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レバノン外相:ロシアとの取引を妨害した人たちがいるんです

2017-11-18 17:56:52 | アジア情勢複雑怪奇

レバノンのハリリ首相がフランスに行くらしいというニュースが流れているが、その一方で、レバノンの外相Gebran Bassil 氏は現在モスクワ。

ロシアのラブロフ外相と会談し、

私たちは、我が国史上初めてロシアとシェールガスの探索の契約をしようとしてました。すると、妨害がありました。一定の人々が、レバノンを脅しつけたんです。

“We are about to conclude the first in the history of our country agreement with Russia on shell gas exploration. And now we see an attemp to hinder this effort. Certain parties are trying to intimidate Lebanon.

と語り、さらに、

私たちはロシアがこの中東でのバランスオブパワーを形成するために、この地域に影響力を構築し続けることを望んいます

We hope that Russia will continue building up its influence in the Middle East in order to form a balance of powers in the region“.

とまで言ってる模様。

そして、どんな奴らが脅しつけたかというと、

「シリアで戦争をはじめた勢力」で、その人たちがテロリストを養い、今はレバノンにダメージを与えようとしている

"The same forces that unleashed the war in Syria and those who are feeding into terrorists are now trying to damage Lebanon," 

 

それってもう、みんなしてサウジを指ささないわけにはいかない状況ですね。こんなにクリアに言うか、と笑ってしまう。

Lebanon suffers intimidation attempts to cancel gas deal with Russia – Lebanese FM 

https://www.rt.com/news/410154-lebanon-intimidation-attempts-gas-deal/

 

で、レバノンをどやしつけて、何かを企んでいるサウジ&イスラエルはまだひとしきり暴れると思うが、ともあれ、中東は、ここ2年ぐらいに南北2つに分かれたと言っていいんじゃないっすかね。

北中東は、私が国持ち大名と読んでいる、トルコ、イラン、シリアと、それこに徐々にカタール、イラクが加わり、どうやらレバノンもこっち。まぁ場所的にそうなのだが。

こうなってくると、アラブでまとまってるわけでないことは明らかだし、シーア、スンニも混ざっちゃった。つまり、場所と国持ち大名の安定感が彼らを団結させているというところではあるまいか。国持ち大名は、勝手に先制攻撃で戦争したりしたくないわけね。来られたやり返すにしても。王様支配じゃないから政権がひっくり返るかもしれないんだし。

 

で、サウジはモスクワに行ったは行ったし、イスラエルもロシアに足しげく通った。パイプはある。

が、ロシアの優先順位は北中東を壊されないよう努力する、となるでしょう。

ロシア軍本体が乗り出すのではなくて、その代りに多分、シリア、イラク、イランの強化を考えるのではなかろうか。情報を通して一体となって戦略を組めれば、サウジ&イスラエルの悪だくみの予防になる。シリア戦を通じて、ロシア南部から出てイラク、イランを通過して攻撃に参加するというパターンが出来た。最初はイランにも反対はあったのだがそれもクリア。この空域コントロールを一体で運用。

真ん中のラタキアにロシアの小さな基地があって、右上がカスピ海でその北がロシア領。そこから爆撃機を飛ばして、カスピ海、イラン、イラクを通してシリアという攻撃を何度も経験した。

 

何のためにといえば、アメリカがイランを攻撃する可能性を回避するために、でしょう。サウジ&イスラエルは、自分んちには金と汚さはあっても自軍が強いわけではないから、必ずアメリカを引き込む。しかし米軍は過去10年以上イラン戦なんかやりたくないからここまで来てる。ということは、拒否できないような状態を作って行こうとする可能性が残る(自作自演系)。こうなった場合が悲惨なので、これを阻止するためにも、あるいは万々一起こってもイランの被害低減のためもイラン強化ではなかろうか。

よく考えると北中東軍って、かなり強くなるポテンシャルがある。そしてイランとロシアは目だって喧嘩しないにせよ、仲の良い関係とは言えなかったのでイランを強くすることにはおそらく抵抗感があったと思う。が、カスピ海共同所有宣言とかしたし、もうホントに変わった。トルコに対しては、露土戦争がロシアの20勝0敗みたいなスコアだからあまり怖いと思ったことはないだろうが。このへんが「地域」として変わっていくのを目撃しているわけで、感慨深い。

ついでにいえば、マーケットとして大きい。黒海・カスピ海市場という括りにして、ロシアのユーラシア連合に接続して、そこからチャイナの構想に入ると無理なくユーラシア横断、ああ、文明が繋がってるぅみたいな感じがする。ギリシャも早くNATOを抜けろ。

 

いやそんなことはともかく、なんせ、レバノンの動きが非常に興味深い。ここは、中東、欧州、正教会系の人々のある種のたまり場みたいな、いや、美しく言えばコスモポリタン的なところなので、誰かが強く出て話しがすむとかいうところではない。でもって、多分、相当深いレイヤーで世界の大金持ち系の人たちがからんでいるのが、ここらへんのレバノン、シリアあたりといっていいと思うんですよね。歴史深いから。

あと、アルメニアとかもそう。アルメニア人ネットワークは強いと多くの人がいう。それを言うならペルシャもあるけど。


 


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2 コメント

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日帝モデル (ブログ主)
2017-11-19 13:30:36
大日本帝国の朝鮮への入り込み方とか、その後の回教徒を使った分離工作とか、これって日本人が知らないだけで世界の情報機関では日帝モデルとか呼ばれてテンプレになってるんじゃないかとマジで思う今日この頃ですよ、ほんと。
てか、ある種の実験ではありますよね、あのシリーズは。
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『日帝の朝鮮侵略リピートするサウジの手口』 (ローレライ)
2017-11-19 06:24:09
『首相や王様の連行』とか、『日帝の朝鮮侵略リピートするサウジの手口』で『古いシナリオ』が使い回されている。『ロシアは今回も正義』だ。
返信する

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