謀だ。
これって今回はUKの話になってるけど、ロシアまわりでの冗談では通常ここはポーランドが入る。米露ががーがー言ってて、その前線で煽ってるポーランドが真っ先にロシアのミサイルのターゲットにされるという話。
いやしかし、シリアで飼ってたホワイトヘッドの偽情報をもとに喧嘩を売って、ロンドンのシティーが爆破されるとか、イギリス南部がしばらく使い物にならなくなるとか、これはきっとシティーの中のみなさんが好きなグローバリズム的バタフライ効果に違いない(うそ)。