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永続戦争論者に未来はあるのか

2016-07-03 23:17:50 | 欧州情勢複雑怪奇

数日忙しくしている間にも世の中ではきな臭い、血なまぐさいことが相次いでいた。知らなければ平和なんだなと皮肉なことを思う。

日本人が犠牲になったダッカもそうだし、その前にトルコ、イラク、またトルコといわゆる過激派グループの所業と思しき事件が起きている。

で、このダーイッシュ(IS)は別に自然の成り行きでできたグループではなくて、あきらかにアメリカのイラクでの大失敗の副産物だし、その上、このグループが発足してから1年数か月、プーチンのロシアがマジで戦いを挑むまでアメリカはあーでもないこーでもないやっていた、つまり彼らは特殊な関係にあるのだろうと今日もはやそんなことは秘密ではない。

だから、前から書いている通り、よーするに、the Westさんは、

ムジャヒディーン→アルカイダ→IS という「駒」と手を切れるのか

というのが今日の世界の安全保障にとって最大の問題だと思う。

前にプーチンが、傭兵を雇うのは金がかかる、傭兵に戦争をやめさせるのはもっと金がかかる、とバルダイ会議の対話の中で言っていたが、まさにそれ。で、最初のジハードに火をつけた人たちは一体全体どういう見通しを持っていたのだろう?と考えては、ダメなんだと思う。

なぜなら、これは失敗ではなく、世界中に紛争の火種を散らばしたという意味で、永続戦争論者にとっての勝利だからだ。

恐ろしい話なんだけど、でもロジカルに考えるとそうとしか結論できない。

つまり、(A)ジハード利用を止める決意をする、永続戦争論を捨てる、という決意をアメリカってかその後ろにいる人たちが決意してくれるか、(B) 各国の諸国民が彼らの意思に応じない決意をする、(C) その混合、という状況が来ない限り、世の中安定しないってことでしょうね。
 

■ とはいえちょっとは朗報?

とはいえ、なんとなくじわりじわり、それら永続戦争論者(ネオコンとでもトロキストとでも)、あるいはカオス歓迎派、ステルス帝国論者、なんでもいいけどそういうヤバい、危険な人たちがちょっとずつ押されているような気がしないでもない。少なくとも、こいつらは悪い人です的に暴露されてきているように思える。

FBIはついにクリントンを事情聴取。事情聴取を受ける大統領候補ってどうなのよと言われ続けて何カ月って感じだけどとりあえず一歩前進?

FBIが3時間半にわたってクリントン氏を事情聴取
http://jp.sputniknews.com/us/20160703/2414557.html

 

また、ウクライナ危機勃発からつい去年の終わりぐらいまでNATO最高司令官だったブリードラブ氏が、オバマ宛のメールで危機を煽っていたことが、ハッキングされたメールから判明した模様。

Hacked Emails Confirm NATO Push To Provoke, Escalate Conflict With Russia
http://www.zerohedge.com/news/2016-07-01/hacked-emails-confirm-nato-push-provoke-escalate-conflict-russia

そもそもこの司令官はアメリカでも不評中の不評だった。多少なりとも軍を知ってる人たちは怒ってた。恐ろしいことを平気で言いまくってたから。いい加減なネタでロシアを締め上げてる状況で、正確な表現は忘れたけど、必要ならロシアと戦争して勝つ、とか言いきってたんだけど、ちょっと待て、ちょっと待て、なんの理由でそんなことせなならんのだ、とアメリカ人青くなるの巻みたいなことが再々あった。

なんで首になったのか誰もよくわかってないんだけど、一説によればウクライナに米が軍事支援をするか否かを上院が審議するみたいなフェーズの時、ガセネタをかましたグループがいて(危機を煽ってありもしないロシア軍の行動を写真にとって、つか作った)、その一味だったんじゃないかと言われている模様。そもそも任にあたるようなキャリアではない(実践体験不足)、という説も根強い。

 

こういう人もいた。元ポーランド大統領のワレサが、バルト海でちょっと前に起きた米海軍駆逐艦へのロシア機の接近の事例を受けて、俺だったらロシア機を撃ってたな、と得意げに語ったそうだ。

