昨日、ふとUnzレビューというアメリカ人が集うポータルサイトを覗いた。最近はアメリカ度100%の人たちの言論がつまらなくなっているので大して興味をもっていなかったのだが、2週間に1度ぐらいなんとなく見る習慣にしていたので覗いた。
その中で、「月面着陸:人類にとっての巨大なデッチアゲ話なのか?」という記事を読んでしまった。コメントが800も付く、ちょっとした大騒ぎになってる記事。
The Moon Landings: A Giant Hoax for Mankind?
http://www.unz.com/article/the-moon-landing-a-giant-hoax-for-mankind/
長い長い文章なのだが、月面着陸に対する疑いの歴史から各種の論まで、あんまりフォーカスを絞らず網羅的に並べてあってその点で便利な記事だと思ってだらだらと読み進めた。
私自身はそんなに大した興味を持っているテーマではないのだが、過去数年にあちこちで既に読んだので、ああそれ、そうそこ、みたいに既知情報の整理のような感じが大部分のように思えた。
NASAが数年前だったかに大量に写真を公表した時、その写真のフレームワークやピントがあまりにもプロすぎて、これってホントに月で撮ったの?という話になっていたが、それらの写真のリンクなどもあってこれまた便利。
そういう緊張感のない読み方をしていた私が、おおお、となったのは、月面着陸から1年も経たない1970年に行われた、オルドリン、アームストロング、コリンズの3名によるインタビューのリンク先を見た時。
Apollo 11 Press Conference
ひょっとしたらこれって有名な動画なの? 私が情弱だっただけかもしれませんが、とりあえず私の感想としては、これはもう、科学的ディティールについてのどの情報よりも、これって絶対おかしいと思わされるに十分。
英語ができなくても、まず開けてみて、適当にぱらぱらスライドさせてみれば誰でもわかる。まったく喜ばしいものが彼らから出てこない。すごいですよ、これは。だって偉業を達成した人たちのはずなんですよ!!
1分とか10分とかじゃなくて1時間以上あるので、部分的に取り出してどうだこうだという話ではない。
ほとんど全編お通夜みたい、とまず思った。絶望的に喜びの感情がない。実に実に実に、ぎこちない。
いや、しかし、お通夜というのも違う。お通夜には悲しいという率直な感情がある。そうじゃない、これは尋問だ、と、そういう感じ。
見るとコメント欄でも、ニュールンベルグかよ、みたいなのがあって、やっぱりそう思うよねぇとか思った。3人の表情は、悲しみというより恐怖、困惑に支配されている。
3人とも目をふせて話すし、発言者が何を言い出すんだろうと極度の緊張がみなぎる他の2人といった瞬間があったりする。そんなことになるのは、共犯者が何を言い出すかを懸念する、尋問を受ける容疑者たちみたいな設定ぐらいなものでしょう。
でね、表情、動作だけでもおかしいんだけど、話の展開もおかしいわけ。言葉を選んで客観情報みたいなことを述べる。が、しかし、彼らは他の誰にもできない、人類が何千年も見上げて来た驚くべき世界に行った、すごいすごい体験をした人たちなわけでしょ? 人はどこか珍しいことをした、行った、見たことを話す時、必ずとても個人的な感触が出るもんですよ。誰かに自分が経験した、あの感じ、この感じを必ず伝えたくなる。伝えたいから目があがって人を見る(しかし彼らは目を伏せて話し続ける)。
星が見えなかったんなら見えなかったでいい。でもそしたらその事実に対して、例えば、見えなくてさ、で、あれ、とそこで思ったんだ、とか、知ってたとはいえこうなんだなとがっかりもしたけどね、といった、個人の感情的判断みたいなものが必ず添えられるのが人というもの。
そういうのがない。どれだけ控えめに言ってもそれが前面に出てこない。この「偉業」を前に、こんなのあるわけないだろ!!と思いましたです。
■ 星問題への粘着は多分この会見から
アポロ懐疑話でよく聞く「星が見えない」というのは、ここで星はどうなのかと会場から聞かれて、アームストロングが見えないと言ったため、その後どのミッションでも見えないと言うしかなかったという話なんですかね、とかも思った。
星の話は47分あたりから。オルドリンが感情を抑えに抑えまくって煙にまくようなことを話すと、次の瞬間アームストロングが
we were never able to see stars from the lunar surface....
