いよいよ選挙戦だそうで、テレビやら主要メディアに安倍ちゃんが出まくってるらしい。見てないから知らないけど。あとあちこちで演説しているんだそうで、そこで現場で見たのかテレビで見たのか知らないけど、今日、知人が、「みんきょー、ミンキョ、というから、何それ、ミンキョウ、みんきょう、みんきょ?と思って聞いていて、だんだんわかったわ、民主党と共産党をまとめて言ってるわけね」と、ネット民が聞いたら驚くようなボケたことを言っていた。
耳で聞いたらなんだかわからんよね、たしかに。じこー、じこーってのは長くやってるから馴染んだだけで。
なんとなく、安倍政権って長らく続いた自民党政権とは何の関係もない、ただの変わり者というか、色物というか、いやもう際物って感じがするなぁとあらためて遠い目をしていしまう今日この頃。
■ 国内産農作物に沸くロシア
それはともかく、今日は6月22日。ナチスがソ連に侵攻した日。だもんで、ロシアおよびその周辺の旧ソ連圏内では、記憶と哀悼の日として行事などが行われている模様。
そういうわけで、今日はちょっとロシアのいい話を書こうと思う。
ロシアの小麦生産量が増えて、2016年、アメリカを抜いて世界一の小麦輸出国になるという話は前に書いた。
ロシア、2016年小麦輸出世界一になる見込み
しかしそれだけでなく、農作物全般に俄然やる気を示していて、小麦他の穀物だけでなく、野菜にも力を入れていると、Bloombergが書いていた。
Putin Is Growing Organic Power One T-34 Tank-Tomato at a Time
http://www.bloomberg.com/news/features/2016-06-07/putin-is-growing-organic-power-one-t-34-tank-tomato-at-a-time
今回のはしかし、ソ連とは違って国がこうせいああせい言うというより、ロシア国内の大金持ちが、そうだ農業儲かるやんけ、ということに気付いて俄然野菜に投資しているという話。ヨーロッパでホテル買収してる場合違うやろ、と。
Bloombergの書き方では、スターリン時代と違って、prison(監獄)ではなくprofit(利益)で振興してる、と。あはは。
で、その中でもこの記事が取り上げていたのはクラスノダール地方の南の端っこの方の話。そこで大金持ちの一人がトマト栽培に投資したそうで、そのキャッチフレーズ(?)に、T-34トマトとか言ってるらしい。T-34というのはナチス戦で大活躍した戦車のことで、まさしく救国の戦車として名高いやつ。だから、国産野菜で国を救おうということなんだろうか? よくわからないけど、でも、気持ちはわかる。
で、ロシアの農産物の収穫量はプーチン時代にこのような推移を示しているのだそうだ。凄いね、これ。
2020年に食料自給率100%を目標としている模様。穀物だけでも十分安心しろよと言いたいものがあるけど(笑)、それどころではない模様。
左端が1999年、右端が2015年。ブラウザを横に広げると全体が見えるはず。
で、Bloombergによれば、農産物の輸出高は、既に武器輸出並になってるという話。
(私が思うに、通年では確かにそうかもしれないけど、今年はミサイルシステムだのなんだのと値のはるものが売れてるから武器の方が勝ってるのでは?とは思う。)
■ そうだ、国産でいいじゃないか
2014年、折からの欧州からの経済制裁に対するカウンター制裁としてロシアは欧州産の食品を部分的に結構な量制裁した。
西側プランとしては、そこで同時にルーブルを売り崩す、そうなると輸入品が買えなくなる、物価があがる、ロシア人の大部分の人が生活に困る、社会不安が起きる&起こす、それをプーチン政権批判に結びつける、だったんだろうけど、どうも大失敗っぽいですね。
私は、そもそもこのプラン自体が、悪魔の所業だと思ってます。
一般人、特に恵まれない立場の人がより多く苦しむことを見越してあえてやってるから。これに気付いた人は西側にも多少はいたわけで、2014年のクリスマスにイギリスのジャーナリストのピーター・ヒッチンズがある種懺悔してるみたいなトーンの記事を書いていたのを思い出す。
