日本の選挙ももちろん気になってるんだけど、EU離脱問題が気になる。
最近の議員さん殺害事件を受けたイギリス政府および各国政府っつーか主要メディアというかの動きを見るにつけ、むしろ、問題の大きさを彼ら自身が示してるなぁと感慨深い。
で、仮にEU離脱が僅差で否決されたとしても、それでEUが安泰かというとそういうものでもない。最近のピューリサーチの結果が相当に興味深い。下のタイトル通り、Brexitがあろうがなかろうが欧州懐疑派はいるって話です。
Euroskepticism Beyond Brexit
http://www.pewglobal.org/2016/06/07/euroskepticism-beyond-brexit/
まず、EUに対する加盟各国の全般的な受け止め方がそもそもとても違う。
最も好意的に受け止めてるのは、ポーランド。ギリシャはその真逆。あとはなんともいえない感じですね。
オレンジが、好意的でない、オリーブ緑が、好意的
興味深かったのはこれ。
かつてないほどに近い連合になるかどうかについて。
オレンジ 権限のいくつかを各国政府に返すべき
グレー だいたい現状通り
オリーブ 各国政府はもっとEUに権限を委譲すべき
ギリシャとイギリスだけがはっきりと権限委譲に反対で、各国主権尊重派ってことになるんでしょうね。それに続くのがスウェーデン、オランダ、ドイツ。
権限移譲に好意的と呼んで読めないことはないのはフランス、スペインなんですね。ユーロ加盟国でもあるわけだから、つまり、完全な一体化に賛成の人が結構いる、と。ということは、上と重ねて考えると、フランスでEUに好意的でない人の中には多数、現状ではダメだ、もっと統合すべき派がかなりいるということになるんでしょう。
並べてみると、ポーランド以外は伝統的に左派が強い国でEUに好意的なのかもな、とまず思ってみたりもする。基本的にEUを売り込んだのは左派主体だから。
しかし、よく考えるとポーランドを含めてカトリック優位の国が総じてユーロに甘いといえる気もする。
■ ロシア、中国、アメリカは脅威ですか?
何カ月か前の同じピューリサーチにも興味深い分裂がみられた。つか、ずっとそうなんだけど。
自分の国とっての主要な脅威として挙げた人の割合というちょっと複雑な取り方なんだけど(その前の項目の合算みたいなもの)、ざっといって、ロシア、中国、米国について脅威だと思いますかと尋ねたらこうなりました、と言っていいかと思う。
で、あれだけ毎日毎日ロシアがロシアがロシアがと、あたかも明日戦争するのかという騒ぎを2年間しているにもかかわらず、ロシアとの緊張が脅威だと答えた割合が目立って多いのはポーランドだけ。
他は、中国に脅威を感じてるところもあるし、米国とはっきり答えてる割合も一定異常全部にある。これってどうなの、同盟としてって感じだよね(笑)。
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EUプロジェクトってCIAがらみともいえるし、カレルギー伯爵の線からも言えるし、ヒトラーからも言えるけど、イエズス会的だな、ってのもあると思ってるんです。
今年のシャルルマーニュ賞(そんなのがあるんですよ)は、フランシスコ法王でしたし、ポーランドのあの法王もこの賞をもらってるし、結構おおっぴらにその線を出しているように思えるわけです、EUってものを仕切ってる人たちは。