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メルケルの難民政策がヨーロッパを分断する

2015-09-23 01:45:20 | 欧州情勢複雑怪奇

産経、読売がネオコン気味なのは初期仕様だが、日経は何なんだろうね。グローバリスト全開みたいな感じなんですかね。

欧州の移民問題についての記事がiいろいろ凄い。

EU、難民12万人の受け入れ分担決定 賛成多数で可決
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM22H7T_S5A920C1FF1000/?n_cid=TPRN0005

分担案は14日の臨時理事会でも協議したが合意できなかった。分担を巡って、ハンガリーやチェコなど中東欧諸国が反発したためだ。しかしEUは早急な導入が不可欠だと判断。22日の理事会では加盟国による採決に踏み切った。ハンガリー、チェコ、スロバキア、ルーマニアが反対票を投じたものの、賛成多数で分担案の導入を決めた。

難民の受け入れを拒否している国があったため分担が決められなかったのだが、ついに多数決で無理やり受け入れさせることを決定したらしいんだが、こんなのどうやって強制するのだろう?

ついにでいえば、ハンガリーやチェコなど中東欧諸国とぼかしているけど、急先鋒は4か国で、それは、ハンガリー、チェコ、スロバキア、そしてポーランドだった。ドイツがこの4か国になんだったかの資金援助を止めるとかいって脅していたのを読んだ。

さらについでにいえば、この4か国、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーと並べてみるとドイツがロシア圏を攻める時の道筋国家とも言えるわけで、やっぱりこのへんを平定したいんだろうなぁ、ドイツはとか思ってしまった。

でも、現在非常に混乱しているのはハンガリー、セルビア、クロアチア。

(図は下のシュピーゲル誌から)



また、ハンガリーはオルバン首相がEUのみならず、おそらくいわゆるディープステート系の影の金持ち軍団にとって都合の悪いことばっかり言ってる、やってる、と考えられている人。

そこで、これってハンガリーを難民を使って不安定化させてるんじゃないかという陰謀論も出てくる。ポーランドを言いくるめて反対の国から外しているってのも何か政治的な感じがする。でも、ポーランドもこのへんの国と同様、排外的な人が多数含まれていた過去があり、かつ現在でもそうですよ。グローバリストが勝手に化粧させてるだけで。

で、まぁ、実際、各地域でいろんな理由があるわけですよ、とにかく。

にもかかわらず、いつからそんなに偉そうなことを言える国になったんだ、日本は、なのはこれ。

 同首相は強権的な政治手法で知られ、難民問題ではEUに対峙する姿勢を強調して国民の支持を得ようとの狙いもにじむ。1980年代まで社会主義体制だった影響で国民意識のグローバル化が遅れ、イスラム教など異文化への抵抗感もなお根強いことが背景にある。

 

難民受け入れ問題におけるハンガリーの対応には一切同情がなく、さらに、社会主義体制だった影響で国民意識のグローバル化が遅れているときたもんだ。

日本って難民申請5000人に対して許可された人が11人とかいう、この件に関してはまったくグローバル化もくそもないほどガードが堅い国家なんですけど・・・・。私はこれを悪いと言ってないです。いろいろ言い訳しながらガードを高くしていくべきと思ってる。

しかし、だったら、まったく不案内な国を誰に教わったんだか知らない偏見で描くのを止めろ、とまずそこだ。

私が(多少なりともナショナリストの)ハンガリー人だったら日本を許さないとか言い出しそうな記事ですね、これは。

難民というとき、英米メディアが提供するのはいつもかわいそうな子供とかの写真だけど、青年期の男子が数百人徒党を組んでやってきて、フェンスの向こうで「開けろ!」と投石し、壁を作ればけ破りだす、ってもう難民の範疇じゃないと思う。その時点で、あなたの国ではそういう人をそういう状態で入れたいですか?って話でもある。(ハンガリーの騒動youtube動画

実際、ごくごく少数ではあろうだろうが難民の中にはテログループのメンバーだった人がいたという騒ぎもあって、欧州人はさらに恐怖しているわけですよ。(最新のはこれ

何かやっぱりこの難民問題はおかしい。多数の欧州人が危機感を募らせるのもまったく無理はなく、EUという機構は相変わらず欧州の一般人のためには存在していない。

■ ドイツ:メルケルおかしいかも

そうこうしているうちに、ドイツ国内では、メルケルはおかしいだろーという声が強くなっているようで(そりゃそうだ)、今日の英語版のトップ記事は、

Mother Angela: Merkel's Refugee Policy Divides Europe
http://www.spiegel.de/international/

マザー・アンゲラ:メルケルの難民政策がヨーロッパを分断する

ということで、メルケルが修道女のおばさんの恰好をさせられてでかでかとさらされている。なんか、シュピーゲルじゃなくて、イギリスのタブロイド紙みたいだ。

要するに、メルケルが、私たちは彼ら(難民の人)を受け入れられるのです、やればできるのです、みたいな態度になっちゃってて回りはみんな困ってるわけ。もちろんドイツ国内も。

だから、この問題は、日経がどうどうと書くような、社会主義だったからグローバリズム体制に遅れてるみたいな話じゃないんですよ。グローバリストに洗脳されてないからいかんのだ、というのならわかるけど(笑)。

そもそも、中東欧側からロシアにかけては多民族モデルの帝国、すなわちオーストリア・ハンガリーとロシア帝国が、うまーく各民族を活かしていたのに、それを国民国家ごとに垣根を設けて、何がなんでも独立だ~、帝国はすべて野蛮で遅れてて、ひどくて、et. とかバカなことを言い出して混乱させたのは英米+ドイツ。

そうだ。社会主義体制内だったからグローバリズム体制に遅れた、とかいうのなら、本家であったロシア連邦がかなりしっかりいろんな国からのいろんな民族、いろんな宗教の人がかつても住み、現在も普通に受け入れちゃってるといういう現実は日経的にはどうなるの?

 


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2 コメント

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『難民追い返しへシフト』 (ローレライ)
2015-09-23 08:02:42
【独】過激な難民抑止策を採用するドイツ政府
の手の平返しhttp://summingup.seesaa.net/pages/user/m/article?article_id=426443607
返信する
無理なことしてるEU (ブログ主)
2015-09-23 19:52:49
リンク先、貴重な翻訳だと思いました。そういう一人ひとりの立場から見たらこういう話ですよ、というのが難民問題に対処する上で重要と思います。

だからこそ、メルケルのやり方が批判されるわけですよね。一見優しそうだけど、実は非常に酷いことをしている。なんなんだあのオバハンは!
返信する

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