アジアインフラ銀行の創設メンバーになれる特典付き締切がまじかに迫っている中、なにか日本が入るべきか否かでちょっとした騒ぎ？があるような、ないような。ネット民が騒いでいるだけ？
私は別に入らなくてもいいんじゃないのかと思ってみてた。ただ、表現、表明が稚拙で見たくないって感じ。最初っからアジア全体の開発需要はアジ開だけじゃ足らないことは自明だったんだから、
アジアインフラ投資銀行、結構なことですね、ええ、日本はアジア開発銀行で頑張ります、そちらも頑張ってください、協力できる時にはしましょうね、で良いだろうと思う。さらに付け加えて、
日本の幸福は常にアジアの幸福と一体なのです、ぐらい言ってみてほしい。
こういう鷹揚な態度で構えていればいいものを、日本国の担当者たちは、AIIBの制度の透明性に問題がある、みたいなことを言いだし、民間レベルではチャイナに何ができる、みたいな敵愾心むき出しの構えでいる。この態度が大失敗だと思うわけですよ。大人げない。
透明性云々という文言はアメリカのどこかから出て来た語をそのまま翻訳したみたいに日本国政府は使っていたように思うんだけど、そんなことをおうむ返しにしたもので、イギリスが加盟に歩を進め、ドイツ、フランス等欧州勢がだだっと出て来たところで、日本がなんだか置いてきぼりを食った、みたいな感じになった。この、いわゆる「すっぱいブドウ」的な何かが非常に余計。でもって、その余計を自ら誘ったのが日本国政府。
ぶっちゃけこの銀行は、欧州勢とチャイナの投資銀行になるってことでしょ？
でもって、長期的にはドル支配圏の縮小化を目指す。
ドルは現在、借金主義はどこまでやれるのか、人類はどこまで裏付けのない紙切れをお金として刷り続けられるものなのか、その勝敗はいかに、みたいな賭けをやってるも同然なので、この際ちょっと危険を回避するために元だのユーロだのに頼るってのは別に悪い話でもないでしょう。壊れるかもしれないカメに水を最後まで入れ続けるチキンゲームをやり続けるなら、多少汚れててもデザインが悪くても盛れるものならなんでもいいからそっちにも移そうというのは合理的な選択でもある。
でもそんな壮大な話よりも、なんせ欧州圏じゃもう稼げないので有望な投資先が欲しい、インフラなら政府保証があるし安全保障がからめばチャイナが金出しそうだからとりっぱぐれないだろう、みたいな欧州人の考えではないのだろうか。
■ アメリカの立ち位置
[FT]中国主導ＡＩＩＢ、欧米に亀裂 皆が敗者に
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84933770X20C15A3000000/
孤立する米国、中国主導のAIIBで変わる世界構図
http://www.afpbb.com/articles/-/3043797
といった記事がぞろぞろ出て来てはいるものの、いや～、私はこれってポジショントークじゃないの？と思ってる。
だって、みんなしてほいほいチャイナの試みに乗るのもなんなので、ギクシャクしてますみたいなことを言ってるみたいな。
アメリカは、日本を使ってアジア開発銀行、中国・欧州勢のアジアインフラ開発銀行、と二行に対して両方を仲裁というか、その上に立って見られるようなポジションを取ろうとしているんじゃなかろうか？ 間違ってはいけないのは、現在（過去もだけど）話を決めてるのは国単位じゃなくて、資本家さんたちの寄合都合だってこと。
だから、アジアインフラについても最初っから別に潰そうという本気の勢力はなかった。本気で潰すなら、かつて日本がアジア通過基金を作ろうとした時のように潰すわけでしょ。
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