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マレーシア航空機事故:ロシア支配地域からの撃墜だとオバマ大統領が明言

2014-07-19 02:07:12 | 欧州情勢複雑怪奇

マレーシア航空機の事故が酷くて悲しい。事故にあわれた方、ご親族、ご友人等々みなさんに心からお悔やみを申し上げたい。

マレーシア航空機がウクライナで墜落した件を見てまず最初に思ったのは、またマレーシア?ということ。これもやっぱりへんだといえばへんだが、それはそれとして、事故の原因はいわゆる親露の分離派が地対空ミサイルを使って高度1万メートルを飛ぶ航空機を誤認してミサイルを発射したことで、そのための装置を提供したのはロシアに違いないのでロシアが悪い、という話に落ち着いているようにみえる。さっきオバマ大統領がその線で演説をしていた。

<マレーシア機撃墜>「露側地域から発射」米大統領が声明
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140719-00000007-mai-int

 【ワシントン和田浩明】オバマ米大統領は18日、ホワイトハウスでウクライナ情勢に関する緊急声明を発表した。同国東部で墜落したマレーシア航空機について「ロシアに支援された分離主義者(親露派)の支配地域から発射された地対空ミサイルにより墜落した」と明言した。

とはいえ、実は何も実質的な証拠というのは提示されていないに等しいと思うんだけど・・・。バイデン米副大統領が軍やら諜報機関が分析して判明したみたいなことを事故後1日も立たないうちに言っていたけど、分析ってそんなに早く終わるものなのか?

それどころか、BBC他のイギリス系メディアなんて、まだどこがどこだけわからないうちから、親露派の誤爆、地対空ミサイルはロシアの支援だ、だからロシアに責任があるという論を張っていた。その上、それこそまだ現場に多くの記者が駆けつけられたとは到底思えない時間帯に、BBCはこの事件は「ウクライナ危機におけるゲームチェンジャーか、という外信記者の記事さえ載せていた。悲惨な事故の当日に見出しに出すような言葉か?Malaysia plane MH17: Game-changer in Ukraine crisis?

それに続いて、twitterで流れた親露派のメッセージによれば、自分で撃ったと認めてるとかなんとかいうんだけど、でもこれって「証拠」とは言えないでしょ? アカウントなんてどうとでも使えるんだし。偽情報がばんばん出て来るのが現在の世の中。

地対空はいかにもそれっぽい気はするし、そうなんじゃないのかな、と思ってもいるんだけど、でも、絶対に地対空だという証拠もまだないように思うんだけど・・・。戦闘機で空対空で爆破という線はないの?と思ってみたりもする。(きれいにモニターされていた、ということなんだろうと信じるけど)

そして昨日中にUKが国連安保理の招集を提案して、今日開かれた安保理では、アメリカの国連大使が、「信頼できる証拠がある」と述べていた。

とりあえず、3日ぐらいはみんな遺体や遺品の回収に全力を尽くして、調査をして、という期間だと思うんだけど、その前に既に話が決められていく。親露派が誤爆した、地対空ミサイルはロシアのだ、だからロシアが悪い、というストーリーが展開される。この速度は何?

悪く考えれば、この線で強引に話を進めることにしたということなんでしょうかね。

で、陰謀論的に考えると、これって英米(というか今回のウクライナ強硬推進派グループ)からの、ロシア政府へのオファーじゃないのか?

つまり、親露派が悪い、親露派の「誤認」による発射をロシアに認めろということじゃないのかな、と。なんでかというと、ロシアが直接やったわけじゃないから受け入れられるだろう、ということ。で、ではその対価は何かというと停戦させてやる、じゃないの?

