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米、ついにレジームチェンジ病発病

2019-01-24 14:04:32 | アジア情勢複雑怪奇

ベネズエラで昨日、政変らしきものが起こった。

米国が嫌いまくっていたチャベスの次のニコラス・マドゥロが昨年選挙で勝って2期目となり、今年2019年1月10日に就任式をした。

米はかねてから、選挙そのものが不正だといって野党のリーダーを応援しまくっていた。声で応援だけでなく近隣諸国を使ってなにやら不穏なことをしているという噂もでまくっていた。

そこで、一部の軍がマドゥロに反旗を翻したところから情勢が不穏なものとなり、アメリカのペンス副大統領は、野党に勇気を出せとばかりに決起を呼びかけた。

大笑いだが、マケイン死なず!といったところ。

ペンス米副大統領、ベネズエラ国民に野党支持を呼び掛け-動画で

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-01-23/PLRRKD6K50XW01

 

そこから情勢は一気に悪化して、フアン・グアイドという野党のリーダーが、自分が大統領であると宣言!

すると、アメリカ大統領が直ちに承認、カナダ、ブラジル etc.の子分連中が続いた。

マドゥロ大統領は、アメリカとの外交関係を断絶を宣言して、外交官に72時間以内の退去を命じる。

すると、米政府は、マドゥロ大統領を認めないから、出て行く必要はないといって出て行かない!

今ここ、といった成り行き。

US refuses to withdraw diplomats from Venezuela, vows ‘appropriate action’ if they’re harmed 

https://www.rt.com/news/449555-pompeo-us-diplomats-venezuela/

 

皆さん、見ておいた方がいいですよ。米は居座り強盗なんですよ!!

 

Trump names new Venezuelan President, chaos ensues

 

■ 喜劇的

まず第一に、情勢は確かに不安で、米製レジームチェンジにつきものの、妙な奴らがあちこちで不穏なことをしている風だった。つまり、なんか燃やしたり、銃を使ったりして人々を落ち着かせなくしていくってのが、マニュアルに入ってるんだろうね。

で、もちろん自分でそういうことを仕立てて、それを、政府が発砲した~とかなんとかいう動画を出してきたりする。

だから笑いごとではないのだが、しかし、私は率直に大笑いしてしまった。

だって、グアイドは大統領に立候補してない、議会で一番強い人なだけですよ。その人が勝手に大統領を宣言して、アメリカ大統領が承認したとして、それでどういう権限が生まれるんだろう?

昨晩からさかんにtweetなんかでも書かれていたけど、

じゃあ、どこかの国が、ナンシー・ペロシを大統領として承認すると宣言すると、アメリカ大統領はナンシー・ペロシになるのか、という話でしょう。

なんなのこれ?

Violence in Venezuela intensifies as US backs non-elected leader

 

さらに、RTに出ていた元アメリカの外交官の人が指摘していたことも素晴らしく面白い。

New president for Venezuela?

 

アメリカのコーポレートメディアなどが、マドゥロ大統領を独裁者だ、独裁者だと叫んでいるが、議会で自分が支持する党でない党が第一党になってる独裁者って、どんな独裁者だ?と。

大爆笑でしょう、これ。独裁者でもなければ、議会が機能していないわけでもない、そういう意味では、普通の国じゃないか(笑)。

そこに勝手にアメリカが入り込んで、ブッシュ、オバマ、トランプと各政権がひっかきまわし、経済制裁をしまくって、次から次からベネズエラの商売が成り立たないようにして、インフレ起こして、人々に「お前の大統領が悪いからこうなのだ」を毎日毎日メディアを通して擦り込んで、ついにクーデターを起こしてみた、というだけの話。

 

あと、同じ元外交官の人が、人々はこの人を支援している、といって割れてる社会の一方を持ち上げるというのは、ボルシェビキのアイデアなんですよ、という指摘も重要。いやまさに、アメリカこそボルシェビズムの本家!