月の表面からは星をまったく見ることができなかった、という妙な言い方で発言しだす。するとオルドリンがパッとアームストロングの顔を見る。
コリンズの、I don't remember seeing any も相当へん。
まるでみんな星が見えるかどうかにまったく興味がなかったみたいだ。
その代りに380キロだかの石を持ち帰るってのは、みんな宇宙関係者ではなく地質学者だったのかと(笑)。
■ ウブな人を固める
そこではたと思ったのは、2カ月ぐらい前宗純さんのところで読んだこの記事。
ファーストマンの悲劇
https://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/2dae13fab3323c1664ed526390015f06
『ファーストマン』という映画が、アポロ11号船長アームストロングの視点で語るアポロ・ミッションなる映画が出てるらしい。その映画では、アームストロング船長の全然うれしそうでない表情が映画のメインのカバーというかポスターになっているようだし、中では、奥さんにも知らせず月に行ったみたいな話が出て来るらしい。
なんでそんな映画を作るの?と非常に不思議だったわけですが、これってつまり、上のような動画が出回っていることに対する、カウンター工作なんじゃないでしょうか。
つまり、アームストロングはとても変わった人だったんだ、という見せ方。
月面着陸問題に詳しいとか、懐疑的、かなり事実関係を知ってる、みたいな人には、この映画は、そんなのあり得ない、ヘンであることの証明にしかならない。
しかし、アメリカでの月面着陸に対する懐疑は、上の記事にもあったんですが、イギリスよりもロシアよりも低い。逆にいえば、アメリカでは、強く懐疑的な人がいる一方で、人類初の偉業を成し遂げたと固く信じている人の比率も高い。
であれば、そこを確保すれば、当面しのげる、という発想ではなかろうか?
全員に支持される必要はない、一部のコアと残りの漠然層だけ掴んでいれば選挙は勝てるというのと同じ発想。
これってつまり、事実や真実を重んじる態度を完全に失ってる、控えめに言っても社会がそれを優勢にできなくなっていくというわけで、それはつまりオーウェリアン世界にずっぽり入ることを意味する。
これはつまり科学技術系で勝てなくなることを意味していくだろうという予測が成り立つ。いや、G4、G5とか、ある種のミサイル系のことを見るにつけ、もう既にこれは持病化していたのかとさえ思う。
別にアメリカ人の心配をする義理はないわけだけど、いやマジで、この神話は捨てた方が将来のためなのではないかと思う。どれだけ控えめに言っても、何かがとてもおかしい状況だったことを説明しないと懐疑は嘲笑へと変わるだろう。
■ 追記
次々リンクを開けてみるに、懐疑派総集編みたいな非常に短い動画発見。これはいいと思うな。
NASA ADMITS WE NEVER WENT TO THE MOON
この中で、国際宇宙ステーションからの中継で要するに宇宙に現在行ってる人が、地球の周回軌道の下の部分までしか行けないとはっきり言ってる。4分50秒あたり。
さらに5分52秒 NASAの元宇宙飛行士のDon Pettitというおじさんは、宇宙に行きたいけど
昔持ってたテクノロジーをもう持ってない、そのテクノロジーは壊してしまって再建するのは大変だ
we don't have that technology we used to but we destroyed that technology and it's a painful process to build it back again
などと言っている。何かこう、それが公式なのかいと言いたいものがあるが、おかしすぎでしょうと苦笑したくもなる。古代の文明の話をしてるんじゃなくて、基本的に宇宙ものって軍事のカバーアップだから、テクノロジーは捨てないでしょう(笑)。
Don Pettitで検索するとこの話は2015年ごろ?話題になっていた模様。映像の感じからも近年であることは間違いない。
思うに、現場では、そんな昔のことは知らないわ、みたいな現代の科学とテクノロジーを普通に語る若者と、「そうでなければならない」系の人とが無秩序に存在しているのではあるまいか?