■ 嘘の枠組みのままで勝負するつもりのオバマ政権

オバマ大統領は今日も「嘘」をついていた。ウクライナ東部はロシアが支援をやめないから不安定になっている、ウクライナのポロシェンコ大統領の停戦の試みを潰している云々みたいなことを言っていた。いや~、それって時系列的におかしいでしょう。停戦に努力をしていたのはロシア、ドイツ、フランスで、ぶっちぎって停戦を継続させずにそれどころか停戦中に体制を立て直して攻撃を再開し住民制圧をしていたのはウクライナ政府で、その後ろにはアメリカがいると今日殆ど誰でも知ってる話になっちゃってますがな。

で、実際オバマ大統領も頭がいいんだかバカなんだかわからないと思うのは、「ウクライナの領土の一体性を守るために、ウクライナ政府を支持する」と今日も言っていたけど、問題になっているのは、ウクライナの領土の一体性を守る vs 住民が自治する権利 。で、アメリカ政府は前者を強行規定みたいに読み込んで、後者を絶対に認めない、後者を主張して武器を取るものはテロリストだ、テロリストは殲滅してもそれは国家の権利だ、ってな論旨でウクライナのポロシェンコ大統領を支持しているわけ。米国務省は毎週そんな話しているわけです。

だから、ポロシェンコの言うことを額面通り支持するとは、実効としては、まつろわぬ住民には砲撃せよ、それが国家だ、ということになっていたのが過去3か月なわけです。(ある意味、オバマ政権はイスラエルに似ている)

だから、俺らは平和を願ってるのにロシアが~、というのはオバマ自身が述べている原則とも合わないわけ。ポロシェンコに、対話しろ、とにかく東部・南部と議論しろ、話はそれからだ、と強制できなかったんだから。

そして、ロシア以外のどの国も、ドイツもフランスも、停戦を呼びかけはするが、直接にウクライナ政権の態度を批判できないというのが何かを物語っている。つまり、ウクライナ政権は特別に保護されているということ。

まぁとにかく、要するに、このオバマという大統領はどこまで行っても弁護士なんだろう。弁護士が全体ピクチャーを見ないで、自分のクライアントの利益だけを取りに来るというのと同じ。

ということは、この大統領に可愛がってもらうためには、彼のクライアントにならないとならない。つまりお金を払うか、子分になるか、みたいな感じか。(なにか、アメリカの根幹に触れた気がした)

■ このままいけるのか

酷い言い方だけど、米と英は、事故をいち早く利用しているわけですね。本来なら予備的結論を出すにも3日やそこらはかかるのではなかろうか? で、その間は慣例的には、悲しんでいる人の悲しみを一緒に引き受けようみたいな服喪期間だと思うんだけど、そうする間もなく、話をまとめにきてる。なんだかなぁ~と思ってしまう。

つい2日前までは、キエフ政権はかなり難しいことになっていた。それは、あまりにも住民を攻撃しすぎるから、ウクライナ国内の人たちだって、ロシアが嫌いだろうがなんだろうが、とにかくこのキエフ政権はヤバすぎるとなっていきつつあったから。
対外的にも、欧州各国が、オバマ政権がしかけた制裁に付いていかない、少なくともかなり手を緩めた制裁しかしようとしない状況にあり、その根本的な理由はアメリカの押しの強さにあったにせよ、ウクライナを停戦させられない恐ろしい状況にもあった。

昨日からは、悪いのは親露派の誤認によるミサイル発射で、それを提供したのはロシアに違いないのでロシアが悪い、そうだ、最初っからロシアが東部住民を焚き付けなければこんなことにはなっていない、と言えるような・・・・感じになってる。

今後この「感じ」がどこまで続くのか。ロシア政府が親露派主犯論に与して、まぁそういうことで、となる可能性もなくはないと思うけど、いずれにしても何か決められる段階にあるんだろうか?

今日開かれた国連安保理では、チャイナの国連大使が、今必要なのは事実を確定することだろ、結論に飛びついて予断を許して非難しあうことじゃない、と言ったそうだけど、まさにそういう時期なんです、はい。言われるまでもなくそうなんだけど、それとはまったく対照的な生き方をしちゃっている The West の今日この頃。

"Safety of the international civil aviation must be guaranteed. Our priority now is to establish facts. Pending that, it is not advisable to jump to any conclusion, make any assumptions or trade accusations. We support conducting an independent, just and objective investigation of the incident," said Liu Jieyi,

http://english.cri.cn/12394/2014/07/19/2941s836722.htm

なんでこんなところで中共に点を取らせてるんだよ、とそりゃ私だって思うけど、正しいことは誰が言っても正しいと思う派なので、ここはおっしゃる通りと言いたい。

 


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