誰なんだ、親米派を保守とか言ってた奴らは、とこれまた大笑い。アメリカの左翼性を指摘し続けてきた西部邁が懐かしい。

 

■ 喜劇部分・悲劇可能性

今後も喜劇は続くんだろうけど、多分マドゥロ政権が国連に議題をもっていくと、アメリカ、イギリス、フランスが、どうあれこの喜劇を承認するわけでしょ?

大爆笑してしまうわけだが、大真面目に英米仏の外交官とその付属品みたいな各国の外交官が眉をつりあげて、これがデモクラシーです!とか叫ぶんでしょうね。想像しただけで大笑い。

しかし、こんな、外国政府が、他国の憲法秩序を無視しまくって特定の個人に大統領であると宣言させるとそいつが大統領になる、といったスキームを喜ぶ国はそう多くはないでしょう。

イギリスあたりは、スコットランドとかウェールズ、アイルランド出身者を外国政府が指名するとか、なんなら互いに相互承認するとかしたら直ちに割れる。それでいいんでしょ?

 

で、外交的には喜劇しか待ち受けないが、アメリカが引っ込まずに、勝手に兵隊だして、自分がつけた大統領をリーダーとして入り込むという可能性がある。

この場合、要するに一国の乗っ取り事案となる。

まぁもともと泥棒して作った国だから仕方ないんだが、当時と違うのは(笑)、ベネズエラはいわゆるアメリカの原住民だった人たちの社会組織より大分しっかりした組織を持ってる。

ということは市街戦をしたいのだろうか?

ここで使われる米兵は、ただの強盗の手下に過ぎないが、それでもアメリカ大統領は、自由と民主主義のために戦ってるとか言うんでしょうね。

どうなることかわかりませんが、一つわかるのは、現在破壊されているのは法的安定性を重視した社会だということですね。立憲主義と言ってもいい。

 

■ オマケ

思えば、ロシア人がフェースブックでロシア政府を応援すると、外国からの選挙介入となるとかで、上を下をの大騒ぎなのだが、マイク・ペンスが動画したてて外国の秩序を破壊するとOKなんだろうか。

常日頃はトランプ叩きに邁進している米主流メディアは、ベネズエラ問題ではマイク・ペンスと同期して、やんややんやの大騒ぎだった。

ここからロシアゲートに戻れるんだろうか?

 


 


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3 コメント

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文字通りのベネズエラ侵略政策のアメリカ (ローレライ)
2019-01-24 17:15:32
文字通りのベネズエラ侵略政策のアメリカ、こうして難民とマフィアの暗黒大陸を広げていくアメリカ。
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従来より喜ばれてない感じ (ブログ主)
2019-01-24 17:31:09
ローレライさん、

アメの全体としての政策は誰が大統領になろうがこんなもの、と見切ってるプーチンたちの考えが結局正しいわけですが、新しいトレンドとしては、アメリカ人も従来ほどメディアに煽られて喜んでない。少なくとも、トランプはこんなことしないと思ったのに・・・という人が出てきている。
返信する
奴等も余裕がなくなってきましたね (バアルのような者)
2019-01-24 20:53:13
 ベネズエラが独裁だなんて初めて聞いたわ。
奴等に体力が有り余っていた頃は、独裁政権のもと人々はこんなに酷い目にあってますと何処からかイメージ動画が涌いてきて、下ごしらえに数年、国際世論をあの手この手で革命やむ無しと思わせて、いざ、正義の味方参上!と良くできていたモノですが、唐突過ぎ。
 基本的に他所から奪うことで生きている、自ら取り分のパイを増やすことが出来ない奴等だから、彼らの仲間内における彼ら流の合理化(リストラ)で、世論醸成工程を無駄として省いた結果ではないですかね。だから誰も希望していない行為を直接的に行い、バカ丸出しになるばかりでなく、過去の余罪まで明らかになる。
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