ロシア機の撃墜問題で、NHKってなんでこんなにプーチンに拘るんだろうというのが謎だ、とか思って晩御飯の支度をしながら考えた。ストーカーめいてる。
こんな感じ。
ロシア大統領「トルコは完全な裏切り」
11月26日 21時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151126/k10010320791000.html
そのうえで、プーチン大統領は、「テロとの戦いでパートナーとみていた国による完全な裏切り行為だ。いまだに、トルコ政府の指導部から謝罪はないし、犯罪者を罰するという約束もない。わざと、ロシアとトルコの2国関係を袋小路に追いやっているようだ」と述べ、トルコを厳しく非難しました。
実際TASS通信はそう書いてるけどもさ、なのね。
思うに、日本の情報当局者(NHKはそのアウトレット)は、この問題をトルコ・ロシア間の悶着として描こうとしているのだろう。だから、ロシアが怒ってる、ああ大変だ、みたいな話で見せる。
しかし、この問題はまずもってシリアがどうなるか問題の一部なわけですね。
で、掛かっているのは、つか、この2日間ものすごい勢いで広まったのは、トルコはISのサポーターという話。これが暴露されたことは、まったくもってスキャンダラスそのものでしょう。
で、これをできるだけ目立たせないために、プーチンにフォーカスをあてている、というのが日本の情報当局者の狙いではないかと愚考する。ここまで来て、ようやくごはんを食べる気になった(笑)。
■ あくまでシリア
で、ロシア政府は昨日はパイロットの救出の英雄話で盛り上がり、これにより、領空侵犯していないのに撃ってきた狂人トルコを断罪する態度をしっかり取った。
折から、欧米でも、トルコの評判は当然悪い。しかしアメリカ政府がどうでるか怖いからぶるって表面ではいい加減なことをいい、しかし、引退した政治家、外交官、退役軍人らが、トルコの行動はあかんやろ、と語っている。もう防ぎようがない。
そうそう、ハヒントンポストにコロンビア大学の先生のある種完璧なリサーチペーパーが載っていた。読まなくても開けてみる価値はある。
Research Paper: ISIS-Turkey List
http://www.huffingtonpost.com/david-l-phillips/research-paper-isis-turke_b_6128950.html?ir=Australia
上のNHKの記事のこれも問題だな。
また、プーチン大統領が、ISが管理する石油をトルコが不法に購入していると非難したことについて、エルドアン大統領は、「石油やガスは確かな相手からしか購入していない」と反論しました。
さらに、ロシアがISを壊滅するためだとして、シリアで行っている空爆について、「ISとの戦いを名目に穏健な反政府勢力だけを攻撃しているのは明らかだ」と述べて、非難しました。
このタイミングで、ISとトルコの関係を、あたかもプーチン大統領だけの難癖であるかのように描くのはいかがなものか。
NHKがなんと書こうが関係のないロシア外務省は、再度明言してる。
ロシア外務省:トルコは明らかにテロリストの共犯者である
Russian Foreign Ministry: Turkey is clearly an accomplice of terrorists
http://tass.ru/en/politics/839561
怖いよー(笑)
■ トルコは自分の足元を撃ったと思う
で、それはそれとして、で、ロシア政府はしかし無駄に怒るタマではなかろう。
この間、トルコとISの関係を糾弾し、トルコを誰も庇えないという状況の中で、シリアにS-400(300じゃなかった)を配備したし、ミサイル巡洋艦も入れたし、ってんで、シリア北部の問題のトルコ国境側の守りを固めた。
で、今日はフランスのオランド大統領が、シリアとトルコ国境を閉ざすべきだ、と言った。
1週間前までこれは、結構諸刃の提案だったと思う。シリア政府&ロシア+アルファ側にとって。
というのはそこを英米仏トルコあたりと共同で何かをする、ってなると、またどうせテロリストだか民兵だか知らないけど、そいつらモリモリ使った中で何かをしかけられるってな地域になる可能性があった。
シリア難民をそこに留まらせましょう、とかいう提案をEUが支持して4000億円だったか巨額の費用をトルコにあげた。この意味は、シリアを国家として復興させるのじゃなくて、トルコがいつまでもぐじゃぐじゃやってても構わない状況を作るってことだからね。EUは悪魔の提案をしているのよ。
が、今回、防衛を固め、かつ、トルコとISの関係がパブリックになり、かつ、シリアにいるトルコ系住民なるひとびとが、字面でいうのとは大分違う、過激派やんか、ってのが見えるようになった。これで、トルコはトルコ系の住民を庇っているのだと言うトルコの主張を誰も額面通り取らなくなる。少なくとも証拠映像はいっぱいあるぜ、になった。
(実際、トルコ系住民は中央アジアから引き連れてきたトルコ系住民、つまりシリアにとっては外人の民兵だろうと前々から言われている。ロシア語しゃべる奴がいる、って話だし)
ということは、シリア・トルコ国境のシリア側のイニシアチブをシリア政府&ロシア+アルファが取りやすくなった。てか、トルコ+アルファ側は、邪魔しづらくなった。
1週間前より、ロシア+の方が前進しとるやんけ、だと思うわけです。
トルコの行動は、フランス、アメリカとロシアが共同してIS対応することを妨害しようという意図から、まぁトルコ単独じゃなくて仕掛けたんだろうと推測できるんだけど、しかし、こうやって見てみると、実のところ、自分の足元撃ってる! だと思う。
■ トルコはどうでるのだろう
いやしかし、ロシアの脅しは怖い。
事故当日に既に、ロシア国民はトルコへの旅行を見合わせるよう勧告し、大手旅行店がパック売りを停止ていた。ロシアとトルコは近いし、ロシアは寒い地域が圧倒的なので慣習的に寒期に暖かい地域に旅行する。カナダもそうで、カナダ各地にメキシコの直行便があったりする。
ロシアからトルコに400万人ぐらい行っているそうで、それがいきなりストップになったらそりゃ大きい。ロシア政府としては、ロシア国民の皆の衆は国内を旅行せよ、で万歳でしょうね。
イタリアとかギリシャが手をあげて待ってそう。
次に、トルコからロシアへの農産物の輸入をとめよーかなーになっていた。その分をイランに振る気でいるらしい。ロシアは対イランには101回目のプロポーズかよ、的状況なのでこれはいいアイデアじゃないか!かも。
あと、今のところ言及している記事が見えないけど、ロシア資本はトルコに大量に行っているはず。
この不足分はドイツと日本で埋める、みたいになるのか?
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でも、この句がおかしくて、公開しちゃいました ^^;
闇石油はどうもエルドランのファミリーが深く関与しているらしいですから(息子の写真が出回ってる)、エルドラン繋がりで日本にも利益がありました~とかなっても驚かないですが、いやしかし、なんてか、スキャンダラスな話。