いやしかし、驚くほどたくさんある。
最初にアポロは月に行ってないだろうという本が出たのが70年代の中頃で、これはかなりの部分技術関連の機密情報にもタッチしていた技術ライターさんの本のようです。そこで既に星がない、真っ暗はおかしいという点が指摘されていた。
だから関心のある向きは上の会見なども含めて、これはただ事でない、と確信していたものと見えます。
1970年に早くも『アポロの月からは星が見えない』と喋っていたとは驚きである。
アポロ飛行士で月を歩いたアラン・ビーンは日本の月探査機「かぐや」のテレビ放送でNHKのゲスト出演して『アポロの月からは星が見えない』と喋っているのを見て驚いたが、
ビデオから、半世紀も前にNASAはこの事実を知っていた。(公にしていた)ことになる。
ところが、マスコミが忖度して『無かった』ことにされる。
日本でも同じで、NHKが全国放送しているのに、この事実を認めな人が大部分なのですよ。信じたくないものは、目の前に真実があっても信じないのです。
月探査機「かぶや」ですが、人々は、一番感激したのは鮮明な月面の画像ではなくて、
月から上る『地球の姿』(地球の入りとか地球の出)に感激したのです。
嘘つきで悪党のアラン・ビーンですが、『アポロの月からは★が見えない』と言うことで、
アポロの月から地球が見えなかった事実を隠したかったのです。
そしてマスコミはこの事実を隠したかった。
今年になってNASAは『アポロの月の石は地球の石だった』と発表しているが、この事実を取り上げたマスコミもゼロ、1970年のアームストロングの発言と同じで都合が悪すぎるので忖度したのです。
火星に2030年までに行くとか何言ってんだよ、月にも行ったことがないのに、と最近発言してる。
https://worldnewsdailyreport.com/trump-science-advisor-denies-apollo-moon-landings-ever-happened/
https://www.youtube.com/watch?v=baHs92IWB1A
この番組の中ではトランプ政権の科学助言者が同様のことを言ったと報じています。また、ソ連のロケット技術者の話として、月面着陸の一報に皆で大笑いしたと証言しています。その後、クレムリンからかなりの圧力が掛かり沈黙を守ったと言っています。ソ連の科学者の間では、大嘘だというのが常識だった様ですが、多分デタントの時代に入り、アメリカに対し挑発は避けようということになったのではないでしょうか。今のプーチンの政治姿勢もそんな感じですが。
>次の瞬間アームストロングが
we were never able to see stars from the lunar surface....
>月の表面からは星をまったく見ることができなかった、という妙な言い方で発言しだす。するとオルドリンがパッとアームストロングの顔を見る。
何度見てもオルドリンが振り向いた「後で」アームストロングが喋ってますよ。ついでに、オルドリンは会見中何度も何度もわき見を繰り返してます。
コメント欄にも「彼らは会見慣れしてる学者でも政府広報でもないし、単なる緊張」とあります。こちらの方が実情に近いでしょう。
>コリンズの、I don't remember seeing any も相当へん。
>まるでみんな星が見えるかどうかにまったく興味がなかったみたいだ。
>その代りに380キロだかの石を持ち帰るってのは、みんな宇宙関係者ではなく地質学者だったのかと(笑)。
そうですか?資源探査も探検の重要な動機ですけど。
それと、月の石はアポロ15, 16, 17号でアームストロングたちより後です。
その後湾岸戦争後に出た、ワグ・ザ・ドッグというヤラセをテーマにした映画も同様の効果だったのかもしれない。
彼らがとても熱心に狂信的に信仰している筈の新訳聖書にはまるで念仏のように聞きあきるほどに「見よ」と言ってるのにおかしい話で、状況を「見よ」うともしないで努力もしない、取り組みもしない、状況確認もしないでほしい結果だけを求めているって話です。
ほしい結果ありきの調査やら研究というのは日本の特殊事情だと思ってましたが、こう考えたらアメリカに40年後れで同じ状態というだけですね。