元ポーランド大統領:私ならロシアの飛行機を撃墜しただろう
http://jp.sputniknews.com/politics/20160704/2417698.html

これがポーランドの怖いところ。そして1920年の独立以来何も変わってないしどうやら学習もしていない。その行為を自分が取ったらそのリアクションがどうなるのかまで考えてない人が上に就きがち。で、その上、それらすべての発言が自分たちが強い方についているからという前提から言ってる(昔は英仏、今はアメリカ)ので、周囲は実は困惑または鼻白んでいるのだが、なぜだか絶対にそれがポーランド人には認識されない、ってのも変わってない。

まぁワレサと前の法王さんは西側のお使いだったって話は確定でいいんでしょう。

 

■ 逆に行ってるドイツ人

いささか趣は違うけど、ドイツ人のYouGovの世論調査で、東欧(というかバルチック+ポーランド)へのNATOの軍備増強に賛成しているドイツ人は9%しかいなかったという話。

Only 9% of Germans back NATO buildup in Eastern Europe ? poll
Published time: 30 Jun, 2016 15:18

https://www.rt.com/news/349023-steinmeier-nato-buildup-poll/

また、同じ調査で、ドイツの外相ステインマイヤー氏が先月NATOについて発言した考えに対して、回答者の64%が賛成と答えたという。

ドイツ外相は何を言ったかというと、

私たちは、戦争を挑発したり強気に出たりして状況を悪化させるのを避けなければならない

東部国境でシンボリックに戦車のパレードをすることが同盟(NATO)のセキュリティを強化することになると考えている人はみんな間違ってる

NATO拡張、東地中海、アルカイダ

と、つまり、挑発しているのはロシアとうよりNATOだろ、と言っちゃたわけです。

西側の属国のリーダーとしてはなかなか言えないようなことを言って静かに話題になっている。

この人の発言、行動が西側メディアでほとんど大きく報じられないのは価値がないからではなくて、価値が大きすぎるからでしょう。

さらに一般ドイツ人が、反ロシアのプロパガンダの密度ではドイツがおそらく一番じゃないかと言われてる酷い酷い状況で、かなり冷静でいるようで安心した。
 

■ 非West動向

あと、もっと構造的な問題として上海協力機構(SCO)のメンバーが増加する見込みってのも焦点ですね。現状は、パキスタンとインドを入れることに専念しているらしいがどうなるものか。また、イランを巡ってはロシアは押し、中国が拒否ということらしいんだがこれは何を意味してるのか。よくわかりません。

さらにもっと複雑なのは、シリア、エジプト、イスラエルがSCOに加盟申請すると報じられている。

なんとなく、こっちのチームが国連になってるって感じがする今日この頃。仲良しクラブじゃないってところがいいじゃないですか。

いろいろ紛争はあるだろうが、必要ならまず話せと言ってモスクワ幕府にみんなして足しげく通って苦情を述べてるような状況。ロシア外務省は問注所か。

で、鎌倉の老人が、とか足柄の老人がとかいうのと同じノリでシナの大人みたいな勢力がじっくり構えてサジェストしたり、金を用立てるるみたいな。あはは。

ま、なんてか混乱してるのは要するに西側だったな、って感じ。

 


 

グローバリズムが世界を滅ぼす (文春新書)
Emmanuel Todd
文藝春秋

 

世界を戦争に導くグローバリズム (集英社新書)
中野 剛志
集英社

 


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2 コメント

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極悪 (ブログ主)
2016-07-04 13:26:18
そうなんですよね。そのまさしく闇に行きつく。

そう考えると英米共に一般人が叛旗を翻しているのは朗報ですね。そこしか突破口ないですから。一進一退あるでしょうが。
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『思考麻薬』 (ローレライ)
2016-07-04 06:23:18
『文化人類学』を悪用した死に急ぐ『思考麻薬』が30年戦争からオウム、アルカイダまで『麻薬を拡散』されて来ている。やはり拡散元としてイギリスの影が濃いのは『アヘン』と似ている。
返信する

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