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For the People Act、米下院通過

2021-03-06 17:31:07 | 太平洋情勢乱雑怪奇
アメリカの様子はクーデター政権のようなわけだけど、実際問題マジでそうだと思う。

焦点になっているのが、H.R. 1, For the People Act(人々のための法)という、壮大な副題がついてる選挙関連の法案。

米下院、選挙改革法案を可決 上院通過は不透明

こう書かれると、大したことない改革法案みたいでしょ。

だけど、これは去年の大統領選挙で問題になった郵便とかID確認がめちゃくちゃだ、バロット・ハーベスティングはおかしいだろう etc.の現状を、むしろ固定化しようという法案のようだ。

だもんだから、気づいた人たちは、これはもうアメリカの民主主義の終わりだろうと頭を抱えている。

下院民主党が、アメリカの選挙を永遠に変える法案を通過させた、とzerohedgeは書いているけど、これは大げさではないでしょう。

House Democrats Pass Bill To Change American Voting Forever

なぜなら、去年見た通り、あのスタイルでやったら正常な、あるいは、私たちが普通だと思ってるような選挙はできなくなる。誰が投票してるんだかまずわからないという投票だから。

ある意味、ネット上の人気投票と変わらない投票になるようなもの、と言ってみたらいいのかもしれない。

そういういわけで、20州の司法長官が民主党の法案(HR 1)を違憲だと非難する声明を出してみたりとあちこちで抵抗は起きてる。

20 state AGs denounce Democrats' HR 1 as unconstitutional

さらにいえば、ロシアのオンラインの雑誌が鮮やかなことを書いていた。アメリカは一党の国を確立するらしい、と。そう、趣旨としてはそれですね。

США устанавливают однопартийное правление

そして、ロシア人は党が上に載った仕組みを知ってる人がまだ多数いる社会なので、ああそういうことかと気づくところがあるんだろうけど、アメリカ人は現在何が変化しているのか気づいてないと思う。

気づいていても、ただただ、社会主義者が~とか、共産主義者が~といった程度の反発をして終わりになっちゃう気がする。


しかし、そういうことじゃない。

ソ連も中国も1つの党が進むべき道を決める存在として君臨するというスタイルを取ってる。そして、それは隠されてない。明示的にやってる。私がそれを好きか嫌いかの問題ではなく、そう。

(ロシアはソ連をやめて複数政党制だが、クレムリンに法定以上の権威がある。これはこの人たちが落ち着くデフォルトの体制なんだと思う)

それに対して、アメがやってるのは、明示的には複数政党制を取りながら、つまりその気にさせながら、実質的には民主党(そのうち名前が変わるとしても)がコントロールする、それしかできないようにする、ということ。

つまり、アメリカ人を騙そうというプランなわけですよ。まずそこに気づけよ、とか思うわけだけど、多分気づかないと思うんだな。社会主義嫌い、共産主義と聞くとヘイトしたくなる、というコンディションをいいように使われていると思う。


ということで、さすがにこれを上院が通すのだろうかという点はまだ不透明なんだけど、多分、これをキレイに葬ることはできないのではないのだろうか?

現状、アメリカの共和党は主体性ある党というより、controlled opposition(制御された野党)というべき存在。

ということは、妥協をもちかけられて、共和党の体面が立つような仕様を入れるとか、言い分を通したふりして実質を取るみたいな恰好で進むんじゃなかろうか。法案自体は廃案になり共和党の体面が立つが、個別法案が通る、とか、そんな感じ。


■ プレゼン

この他にもまだ、警察体制の改革、最低賃金15ドルにするとか、銃規制という、民主党で広く支持されるような法案も民主党が出してる。

つまり、こっちで話題をさらいつつ、選挙制度を通した一党支配構想を作ってるというところでしょうか。

そして、少数者の権利を見つめる私たち、みたいな感じのプレゼンが来て、新しい社会へ、昨日までとは違う世界へ、とかなんとかいうキャッチフレーズなどがあふれる。自国民の根本的な権利を収奪しているわけだが。

■ 統治行為論的世界

で、これはどういう方向なのかというと、アメリカがEUとか日本みたいな感じに向かってるってことじゃないの? 