でもまぁ、この悪魔の所業は思いつきではなく、思想だろうなと私は思うんですよね。イラクの子どもたち50万人が犠牲になるような経済制裁を課したアメリカへの非難があった時に、マデリン・オルブライト国務長官は、厳しい判断だが、やる価値があった、と言ったんですよ。これと同じだと思う。ここでpriceという語がつかわれたことが非常に印象的に残る。
まぁしかし、ロシアはイラクとは違ったわけで、西側に制裁されたんだったら国産で行けばいいじゃないかとなって、以来、様々なものが国産化されていったようだ。そして、とりわけ農業生産量があがったことによって、悪魔がうししと願ってた低所得者を狙い撃ちするインフレも思ったほどにならず、むしろ最近は安定基調になってきてる。
そして、その動きの中でロシア人がゲットした最も大きなものは、輸入品はいいものなんだ、というある種の信仰にも似た思い込みが完全に払しょくされたことだろうと書いていた人がいたけど、そうだと思う。こういうのって理屈じゃない思い込みの部分が大きかったりするから(ブランド信仰と同じ)、理屈では覆らない。でももらったきっかけで覆っちゃった、と。
そして、気がついたら、俺らんところには土地があるやん、そやな、ってことになって今度ますます農業に力を入れる気になっている模様。休耕地がまだイラクの面積ぐらいあるとBloombergは書いている。さらに、プーチン政権は遺伝子組み換え食品を認めない派なので、ロシアはオーガニックフードの基地になるよ~んというスローガンもゲットしてしまった。
Bloombergはそこまで書いてないけど、私が思うに、ロシアの場合、土地があるだけでなく、国土の大部分で水系が非常に豊かだというのも大きいと思うな(豊かというか雪解け水で洪水になる地帯が多いともいうけど)。また、南側に中国のみならず、インド、中東と水という点で難のある地域を抱える地域が多数あるんだから、じゃんじゃん農産物、特に穀物を作って南に輸出するというのはとても良いアイデアだと思う。黒海はもともと交易で栄えた場所なんですよ、と。
さらに、石油だか天然ガスだか知らないけど、これら国内に文字通り売るほどあるものをその時々の状況に応じて農家にとってのベネフィットになるよう国策を上手に動かしていけば、ハウス栽培促進条件、バッチリ簡単に促進と思う。
こうやって考えてくると、結局、ナチスはだからこそこの広大な農地候補の場所をドイツ人のものにするべきだ、とか言い出したんだろうなぁとまぁ思いますよ。ウクライナは特にそう。6月22日にこういうまとめってどうなのと思うけど(笑)。
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ロシア革命後の干渉戦争で、西欧や日本は傀儡政権作りに加えて無茶な経済封鎖・禁輸を散々やってますよね?30年代くらいではまだ立ち直れていないんじゃないでしょうか。
そんな状態で基金が起きて死人が出まくっても、スターリンにしてみたら「私にどうしろと?」とガチで思っていたかもしれないと思いますが、いかがでしょうか。
ウクライナの政権(というか実際には北米のウクライナ主義者って気もしますが)は、なにがなんでもこれは人工的に起こしたのだと主張してるみたいですが、複合的なんじゃないですかね。
第一にウクライナのみならず他の地方でも餓死者を出しているぐらいに不作だった、第二に、WWIから内戦で労働力が不足していた、第三にボルシェビキによる産業改革が急進だった、その上で、第四に、内戦からの成り行きでウクライナに対する配慮みたいなのは多分遅かった、足りなかった、みたいな・・・。
ウクライナ問題のおかげで過去2年間いろんなところでこの話を書いている人がいて時々読みましたが、ウクライナ人でも、スターリンがわざとというのは学校でそう教えるから若い奴らがそう信じてるが、そうじゃないと主張してる人もいますね。一人のせいにするのはちょっと無謀なんじゃないですかね、本当は。