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ベネズエラ:中国PLA物資を届ける

2019-04-03 17:00:31 | 太平洋情勢乱雑怪奇

年号なる文字列で大騒ぎをしていていたが、もうそんなことは忘れることにした。そんなパチもん、誰が使うかボケ、といった心持ちで立ち向かう。

サブカル化と年号の終わり

昨日も書いた通り私は元号には意味を見いだしていた方なので裏切られたショックを感じている。馬鹿だと言われようが、今更なんだと言われようが今日まで私はここに意味を見ていたのだと改めてここ数日得心した。そしてそれは私の妄想、幻想、一縷の望みだったのだと思い知る。(念のため書いておけば、一世一元式の年号のことではない。)

かくなる上は私年号を使ってやるとか思っていたら、宗純さんのところを見るに安富先生も同じような発想をされている模様。むべなるかな。


それはそうと、ふざけてんじゃねーよこのパチもんレジーム、などという罵倒のモードに満ち満ちた不愉快極まる日々で書くのを忘れていたが、3月30日に、中国人民解放軍がベネズエラに支援物資を65トンほど持って行っていた。

どうしたわけだか日本語にしていた記事があった。

中国の支援物資、ベネズエラ到着=第1弾に医薬品など65トン

https://www.excite.co.jp/news/article/Jiji_20190330X590/

 【サンパウロ時事】人道危機にひんしているベネズエラの政府は29日、首都カラカス郊外の空港に中国政府からの抗生物質やインスリン、手術用具など医療支援物資約65トンが到着したと発表した。予定される3便のうちの1便。中国はロシアなどとともに、独裁的な反米左派のマドゥロ政権を支援している。

 

で、嘘はないんだが、面白いなぁと思うのは、ロシアの時との違いでしょう。ロシアは100人足らずの人間が軍事もののメンテナンスなのか治安対策に入るのか、どんなスペシャリストなのかは知らないけど、ともあれ行った。別に武装して出かけたという話ではない。また、医療品なども支援してる。

が、ロシアだと、軍が~となり、中国だとあまりそこは考慮されない。しかし、持って行ったのは人民解放軍さん。

https://twitter.com/I30mki/status/1112578904835981312

 

これは結構、西側の勝手な想定にとって、え?だからだったのではなかろうと一応言ってみたい。

インド人の元外交官でAsia Timesにコラム欄を持ってる、結構マイナー or オールタナティブ世界(主流メディア世界ではない)では有名なBhadrakumarさんもそこを指摘していた。

China’s PLA troops in Venezuela is game changer

https://indianpunchline.com/chinas-pla-troops-in-venezuela-is-game-changer/

 

そして、この元外交官はザハロワ報道官のいくつもある言辞の中の一つの言を引用しているのだが、実際これは本当にその通り現状を語る上で重要な指摘だと思う。ざっと訳すと、

(米国)のベネズエラ政府に対する急激なレジームチェンジは失敗した。米国政府は自信を持てそうすることで、ラテンアメリカや西ヨーロッパの諸国をガッカリさせてもいる。どうしてかとうと彼らはベネズエラの首長として選ばれてもいない不適切な人を、よく考えもせずに大急ぎで承認したからだ。この手順を取ることによって、彼らは外交的な行動を取る余地を自ら失っている。

plans for a rapid change of regime in Caracas have failed. By its self-assurance, Washington has let down those in Latin America and Western Europe who unwisely hastened   to recognise an impostor, whom the people had not elected, as the head of Venezuela. By taking this step, they have deprived themselves of any room for diplomatic manoeuvre.” 

http://www.mid.ru/en_GB/foreign_policy/news/-/asset_publisher/cKNonkJE02Bw/content/id/3595365

 

まさしくそう。現在のアメリカの政権もその前もその前も、みんなブッシュ式。有無を言わさず、俺につくか、でなけりゃ敵だ式。

この方式は、相手が倒れなかった、あるいは行き詰まった時のことを考えていない。

考えていないにもかかわらず、不用意で自分にとって都合のいい希望的観測を前提にしていたりもする。それがつまり、ロシアだけ責めて、孤立化させれば、中国はきっと金の算段さえすれば引くとか、あるいはこっち(西側)のアプローチに乗ってくれる可能性はある、というものでしょう。

ところが、現実にこうやってPLAを使って物資を運ばせている。

 

これはマドゥロ政権にとって当然頼もしいが、世界中のベネズエラを懸念するオーディエンスにとっても、どう考えてもネオコンやら宗教右派の跋扈なんか見たくない人は多いわけだから、やれやれ、中国とロシアが一緒って心強い!という話になっちゃってる。

で、だんだん明白になるのは、グアイドというのが馬鹿者でしかないというありさま。でもこの人だけでなく問題は、ベネズエラのお金持ち層の反チャベス動向なので、ここが、アメリカ主導の反・革命で一攫千金を夢見てもぬか喜びはぬか喜びにすぎないんだよ、というところまで降りてこられるようになるかどうかがベネズエラ問題の核心でしょうね。あんたたちが嫌っても、土人みたいな(と彼らは言っていた)チャベスもベネズエラの構成要素だと認められるか、と言い換えてもいい。

 

で、西側のジャーナリスト、あるいは米政権、あるいはdeep stateは、中国とソ連が仲が悪くて、中国がアメリカ支援に回ってた冷戦期後半の想定を捨てきれないんだろうね。

トランプ政権も実は最初からここは指摘されてきたところ。中露がくっついたことを懸念するのは西側的には当然なわけで、だからこそ、ロシアをほめたり、融和的なことを言ったりしてアメリカに引っ張って、それによってイランの疑念を呼び、ユーラシアの団結を緩める、という構想ではなかったのか、と前にも書いたけど、そんな感じ。

が、ロシアは乗らなかった。在外ロシア人がトランプ支持にまわって、大いに盛り上がったあたりで危険な感じになったが(アメリカに対するぬか喜びみたいな)、1カ月ぐらいで収束した。その後は、米でロシアゲートが大騒ぎになり、シリアも半端、対ロ制裁はどんな理由であれ増加し続けてるという現状によって、もうロシア国内も在外ロシア人も、トランプだろうがトランペットだろうがアメはアメだで終わりになってる。トランプは全然期待されてない。

 

というところで、この2年間にこの2人が何度も何度もこうして友好関係にあることを見せているのは、伊達や酔狂でやってるわけではないでしょう。まぁ楽しそうでもあるけど(笑)。

 

 

 


 


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