つまり、本当は国民主権じゃない体制。あるいは、国民議会が首位でない体制。

EUは、Brexit派が騒いだ通り、実際誰が決めてるのかわからないブリュッセルの官僚組織とそことツーカーで指定される、なんちゃら委員長だのなんだのかんだのというのが実質的な力を持ってる。そして、欧州議会というのは単なるアドバイザリー機構にすぎない。

日本もそうでしょ。日本は実質的に一党制。といって自民党がそうだというわけでもない。自民党と野党が適当に折り合ったり、対立したりして、一応そこに国民の意思みたいなものが反映されることもある、みたいな恰好。

ということで、リバティーのアメリカが失われたのは、最高裁がテキサスの請求を原告適格がないと葬った昨年12月のことだったということになるのではなかろうか。



■ この先

ではしかし、これで終わりなのか。まぁ当面どうしようもないと思う。そして、そのまま永遠にどうしようもないのかもしれない。

だけど、まだそうでもないのじゃないかという可能性はあるんじゃないのかなとは思う。

なんとなく第二次世界大戦の組み合わせを思い出させるものがまた来るかもしれない。



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5 コメント

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ロシアの情報 (金 国鎮)
2021-03-07 12:43:49
ロシアはアメリカとかヨーロッパを意識している限り
その影響力を他の世界に拡大できない。
他の世界に向けてロシアが積極的にその内情を発信すべきである。
ロシアが明治時代の東京に威容を放ったロシア正教会を知っているのであれば開かれたロシア人を主張しても問題はない。

昨日、たまたまかってのロシア領であったトルクメニスタンとカザフスタンの天然ガスについてのNHKBSの報道番組を見た。驚いた。
日本のように何もかもではないが国民は十分に
文化的な生活をしている。
トルクメニスタンの街を歩く女性の民族服は彼らの
豊かさを表している。

NHKのBSは最近いい番組を報道している。
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欧+米がロシアに拘ってる (ブログ主)
2021-03-07 13:55:54
金さん、

いや、過去150年を見れば英仏+独+米が過剰にロシアに拘りすぎてるというのが異常なんだと思います。ロシアはドストエフスキーの時代から、ほっといてくれ俺らは俺らの世界に生きたい派。

世界パワーになりたいみたいな欲望もたいしてない。むしろ、グローバルサウスがロシア(ソ連)に希望を見てる→支援する、と言う機序だったでしょう。
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漫才のコンビリストラ! (ローレライ)
2021-03-07 14:22:50
漫才のコンビリストラする民主党!アメリカの政治漫才からリストラされる共和党の抵抗に期待したい!
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マイノリティ政治の狂気 (セコイアの娘)
2021-03-08 14:38:34
女性、LGBT、黒人の次はアルツハイマーか。
バイデンの認知症を、もうこれ以上隠しきれなくなり、公式に認めざるをえなくなったら、どうするか。
開き直って、マスメディア総動員でアルツハイマーキャンペーンをぶち上げる?
「アルツハイマーでもあきらめないで。アルツでも私は大統領の職務を立派につとめあげた」って美談に仕立てる。
「私もアルツだけど、XXができた。」とかってアルツ版Me Tooか。
こんな冗談が、冗談にならないアメリカの狂気。

Biden please let us inって人達が、南米にはわんさか控えているから、将来の票には事欠かない。バロットハーベストやりたい放題で、全米をサンクチュアリ化。
一言断りを入れておくが、南米からの不法移民をヘイトしているのではない。納税者の税金で、不法移民に手厚い保護を与え、自分たちの権力の源泉にしていることが許せないのだ。ちなみに、最近、illegal immigrantsと言ってはいけないらしく、undocumented immigrantsと言わなきゃいけないらしい。この欺瞞。
だからと言って、福音派に組みするかいえば、それもできない。だけど、もうこのナチリベファシズムは心底耐え難い。



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耐え難い (ブログ主)
2021-03-08 15:06:28
セコイアの娘さん、

わかります、耐え難いですよ、これは。
明らかに、誰でもいいから投票させて勝とうという戦略が見え見え。undocumentedはいくらでもいる。

undocumentedは今始まったものじゃないですよ。2000年代に既に見て私は違和感を持ってました。そして、それらの、私の判断では不法移民の人たちが、不法じゃない書類がないだけだとか言ってた。もう、話が通じない世界。

当時は中南米だけじゃなくて中国人の不法移民もものすごいボリュームでした。この人たちも不法じゃないと言ってました。

思えば、過去30年ぐらいず~っとこの調子なんですよ。
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